カオスな馬車...
どう考えてもさ・・・森での発光現象ってさっきのマーチンjrの咆哮じゃん
やばいなぁとは思ったけどまさかここで自分に跳ね返ってくるとは・・・
とにかく誰とも視線を合わせる事も出来ず、しかしどこかを見るわけでもなく・・・まさに目が泳ぐというのはこう言う事だ!という状態に・・・たまたま視界に入ったレン君は僕と違って全然落ち着いた感じで「なんでだよ!?」と思う
「レン君・・・」
『ナナ様、僕のギルドカードだすでしゅよ』
ギルドカード・・・あ、そういえば出発する時に持っていけと預かってたな・・・
ごそごそと鞄の中を探してそれっぽいものを出す
この世界のギルドカードは軽量金属で出来たカードで、身分証明にもなればギルドでの活動も全て記載されるスペシャルカードらしい・・・しかもカード自体が魔導具なので、個人登録もされており他人に悪用されるような事もない
「これでしゅか?」
『そうでしゅ、それを門番に見せるでしゅよ』
「え?自分だけ?」
自分だけ身分証明して中入るつもりか!?
『くだらない事言ってないで、いいから見せるでしゅよ』
ひどい・・・
何だか深刻そうな話をしてる門番とスキンヘッドのおじさんにレン君のギルドカードを差し出す
「ん?ナナ何だ?」
「・・・これは?」
『同行してる小型獣人のギルドカードでしゅ。僕のはないでしゅけど身分証明にはならないでしゅか?』
「小型獣人・・・は、拝見します」
小型獣人という言葉で何だか門番さんに緊張感が走り、突然こちらに対して丁寧な言葉遣いと対応になる。え?レン君・・・何やったの?
「これはやはり…っ!!大変失礼致しました。リクト様のパーティである【マンネンタイダ】のレン様でいらっしゃいましたか」
ぶはっと吹き出しそうになったパーティ名・・・ごまかすのが大変だった。
だって・・・マンネンタイダって・・・万年怠惰ってふざけたパーティ名じゃないか・・・
「レン様が同行されているお子様という事は・・・」
丁寧だった態度が、今度はどんどん顔色が蒼白になっていく・・・いや名乗りにくい
「あのぉ・・・」
「・・・レン様が一緒におられるお子様・・・リクト様とフィース様の・・・」
「・・・ナナでーしゅ」
「・・・」
「・・・」
えっとお姉さんはあちゃーという顔をしてるし、おじさんはバレたなって顔してる・・・レン君は人が苦手なので、気がつけば僕のフードに隠れてしまってるし、門番さんは今にも倒れそうだ。
ラナだけが状況を把握してるのかしてないのかケラケラと笑っており、その笑い声だけが響く馬車の中はまさしく
・・・カオスである
ついったーやってます
@poko_taneda




