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お姉さんは職人でした

朝の投稿が出来なかったので、今回少し長いです。

「あの・・・僕背中に妹を背負ってて首元が締まってるのはちょっと・・・」

「え!?そうなの??全然わかんないんだけど!?」


こういう物を作る人には実物を見てもらった方が早いので、今着てるマントを脱ぐ


「わぁ〜寝てる〜可愛い。リュックなのかと思ったら妹ちゃんを抱っこしてたのね・・・へぇマントの背面にきちんと空間が出来るように魔導設計されてるのね」


一瞬変態がまた現れるのかと身構えたけど、意外に反応が普通で拍子抜けだった。

どうもこの人が豹変するのは父さんに関してだけらしい・・・


「ありゃ、小型獣人も寝てる」

「この子達が苦しくない状態じゃないと着れないんでしゅ」

「なるほど・・・」


ふむーとお姉さんは一瞬悩んだ感じで「ちょっと待ってて」と言い残して店の奥に入っていった


うん・・・父さんが絡まらなければお姉さんもいい人だ。


「きみぃーちょっと奥来てくれるー?」


きみ・・・そういえば名乗ってない。


「僕、ナナ・ヘイワーズって言いましゅ!!」


ずっと「きみ」呼びなのもどうかと思うので名乗ってみる


「あ、そうなの?私メリンダ・ロックスウェル!よろしくね!じゃあナナ君ちょっと奥来て〜」


呼ばれるままに店の奥に行くと、そこは正しく工房という名が相応しい場所だった。

メリンダさんがそこで手招きしてくれている


「ちょっとここに立ってくれる?」

「あ、はいでしゅ」


お姉さんの目の前に立つと背中を採寸されていく、ラナを起こさないように配慮してくれてるのか一切背中には触れずに計測してくれてる

そしてあっという間に終わったと思ったら、さっきの認識阻害のマントを作業台に広げ、そこに置いてあったペンとインクで首元に何かを描いていく。


「そこに魔法陣があるんでしゅか?」

「そそ、このマントの形態だとここが一番魔法浸透がいいのよ」


魔法浸透・・・そういえば魔導具の本に,魔法陣からの魔力の広がりについて書いてあったな。


「こんな感じかしら?」


お姉さんはそういうとフードのリボンの結び目を解いた


「?」

「このリボンを外してる時には、背中を圧迫しないように空間設定したわ。妹ちゃんとか荷物を背負ってる時にはリボンを解いた状態で、それ以外の時は結ぶようにすればこの空間は無くなるわ」

「・・・プロでしゅ」

「あはは、一応本職よ」


お姉さんがさらりと作り直したマントを渡してくる


「さぁ着てみて」


差し出されたマントを羽織って見て感じたのはまず軽さだった。存在感はあるのに着てないみたいに軽い。


「フードを被ると認識阻害の魔法陣が起動するから、必要ない時はフードを取ればいいわ」

「・・・こうでしゅか」


言われるままにフードを被ってみる。


「わぉ、我ながら素晴らしい出来だわ」


自分ではどうなってるのかわからないけど、お姉さんの反応を見る限りきっちり認識阻害出来てるみたいだ。


「ナナ君このアイテムは悪用されやすいのはわかる?」


動作確認は済んだのでフードを外す。結んであった赤いリボンがフードあたりで揺れているのが見えて、そういえば前世でこんなウサギ耳のフードを着てる女の子を見かけた事を思い出した。


「そうでしゅね・・・泥棒し放題でしゅ」

「えぇ、なのでこのアイテムには特有の魔力香があるの」

「まりょくこう?」

「認識阻害の魔法が発動中には特有の魔力の香りが発せられるの、その香りによって人に認識される事は無いんだけど、悪事に使用したらそこにはこの香りが残るわ。で、香りは工房ごとに違うから何かあればすぐうちのアイテムだとわかるの。小さなナナ君には関係ない話だけど・・・大切に扱って貰えると嬉しいわ」

「大事にしましゅ・・・ありがとうございましゅ」


きっと何か犯罪に使われてしまえば、工房にも迷惑がかかってしまうのだろう・・・

後できっちりマントに僕限定の魔法陣と魔動印を入れておこう


「それにしてもばっちり似合うわよ!!」


お姉さんが親指を立てて褒めてくれるが・・・どうみても可愛すぎるマントを似合う自分自身の姿が恥ずかしくて仕方ない中身35歳であった

ついったーやってます

@poko_taneda

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