平和を連呼すれば…
「平和って素晴らしいでしゅね〜」
怒涛のリオナの卵事件から僕の感覚でいう二週間ほどたったある日。
ちゃっかりこの家の住人となったリオナとリオナの卵と一緒に現在庭で日向ぼっこ中である。
卵達は朱果が覆っていて直射日光にさらされないようになっている。
最近、胎動的な卵動とでもいうのだろうか?があり、卵が自発的に揺れてる時があるのだが、まさに今日向ぼっこが気に入ったようで卵の動きもいつもより活発な気がする。
…リオナも魔力欠乏の状態から脱し、今は無理ない程度に魔力を卵に譲渡してるのだが…卵にとってはリオナと朱果、母親が2匹的な感じなのだろうか?
朱果から卵に与えられてる魔力は僕の物だけど、朱果を通して全て行われているので、自身に卵を育てている自覚は全くない。
でも…やっぱり卵というだけでこうやってご機嫌に動いてくれると…
「早くおっきくなれよぉ〜」
と母性のようなものは芽生えてくるのである。
朱果をツンツンとつついて朱果とも遊びながら卵への声かけも忘れない。
リオナはかまってちゃんなのか…口先で僕の後頭部を突いてくるが…食べられそうな恐怖があるので是非ともやめていただきたい。
「平和だな〜」
この家から見える竜騎士団の本陣はきちんとマンドレイク達が仕事をしているらしく、結界で綺麗に覆われていた。結界内の騎士達も来た当初より随分リラックスしたようで、今は訓練やら狩りなど自由に動けているようだ。
定期的にワイバーン達が狩りの戦利品をリオナの食事分として多めにくれるので、お裾分けをもらい僕の料理のレパートリーに肉料理が追加されてそちらも充実している。
リフィさんによるチュートリアル指導は必要に応じてという約束をもぎとる事で見知らぬうちにバンバンとチュートリアルが完了する数は減っていった。その代わり必要なチュートリアルは率先して行う様にしている。
「…上手くいきすぎてる気がしましゅ」
何だろう…この世界の平和を今いち信用できないっていうか…
こう…平和であればあるほど…見返り的な恐怖を味あわされるというか…
…ほら見て突然視界が夜みたいに暗くなったし…
結界向こうの頭上を眺めてみたら…
『リオナァァァァァァァァ!!!!!!』
って真っ黒いでっかいワイバーンが落下するようにこっちに向かってくるし……
こっわ!!!!
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