泳げないって前に言ったよね!?
もうどうにでもなれ!と覚悟を決めて飛び込んだ世界は一面の青世界だった。
凄まじい水柱と共にかなり深くまで潜ってしまい慌てたが、スライム精霊に覆われていた事で水面に叩きつけられる衝撃もなく、水中でも息が出来る状態だとわかって安心した…が僕は忘れていた
「あ・・・僕泳げないんでしゅよ」
『!?』
ばちゃばちゃと水を掻いてみても一向に浮上する気配がない
「せ、精霊しゃん!浮上出来ましゅか!?」
『プギプギ』
ー君ヲ覆ッテイルト難シイソウデスー
何で!?
ー高イ魔力ヲ内包シテルノデ、上手ク力が使エナイソウデスー
「高い魔力って…」
ーナナ様ノ事デスネー
「まじでしゅかーーー」
そうやって叫んでる間もどんどん潜っていってる。
しかも恐ろしいのは地底湖なのに底が見えない…どんだけ深いんだよ…この湖。
段々と周りの青が群青色になり、今や濃い藍色となり…もうすぐ暗闇になりそうだ…
「これはまずいでしゅよ…」
精霊に包まれてるので溺れはしない・・・しないよね?
でもバタバタと暴れても上に向かえないどころか、多分水圧で暴れる事すらしんどくなってきてる
「こ、このまま圧死とか…いやでしゅ」
ー困リマシタ。泳ギノチュートリアルハ無イノデスー
そこは用意しとこうよっ!!!
必死に前世の水泳選手を思い出そうとするが、みんな水面で泳いでる姿しか思い浮かばず、こんな潜って泳ぐのはどうすればいいのかほんとにわからない…
「誰かぁぁぁぁ助けてぇぇぇぇ」
そう言った瞬間、いきなり体がグンと持ち上げられた。
「!?」
そしてそのままの勢いでどんどん浮上していく。
暗闇から段々と光がある世界に戻ってきて、こんな時だけどそのコントラストに感動した。
これは泳げない僕にはきっともう見ることが出来ない世界で、一生目に焼き付けとくべき美しさだった。
そして世界が明るくなると同時に僕を押し上げてる存在に気づいた
「あ・・・・・亀」
地底湖に落ちて体感1分、目的を果たしたっぽいぞ
ついったーやってます
@poko_taneda




