分離体って働き者
長いです。うちの3話分ぐらいあります。
とにかく今僕は膝上で赤いスライムを撫でくりまわしている。
それはもう愛情込めて適度な強さでみょんみょんと・・・
「ありがとうでしゅ〜こんなに早く探してくれるなんて・・・すごいでしゅね〜」
・・・決して、決して忘れて外に遊びに行ったわけじゃ・・・
ー別ニ分離体ハ怒ッテナイヨウデスヨ?撫デラレテ嬉シイ感情ガスゴイ勢イデ流レ込ンデキマスシー
そうなの?それならば・・・ちょっと僕の中の罪悪感が薄れるんですけど・・・忘れてたわけじゃないんだけどね・・・
「ごめんね〜「・・・」」
この赤スライム達は朱果の分離体で、大きくわけたら朱果って事になるんだけど・・・僕にとって朱果は今ラナの側にいてくれる個体を指していて・・・
とどのつまり・・・個体名が無いのがややこしい。
でも小説とかでよくあるよね?知らないうちに魔物に名付けしちゃって魔力をごっそり持ってかれてテイムしちゃう系のやつ・・・なので勝手に名付けは危険だって思うわけで・・・
それに朱果はすでに僕のテリトリーに入ってる個体でさ・・・勝手にその分離体に名前つけちゃうのってダメなのかなぁとも思うし・・・
ーヤッテイイソウデスー
そっか・・・やっぱそうだよね・・・いいのっ!?
ーソモソモ分離体ナノデ指揮系統ノ頂点ニイルノハ朱果デスガ、他ノ個体モ自我ガ多少ハアルソウデス。指揮系統ガ名付ケニヨリ変ワル事モ無イデスシ、個別化サレテモ不具合ハナイソウデス。大キク見レバミンナ朱果ナノデ名前ヲ沢山
貰エテ嬉シイソウデスヨ?ー
「そうなんだー・・・」
ーシカモ【朱果】ガ更ニスペシャル感ガ増シタ!トモ喜ンデイマスー
あー今まで分離体も全部朱果って呼んでたもんね
じゃあ・・・てっぺんにお許しも貰ったし・・・はりきってつけようか
「君の名前は緋華でしゅ」
分離体が激しく縦揺れしてる。
・・・これは喜んでくれてるんだよね?
「でも名付けたはいいでしゅが・・・9体の見分け出来ないんでしゅけど?」
さすがにひとまわり大きく触手に特徴のある朱果はすぐわかる。
ただ最近分離体はみんな倉庫から出てる事が多くて、僕が家の中で困った時にどの個体かは側にいてくれるんだけど・・・その個体の区別がつけられない。
「何かいい手がないでしゅか・・・」
ーナナ様ノ魔石ヲ与エレバヨロシイカト・・・溶カサズ体内ニ持ッテイルヨウニイエバ区別ガツキマスー
それだと緋華しか区別出来ないじゃん・・・
「じゃあさ・・・魔力量は均等にして数を変えれば・・・緋華は100の魔力に対して一つ、茜音は100に対して2つって感じでしゅね・・・」
ーイイト思イマスヨー
よぉーし・・・あんまり魔力を込めると絶対レン君に怒られるので、前世の1円玉ぐらいのサイズで魔石を作る。
「じゃあ緋華、これ溶かしちゃダメでしゅよ!」
緋華が僕の手から魔石を受け取り、体の中に取り込んでいく。
・・・そして何を思ったのか体の中心に浮かぶ自分の核に引っ付けた・・・
「ひっつけた!?」
キラキラと緋華のボディが煌めいた後、核に雪の結晶が刻まれた・・・何だかスペシャルなスライムになった
「・・・え?リフィさん??」
大丈夫だっていったよねっ!!
ー先程ノ精霊ガ食ベテモ大丈夫ソウダッタノデ・・・ー
あいつの正体はご神木でしょうがーーーーっ!!!!
ーア、朱果ガ何事ダトッ怒ッテイマスー
地雷事案が増加中・・・
ついったーやってます
@poko_taneda




