決戦の湖
『さて・・・決戦はここでしゅよ』
白いネズミ達が降り立ったのは目の前に海と言っても通じそうなほど大きな湖の波打ち際だった。
その白いネズミのレン君は到着するなりマーチンjrの背からとびおり、鞄から色々なアイテムを取り出し始める。
『これは・・・水といえどなかなかに火の力が強い場所だな』
『小さい湖底火山があるでしゅよ、それに大気中には砂漠からの風が含まれてましゅ。火の力を0にするのは無理でしゅよ』
『なるほどな・・・』
レンは30cmほどの枝を3本取り出すと一本をその場に突き刺した。そして一本をマーチンjrに渡し、自身は残りの1本を持って別の亀の背に飛び乗る。
『ではjrここから対岸部分に渡した杖を突き刺して下しゃい』
『どのように刺せば・・・』
『ただブッ刺すだけでいいでしゅ』
『・・・あ、ああ了解した』
マーチンjrは返事と同時に飛び上がり、対岸へ向けて飛んでいった
『じゃあ・・・リリィ』
レンは自分が乗ってる亀に話しかける。
この亀、なんとマーチンjrの嫁と先程紹介された亀なのだ。グルルと返事のようなものを返してくれる。どうもマーチンjrが側にいると脳内回線が混線して亀の言葉がわかるようなのだが、離れてしまうと他の亀の言葉はレンには通じなくなる。
だがこちらの言葉は通じてるようなので、目的を嫁のリリィに伝える
『リリィにはここからあの大きな木のところまで飛んでもらうでしゅ』
ちょうどここ部分から斜め60°の部分に大きな目立つ木が生えてくれている。
3本の杖を刺すことで結界が安定する正三角形を形成出来るので、より強固な結界が作れるのだ。
グルルというリリィも返事と一緒に飛び上がってくれる。
低空飛行であまりスピードを出すことは無いとはいえ、マーチンjrのように取手はないので飛ばされないよう亀の甲羅に身体全体で張り付く。
レンが飛び立った時に、残された亀達が『暑くね?』『まじ不快だわ〜』『涼しくすればいいんじゃね?』などの言葉はレンに届く事は無かったのだった。




