the金持ち!
出迎えてくれたのはメリンダだった。
非常事態にお店は閉まっていたのだが、裏手の家の入り口に行くと仁王立ちのメリンダがいてこっちを見るなり背骨が折れる勢いで抱きしめられた。
「ぐっぐふぅ・・・」
「もうっナナ君!!!冒険者ギルドに迎えにいったのに何処かに行っちゃってるなんて・・・」
・・・あぁそういえば亀たちの非常事態にロックスウェル家への伝言忘れてたや。
「ご、ごめん、、なしゃ・・・」
「あっ!!ごめんね!!」
「ごほっ!ごほっ!」
いやぁ・・メリンダさん、見かけによらずなかなかの怪力でいらっしゃる・・・ただ前面具合はけしからん・・・5歳児で良かったと心の底から思う感触だった・・・全ては語るまい
「さ、ナナ君中に入って!」
「お、お邪魔します」
さっき来たばっかりなのだけど、すぐに戻ってきてお世話になるというのは若干恥ずかしい。
通された部屋はさっきの応接間とは違い、明らかに身内な感じの個室だった・・・ただしばかデカい
「えっと・・・もうちょっと狭い部屋でも・・・」
「・・・母さんが気を使うだろうから一番小さい部屋でって言われたから用意したんだけど・・・ごめんね。これ以上小さい部屋が無いの」
the金持ち・・・うらやましくなんかないやい。
まぁ僕もラナも多分寝てるだけなんで、壊したり汚したりする危険性はないだろう。
そっと触れたベッドの感触が前世の高級ベッドでも味わった事のない素晴らしい感触で、帰りにこのベッドもラナと僕用に買って帰りたいと本気で悩む5歳なのであった




