別れ
「じゃあまたくっからよ!」
髭もじゃがメルメルに騎乗して高く飛び上がる。それに騎士を乗せたワイバーン達が続いていく。
『ナナ!ありがとう!!貴方のお陰で子供達も私も助かったわ!』
『我が番と子を守ってくれて感謝する。何かあれば言ってくれ手を貸す』
リオナにはバディのサラが騎乗し、卵は騎乗者の居ないドランドの背中に厳重に括られ、一切傷などつかないように赤いスライムボディが包み守っている。
ナナが手を軽くふるとリオナが飛び立ち、続いてドランドが飛び立った。
あんなに可愛がっていたのでもしかしたら朱果がついていくかもしれないなと思っていたのだけど…何と卵についた精霊は朱果の分離体である地下に居た管理妖精で朱果は僕の頭の上で触覚を手のように振っている。
「朱果はほんとについて行かなくていいんでしゅか?」
『いいの〜ボクはナナと一緒にいるの〜』
と何とも可愛い思念を飛ばしてくれる。
「ありがとね」
そっと頭の赤いボディを撫でると嬉しそうに擦り寄ってくれた
「では、ナナ様。私たち騎士団の部隊が戻るまで決して自宅の結界から出ないで下さいね。一応こちらにはニハイルとドーマ、センレンスの3名を置いていきます。何かありましたらこの3名のワイバーンが1番速度がありますのでお伝えください」
「はい。メディ、色々とありがとうごじゃいましゅ。母しゃんに会ったら手紙と…僕とラナは元気だと伝えてくだしゃい」
「わかりました。次の部隊にも私か団長が同行するようにいたしますので…」
「え?いや…ザークもメディも無理のない範囲でお願いしましゅ」
多分一人でやってけるし…何なら残される3人も可哀想だから連れて帰ってあげて…と思うんだけど…
さっきその3人と話したら、「マンドレイクの結界すげーし、給料貰えてアウトドア!ほぼ休みじゃん!ラッキー」って喜んでたんで…ま、いっかって思うことにした。
「では…また…」
綺麗な銀糸の髪を靡かせてメディが愛竜と飛び上がる
メディは…ここに残されて初めて…心配してくれた大人だったので、やっぱり別れは少しぐっとくるなぁ。
「メディ!!気をつけてね!!!」
大きな僕の声に応えるようにメディの愛竜は家の上空を一周旋回した後、グレンドリアの方角へ飛び立ったのだった。
「はぁ…行っちゃった」
ちょっとだけついていけば良かったかな?と思ったりもしたけど、眠るラナもいるし、レイ君も朱果もいるこの家を離れる事を考えた方が寂しかったので、見送ってよかったと思うことにしたのだった。
ついったーやってます
@poko_taneda




