怯えるおっさん...
結論、5歳児にできる事はとても少ない。
日用品の買い物はロックスウェル家の近くでも出来るそうなので、そのままロックスウェルのお店に向かう事になった。
外周もなかなかの賑わいだったけど、中心街とでは人の層が全然違うようだ、外周の客層はどちらかというと粗雑な者というか冒険者と呼ばれる風態の人が多かったのに対し、壁の内側では外では余り見かけなかった子供達も多いし、女性も普通に一人で歩いてる。
「おもしろいでしゅね」
「ん?なんかあったか?」
馬車から見る街の様子は馬車道と歩道がきっちり整備されていて、歩道側には出店が立ち並んでおりまるで前世の祭りの様子だった。
「あの店の並びは・・・今日はお祭りでしゅか?」
「ガハハッちげーよ。ここではあれが普通の景色だぜ。中心街でも壁に近い場所は商売する側も買う側もこの街の中では貧困層だ。こっからどんどん中心にのし上がってやるって気合いの者が多いせいか活気に満ち溢れてるのさ」
ふぅーん、貧困層っていうと、浮浪者とか・・・ストリートチルドレンみたいなのを想像しがちだけどここでは少し違うらしい・・・まず貧しいというわりに街が綺麗なのがすごい、それに人が来てる服も別に嫌悪感を抱くような代物じゃない・・・なんなら一人であたふたしてた僕の方がよっぽど汚かった。
「ラナ、帰りに食べ歩きしようか」
「わきゃう!!あいっ!!!」
「いいなっ!俺も一緒に行くぜ!」
「いや・・・そこまで付き合ってもらうわけには・・・」
「ナナ君いいのよ・・・父さん家に帰ったら全然帰って来ないっていう母さんの小言が待ってるんだから、ナナ君と一緒に外周に帰りたいのよ」
「・・・」
白けた目でおっさんを見るとわかりやすく動揺してるんで、図星らしい・・・
おっさん・・・家族サービスは大事だぞ・・・
ついったーやってます
@poko_taneda




