美魔女はやっぱ美魔女だった・・・
ブルジョアジーな部屋を通過して通されたのは、シンプルさに財が投入されてるという言葉がピッタリな華美ではないけどすべての家具が部屋に溶け込む全部オートクチュールだよね?という部屋だった。
「どうぞ座って」
「あ・・・はいでしゅ」
すすめられたソファの座り心地も・・・半端ない。
「お茶・・・ジュースの方がいいかしら?」
「あ、いぇお構いなくでしゅ・・・」
うん、もうお腹はぽちゃぽちゃなので・・・物理的に遠慮したいのです
「あら、そう?なら・・・率直にお話ししましょうか。あなたは本当にリクト様のお子様なのかしら?リクト様のご自宅は森の奥地・・・とてもじゃないけど5歳児がお使いで来れる距離じゃないわ」
おぉ?この人僕んち知ってるのか?
まぁなら・・・僕の事疑うのも無理ないかもね・・・
さて・・・なんて説明しよう・・・と思ってたらフードからレン君がぴょいっと飛び出てきた
『カレニア、彼はリクト様の子供で間違いないでしゅよ』
「あら!レン君、いたの?」
・・・レン君のこの街での知名度高すぎないか?
え?一応レア種族なんだよね?小型獣人って…
「まぁ・・・じゃあ近くにリクト様もいらっしゃるのかしら?」
『・・・それについて、いくつか報告があるでしゅよ』
「・・・深刻な話なようね」
『聖獣の暴走・・・それにフィース様とリクト様がまきこまれたでしゅ』
「まさか・・・噂程度の話が…本当だったのね」
『今はフィース様が首都に戻って統率をとられてるでしゅ・・・さらにリクト様が他の聖獣の元へ暴走した聖獣を連れて行ってるでしゅ』
「何ですって!?じゃあナナ様は本来首都に居られるはずじゃ・・・」
いや、僕ここに居ますけど?
っていうか・・・僕いらなくね?
「・・・レン君、知り合いでしゅか?」
やっと聞けたよ・・・
『カレニアとは昔、リクト様やフィース様と一緒にダンジョンに行ったんでしゅ』
「名乗るのが遅れましたわ・・・私カレニア・ディズ・ロックスウェルと申します。ナナ様ご無事で何よりですわ」
『心配いらないでしゅよ・・・ナナ様はめっぽう強いでしゅ』
いやレン君・・・そんな付属説明はいらなくないか?
「れ、レン君?」
『ナナ様だけでも桁外れに強いのに、更にグラートニアタートルの従魔までいるでしゅ』
「っ!?」
ずっと話を冷静に聞いていたカレニアもマーチンjrについては驚きだったようで、見開いた目でこちらを見てくる。
「一度また家に来るといいでしゅよ・・・グラートニアタートルはわんさかいるわ、ご神木が複数生えてるわ・・・なかなか恐ろしい家でしゅよ」
「あ、あら…相変わらずリクト様の進化が止まらないのですね」
『違うんでしゅよ・・・今話した事はここにいるナナ様がしたことでしゅ』
えーレン君内情すげーばらすじゃん…
「出来るだけ秘密にしといた方がいいって・・・」
『カレニアは別でしゅ・・・この街を牛耳ってるのはカレニアでしゅ。領主なんかよりよっぽど強い権力を持つハイエルフでしゅよ・・・それにリクト様についても詳しい事情を知る数少ない人でしゅ、彼女に事情を知ってて貰っていた方が何かと都合がいいでしゅ』
うん・・・カレニアさんににっこり微笑まれましたけど、「内緒の話ですよ?言っちゃったら・・・」っていう声がどこからか聞こえてくるんですけど!?




