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5・始めの第一歩!



 「んーーーーっいい天気」




すっかり日課になった朝ご飯後のお外眺めるタイム

リアムさんが来た日から1か月が過ぎた


あの日から私はずっとコツコツと()()準備をしていた





あの日レゼルちゃんは2か月分の体力作りのメニューを貰ってきて

午後の時間に追加された

これが結構スパルタメニューで、室内での運動なのに始めのころは泥のように眠りに落ちてた

でも1か月たってだいぶ体力もついてきたように思う



それに加えて私は、1人時間を使っていろいろな魔法をイメージして使おうと試してみた

でも何一つ発動させることができなくて、今のところ“瞬間移動”だけできるみたい



何ができるか知るためにも、部屋の端っこから端っこまで、ベッドの上からトイレまで、など色々実験をしてみた

分かった事は、移動する先をきちんとイメージするか、自分の眼で移動したい先を見ていることが条件っぽい事

あと頭で考えるだけで、口に出す必要はない事

私が瞬間移動できるのは自分と、自分が身に着けているもの、持っているもので、手に持ってるものだけを瞬間移動させることはできない



ベッドとトイレまでをひたすら瞬間移動してみたら278往復目で、魔暴走の時のような

頭痛が出たので、ゲームとかでよく聞く魔力切れかな?と予想中

しっかり横になって休んだら良くなったし



そして知らない場所へは瞬間移動できない



多分イメージがちゃんとできないからなんだと思う

扉の向こう、この家の中を私はまだ見たことがない

レゼルちゃんは相変わらず、鍵を必ずかけて部屋を出ていく


家の中や、外へ行ってみたいと何度かレゼルちゃんや、両親に言ってみたけど『危ないから』と取り付く島もない


そのかわりなのか、部屋の中でできることなら、割と何でも用意してもらえた



枕の横に並ぶ少し不格好なぬいぐるみたちの一つを手に取り、首元に隠すようにつけたボタンを触る



ぶっ倒れたあの日から一度も外へは瞬間移動してない





 「レゼルちゃん、今日のお昼ご飯は早めかな?遅めかな?」



 「今日は1時ごろなので遅めの予定です」




 あっそうそう!リアムさんが来た日、うっかり心の中で呼んでいた『レゼルちゃん』呼びをしてしまったことを2人が部屋から出て行ったあと


 『私はヴァイスお嬢様にお仕えして居る身なので、敬称はつけてはいけません!私の名を呼ぶときは“レゼル”とお呼びください!あと、敬語も絶対にダメですからね!』


と強く言われたのだが、人前で呼ばないことを約束したら許してくれた



 主人とメイドの主従関係、前世主婦の私にはまだ難しい・・・



 私が思うに、7歳が14、5の女の子をちゃん付けしてる時点でもう違和感半端ないんだけど・・・

 中身28だから心の中でちゃん付けしちゃってただけだし




 「今日は少し長めにごろごろできるっ」



手に持っていたぬいぐるみをぎゅっと抱きしめる




クスッ「午後には体力作りもありますし、午前中はゆっくりしたいといつも言ってますものね。寝ていらっしゃったら起こしますので、ゴロゴロしてても大丈夫ですよ」



この世界は地球と同じ1年365日で、1日24時間、1週間は7日、1か月30日、1年は12か月

一つ違うのが年末に神の日というものが5日あるらしいこと


レゼルちゃん曰く、神様に深く愛されてる人は夢の中で神と会うことのできる特別な5日間で、お祭り騒ぎになるらしい



 「ありがとうレゼルちゃん」


精一杯子供らしくにぱっと笑う

子供らしく振舞うのもちょっと様になってきたかな?

 ふふふっ

若いのにしっかりしてて、愛嬌もあるし

 レゼルちゃんみたいなメイドさんがいて幸せっす!



部屋に鏡がないからわからないけど、多分あの美形2人から生まれてるんだしそれなりにかわいい顔してるんじゃないのかな?


ふにゃっと嬉しそうにレゼルちゃん




 「何かありましたら、ベルでお呼びくださいね」



軽く頭をさげてご機嫌に部屋を出ていく



 ガチャリ。



鍵の閉まる音を聞いて手に抱いてるぬいぐるみの首元のボタンを外して

中に隠しているものを取り出す

他のぬいぐるみたちの中身も出してベッドの上へ広げていく


午後の体力作りが終わってからとか、お母さんとのティータイム中などアドバイス貰いながらコツコツと作ったぬいぐるみさんたち

中に隠していたものはレゼルちゃんにそれとなくリサーチして、寝る時間になってからコツコツと夜なべしてつくったのだ!



いそいそとお上品なワンピースから、作ったものに着替える




 「てってれ~~・・・なんちって」




簡単に作ったラフなTシャツに、膝が隠れるか隠れないかくらいの半ズボン。靴はローファーしかないので汚れ防止とぱっと見でわからないようにブーツカバーのようなものをかぶせて上から軽く縛る

私は神無し(いろなし)だから目立つ真っ白な髪の毛も後ろでまとめて野球帽のような鍔を付けた少し大きめの帽子の中へ納め、前髪もオールバックのようにして髪を完全に帽子の中へ隠す

私の目も多分白いだろうから、帽子の鍔の根本部分に、ライオン風のぬいぐるみの鬣に使った青い毛を付けた。目元が見えない&髪が青色に見えるように工夫したのだ

お父さんのような濃いめの髪色となっている


これで、町の少年へ変装完了!



 ぱっと見で誰にも女の子にはみえないでしょ



肩掛けできるように作ったかばんに、レゼルちゃんがこの前持ってきてくれた小さめの置き時計を入れる

あと、何かあった時の為に大きめの裁ちバサミと布も一枚入れておく



ハサミが武器になるかはわからないけど、何にも無いよりは気持ち的にましだ

水も持っていきたかったけど、水筒は作った事なんかないし。どうしても用意できなかったので今のうちにゴクゴクとしっかり飲んでおく




 そう!!




今日はようやく準備が整ったので!

初めての異世界の森探検へ!いっくんだーーーい!




家の中すら歩かせてくれないんだもん

なら、自分でお出かけするまで!




そんでもって、一つの目標として神無し(いろなし)を見つけたい!!

花でも生き物でも、何なら石ころでも何でもいい

白仲間を増やす大作戦ですね


この世界で生まれて、まだ自分の髪の毛以外で真っ白なものを見ていない

神無し(いろなし)は亡くなりやすいって言ってたし、生き物だったら守ってあげたいな・・・



窓から綺麗に整った庭を見下ろして、庭師がいないことをしっかりと確認して


庭の奥の遠く離れた、一度触ったあの木を見つめる




ピリッとした感覚が身体を走り抜けた、と思うと同時に視界が変わる




初めてこの木の下に来た時と違い、頭も痛くない


 「よっしゃあ!」



 第一関門突破!!!

小さくガッツポーズをとる




水色やピンク、黄色の草木が生い茂る森の中へ

未体験の外に心を弾ませながら




私は一歩、踏み出した






ちょっとでもいいぢゃん!続き気になる・・・かも!

って思ってもらえるようがんばりまっす!

評価などしてもらえたら

飛び跳ねて喜びます☆

よろしくお願いします

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