うちの亀はすごかった
レン君からさらに今のお家事情を聞いて、美魔女の整った顔がだんだん引き攣ってくる。
「ま、まぁお家の事は追々聞くとして・・・ところで今日は森で何か問題でも起こったのかしら?あの発光現象についての事とか?」
『あぁ、あれはグラートニアタートルの咆哮でしゅから、気にしないでいいでしゅよ』
「さらっと爆弾落とさないで貰えるかしら・・・今ギルドの上層部がみんな蒼白な顔で会議してる内容なんだけど?」
『家にいるグラートニアタートルが全部攻めてきたら会議なんかする暇なく一瞬で終わるでしゅ』
「・・・」
いや、やりませんから!!
カレニアさん、恐ろしい目でこっち見るのやめてくだしゃい!!
ブンブンと首を振ったことに納得してくれたのか、大きくため息をついた後話を続けてくれる。
「じゃあ何用で来られたのかしら?」
「えっと・・・日用品を買いに・・・」
やっと参加出来そうな会話になってきた。今までの会話は下手に喋ると危険な事が多すぎて、レン君におまかせだったよ・・・かなり暴露してたけど・・・
「・・・?はい?」
「えっと・・・トイレの紙とか、ラナのおしめとか・・・あと予算に余裕があればラナの服とかも買ってあげたいなぁとか思ってるでしゅ」
「・・・ナナ君あなた森の最奥の家から来たのよね?」
「あぃ」
体感で1時間ぐらいだったから、まぁちょっとしたお出かけかな?と・・・ラナも普段は家ばっかりだから初めての外出にテンション上がって楽しそうだった。やっぱりお出かけってワクワクするよね。
「この街であの森は死の森って言われてる・・・そこら辺のダンジョンなんかよりよっぽど危険な森なのよ・・・」
「えっと・・・」
そんなに危険じゃないですよ?
出会ったのってちょっと頭の悪そうな鳥だけだったし・・・
「少しでも森の奥に入ったらSSクラスの魔獣や魔物が跋扈してる森なの・・・」
「あー・・・マーチンjrで空飛んでたからでしゅかね?」
「20m越えの木しかない森の上空を飛べる亀・・・」
どんどんカレニアさんの顔色が悪くなっていく気がするんだけど・・・
おかしぃなぁ買い物に来ただけなんだけど・・・?




