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悲しき再会

案内といってもそんな離れた場所ではないので……5歳児でも案内は出来る

しかし…今僕は己の羞恥心の限界を試されてる状況…


なぜならひげじいさんに抱っこ状態なのだ…


じいさん曰く「小僧が歩くのに合わせていたら夜明けになる」という…子供に無理はさせられないと言えばいいのに…素直ではない


が…中身35歳……この年で抱っこはきつい…

何ならスケーターに乗りたいが…じいさんへの説明がこれまためんどくさい……


耐えろ…耐えるんだ…


「…そろそろじゃな」


アンデットの群れが見える場所まで来た

向こうもこちらに気付いたのか距離は縮めないものの、わらわらと集まってきた


「籠手の持ち主のアンデットはわかるか?」


ひげじいさんに問いかけられるも……


いやわかんないよ、全部見た目骨だよ…

ただ向こうに話が通じる事はすでにわかっているので


「おーーーい!!僕と最初に会話したアンデットさーーーん!!!」


大声で呼んでみた…夜なのに大声で叫んでいいのかって?

そんなのアンデットの音楽に比べたら何てことないはずだ


アンデットの群れから一体がこちらに近づいてくる


「多分あの個体でしゅ…」

「……そうか」


ひげじいさんは一言返事をして黙ってしまった。

僕を抱く手が震えているのは…もしかしたら名前を知るあのアンデットはひげじいさんが知り合いなのかもしれない。


襲われるという恐怖とは違う緊張に包まれる


アンデットが2Mぐらいの距離まで近づいてきた…表情はわからないけど、こちらも緊張してる気がする


お互いなんの音も発しないなか…口を開いたのはひげじいさんで…


「………ディレクなのか?」


あれ?ドローセ卿とかって名前じゃなかった?

目の前のアンデットがびくっと反応した後……カタタと顎を揺らしながらうなずいた。


やっぱり知り合いだった…

ということは…きっとこのアンデット達は…このひげじいさんに会いにこの村に来たのかもしれない。


「……っく」


ひげじいさんが空いた手で顔を覆ったと思ったら、嗚咽が聞こえてきた


アンデットも僕も…動けなかった。


「…じいしゃん」


……ちょうど届く位置にひげじいさんの頭があったので、小さな手で撫でる。

亡くなってしまったという事だけでも精神的には辛いだろうに…知り合いのアンデットの姿を見た衝撃は……僕には想像出来ない。


「…小僧、すまんな」


言葉は出ず、ううんと頭を振るしかできない

ひげじいさんは大きく息を一度吸い、ディレクというアンデットに再び向き合った


「ディレク……わしが大司教を退けられた後…何があったんじゃ?」


ひげじいさん大司教だったの?!

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