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闇に潜むもの…

竜騎士団が帰還した夜…体は疲れているはずなのに何故か夜中に目が覚めた。

昨日まで聞こえてきていた物音が無くなり、静かすぎる中で少し過敏になっているのかもしれない…と少し喉が渇いた気がしたので水を飲みにキッチンに向かった


回復薬の入ったコップを持って庭に出た事に特に意味は無かった。

ワイバーン達もいない、静かになった庭で久しぶりに星空でも眺めようというぐらいの軽い気持ちだったかもしれない。ただ…庭に出た瞬間ゾクゾクとした物が背中を走る。


「…?」


意識すると違和感だらけのその空間に…自分が何かに嵌ってしまったのかもしれないと思った。


「…リフィ?…リフィ?」


手っ取り早く現状を聞こうとリフィに呼びかけるも応答がない。


「…夢?」


夢にしては感覚が生々しく、意識は現実だと訴えている。

本来であれば聞こえてくる虫の音や獣の遠吠え、風の音すら聞こえてこない。


「…なんでしゅかね」


見かけだけはいつもの庭のまるっきり違う空間にいる感覚。

正体不明の嫌悪感がずっと続いていて、ずっと自分の中の警笛が鳴り続けてる。

そしてその緊張が最高潮まで高まった時、聞こえてきたのは澄んだ女性の歌声だった


「…っ!?」

「……あんなに壊したのに」


歌が止まると女性が喋り出す。

夜の光の逆光で顔は見えないが、長い黒髪を靡かせ宙に浮くその女性は明らかにヤバいやつだ。


「だ・・・れでしゅか…」

「壊して壊して壊して…壊し尽くしたのに…」


こちらの問いかけに応えるつもりはないのか、女性は淡々とした口調を続ける

家の中に逃げようにも金縛りにあったように体が動かない


「どうして…まだ壊れないの?∃∞∪¬§」

「?」


後半何を言ってるか聞き取れなかったが…いつのまにか女性は結界の中に入ってきていて…こちらに手を伸ばしてくる


「!?ぐっ!!!」


首に手が添えられても動かない体を憎らしく思いながら、徐々に力が込められていく女性の手になすすべがない


「どうして…邪魔するの?どうして?ねぇどうして?壊れてしまえばいいのに…リクト…さま」

「!!!リフィィィィッッ!!!!」


動かせるところは口だけだったので、最後の望みをかけてリフィの名前を叫ぶ


『『キエーーーッ!!!!』』

「きゃあっ!!!」


体内から何かが発光したような感じで、女性がその光で弾き飛ばされた。

聞き慣れた方の叫びはご神木達の声。


「ゴホッ!ゴホッ!」


急激に酸素が肺に取り込まれ咽せてしまう。


「忌々しい…本当に忌々しい…貴方にそんな価値は無いのに…」


光に焼かれたのか女性の手が煙を上げている


ーナナ様。遅クナリマシター

「リフィ……皆は無事?」

ーハイ。聖女ノ狙イハ、ナナ様ノヨウデスノデ…ー

「…せいじょ?」

ーハイ。アレハグレンドリアノ聖女デスー

「はぁ!?聖女!?」


聖女ってアニメとかで…もっとこう…光輝いてて……

どう見ても目の前の女性は聖女というよりは…、雰囲気「貞○」に近い…

相変わらず顔は見えないけど…持ってるオーラが黒いんだよ


「闇堕ち聖女…」




「絶対許さない…渡さないわ……お前には…絶対に……」



女性はそう言うと、口から黒いもやを吐き出して…その身を覆い、もやと共に消え去ったのだった


ついったーやってます

@poko_taneda

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