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アンデットの思い

アンデット達がみんな空へと還り…残ったのはひげじいさんと僕とディレク……


…ん?


ディレク……そう、君はアンデット!

すごい自然に横に立ってたから、みんな召されたと思ったよ


「………」


最後…なのかな?

大トリ的な感じでいっちゃてくれるのかな?


「………」


…うん?

動く気配がないぞ……なんで?


あれかな?


……なにかな?


「………」


ちらちらと横を見るけど、やはり動く気配がない……


えぇっと……何故君は召されないのか?

いや…召されろって言ったらなんだか語弊がある…


「………」


手をひげじいさんの方に導いてみるけど……やっぱり動かない


「なんで?!」


奥さんを送った余韻から戻ったのかひげじいさんの方がこちらに合流してくる。


「すまんかったな…小僧」

「いえ……」


ここで最後に送る感じですか?

ディレクの横を開ける為に1Mほど横に移動する…


ついてくるディレク……


「……?」


いやいや…邪魔しませんよ?

どうぞ心置きなく最後の別れを過ごしてください…僕の事はお気になさらずに……


そんな思いを込めて頭を軽くお辞儀させながら今度は後ろに下がってみる


そうするとどこにいくのですか?というように顎をカタカタと鳴らしながら、ディレクに洋服の袖を掴まれた……


「………」


離してもらおうと袖の骨を外そうと頑張ってみるも、離れない。


「…あのぉ、離してもらえましゅか?」

「ディレク…お前何をやっとるんだ…」


ひげじいさん、いいぞ!息子の奇行止めてくれ!


ディレクは顎をカタカタと鳴らし、ひげじいさんに向けて地面に文章を書く。


『僕はまだ残ります。聖女の最後を見届けなければ逝けません』

「そうか…」


え?そうなの?

ひげじいさんも意外と簡単に納得するね?

僕は納得してないよ?アンデット残ってなにすんの?


「…どうするつもりじゃ」

『ひとまずこの少年についていきます』

「……はぃ?」


ついてくる?…何が?…アンデットが……


「無理でしゅよ!!!何言ってるんでしゅか!!」

「小僧、こいつに父親のところまで連れて行ってもらうがいい。アンデットになったとはいえ元聖騎士じゃ、強さはわしが保証するぞ」


いやいや僕めちゃ強いから!一人で大丈夫だから!

…なんて言っても5歳児では信用してもらえるわけない。


しかもさっき吐いた自分の嘘に苦しめられてる。


「いや……あの……町にアンデットをつれていくとか……」

「契約してしまえば大丈夫じゃ」

「…けっ契約?」

「アンデットやゴースト専門に使役する死霊使いもおるからな」


アンデットを使役するとか敵キャラじゃないですか!!


「…それって普通なんでしゅか?」

「まぁ普通かと言われれば珍しいが、小僧が思ってるような悪い者ではないわい。死んだ時に思念を残してしまう者というのは案外多くてな、一時的に死霊使いが契約を結んでその者の思いを遂げてやったりする何でも屋的な存在じゃ。思いが遂げられるまでその死霊使いと協力関係になり、まぁそのまま気に入ったら死霊使いと共にいる事を望む者もおる。そんな職故、死霊使いは教会に所属してる者が多いぞ」


…死人専門の何でも屋。

そんなもんになる予定はないんですけど??


「あのぉ…それって拒否権は……」

「小僧が拒否したとて、こいつから騎士の盟約をしそうな勢いじゃからな……あきらめろ」

「めっ盟約?!」

「騎士の称号を得た者が生涯一度だけ結ぶ主従契約じゃな」

「普通の契約がいいでしゅ!!」


生涯一度の契約なんて重すぎる……

それにしても押売り契約はもう勘弁してほしいんだけど……

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