黒いワイバーンはでかい
ここでワイバーンの容姿を紹介しよう。例えば今うちにいるリオナはワイバーンの中では小柄な方で、全体的に濃いグリーンの鱗をしている。聞くところによると雌に多い色らしい…対照的に雄のワイバーンは雌の1.5倍ほどの大きさがありほぼ黒い鱗で覆われている…
今目の前にいるドランドはまさしく雄って感じで…こちらを睨みつけている。
「…リオナさん。ご主人がいらっしゃいましたでしゅよ」
何故か5歳児の後ろに隠れられるはずも無いのに隠れようとしているワイバーン。リオナである
『リオナ…どういう事だ?』
ドランドの口からね…ふしゅーって煙がね…
これ結界の外にいたら僕、消炭じゃね?
現状を説明しようにもリオナ本人が説明しないと、僕は獣語が話せないんだからさ…
ならばレイ君をと、呼びに行きたいのにぐいぐいリオナが前に押し出してくる
「ちょっリオナさん!?ちゃんと話をした方がいいでしゅよっ!!」
『怖い…ドランド…めちゃ怒ってる…怖い』
いや…そりゃ怒るだろうよ!でも心配もしてるじゃん!!
くそぅ…相手の言ってる事がわかるのにこっちの言葉が通じないって…どんどん状況の悪化がわかるだけに怖いわ!!
こ、こんな時には…助けて!リフィ!!
ーサスガニ獣語ハ声帯ガ違ウノデ、習得デキマセンー
じゃあこの八方塞がりの状況をどうすればいいのさ!!
ー朱果ニレイヲ呼ンデキテ貰ウノガ1番早イカトー
なるほど!!その手があった!!
「しゅ、朱果!卵のお父さんがきたってレイ君呼んできてくれない?」
ワイバーンが僕に敵意を向けてる今、がっちり卵を覆って変色し、外から卵が見えないようにして動く気配がない。
「朱果…その卵のお父さんだからっ!!」
朱果が薄らと元の半透明な赤色に戻ると、籠の中の卵の姿も見えるようになった
その途端結界の外側にいたドランドが結界にすごい勢いで突進してきた。
「ぎゃあっ!!!」
ドンというすごい音とともにワイバーンの顔面アップ…迫力満点である
僕のその声で再び警戒モードになってしまった朱果が卵をまた覆い隠してしまった。
『卵をどうするつもりだっ!!!!』
破壊しそうな勢いでドランドが結界に激突を続けている
『怒られる…怒られる…怖い』
後ろから聞こえてくるリオナの声は念仏を唱えてるようで…こちらの願いは届きそうにない。
「・・・・地獄絵図」
誰でもいいからこの状況をなんとかしてくれないだろうか…
ついったーやってまる
@poko_taneda




