4・世界と色と私
2人が説明してくれたことを少し、整理していく・・・
この世界に生まれるすべての生き物は神に認められた“色”を持って生まれる
7人の神様がそれぞれに色を持っていて、人間の場合は身体に“魔痕”と呼ばれる、色のついた痣が必ずあるらしい
7色は、虹色かと思いきや、違ってて
[シアン]=水色
[マゼンタ]=桃~紫
[イエロー]=黄色
[ブルー]=青
[レッド]=赤
[グリーン]=緑
[ブラック]=灰色~黒
私にとってはなんだか不思議な7色だな~なんて思いながら話を聞いてた
神の祝福は髪や瞳に表れやすくて、濃い色や混ざった色程、その色の神に強く愛されているらしい
そして魔法は、色によって使える魔法が違う
お父さんは濃い青の髪色をしているので、ブルーの神様が使える魔法が使えるってことらしい
お父さんは悲しそうにつぶやく
「ヴァイス・・・。ヴァイスには魔法を使うための神様がいないということなんだ・・・。だから魔法はこれから先、使うことはできないだろう」
真っ白な私の髪をそっと一束手に取る
「お嬢様には人には必ずあるはずの、“魔痕”がないのです。通常、神のいない“神無し”は 「リアム」
ん?通常は?神無しは?
すっごく気になるんだけど
お父さんはギロリとリアムさんを睨んでた
「神無しの人は・・・。そうですね、生まれてすぐ亡くなることが多いのです」
うーん、と考えながら言葉を選ぶようにリアムさんは言う
「なので、今まで、情報が何もなくてわからなかったのですが、お嬢様には魔力自体は私やランスと同等・・・いや、もしかするとそれ以上に持っている事が私には見えます」
「んな?!?!?神無しは祝福がないと今まで・・・。ん?祝福と魔力は別物・・??」
「まだはっきりとはわからないですが、まあそうですね。あ、それはそうと、昨日は何をしてああいう状態になっていたのですか?」
ドキッ
あ、やっぱり聞かれちゃうよね
でも今の話を聞いてると、私は魔法が使えないって・・・
でも、してたよね?瞬間移動・・・。
「昨日、私が見た時、身体の中の魔力が中から出ようと暴れ回っているような・・・何とも言えない状態で・・・。魔法が使えないはずなのに、魔力訓練をしていない幼子が初めて魔法を使って魔暴走を起こしているような・・・」
リアムさんはそのまま考え込むように顎に手を当てる
私は本当は魔法が使えないみたい・・・
そして昨日のあの頭痛と吐き気は、初めて魔力をつかったから魔暴走を起こしてた、ってことなのかな?
でもここまで2人に魔法使えないって断言されてるし・・・
抜け出せるってばれたくないし・・・
ここは知らないふり・・・だな
首を横にフルフルと振る
「ほら、声はもう問題なく出せるはずですよ」
ニコーーっと目元は布で見えないけど、多分悪い顔して笑ってるリアムさん
「ぁ。・・・えっと」
人相手に、喋らない生活に慣れ始めてたから…
「昨日、レゼルちゃんが髪を切ってくれて…。魔法つかいたくてベッドの上で、考えてた・・・だけ、です」
うん、こんな感じかな?
「・・・となると、使えない魔法を使おうとして身体の中の魔力が暴走した・・・と考えるのが妥当ですかね」
「そうだな・・・神無しと言われる人々について情報がなさ過ぎて、何もわからないからな・・・」
「ランスロット、視ても大丈夫ですか?」
俯いていた瞳がぱっとリアムさんを捕まえる
お父さんは真剣な声色のリアムさんに少し考える
「ヴァイス、リアムの瞳は世界に数人しか確認できてない魔眼の持ち主だ。目を合わせるだけで知りたいと思った情報を知ることができたりするんだ」
「万能ではないですが、色んなことがわかってしまうので普段目が合わないようにしているんです、そして視る前にいつも確認で聞いているんです」
知りたいことが!だいぶざっくりとした説明だけど、なんってうらやましい!人以外も知れるのかな?鑑定的なこともできるのかな??
まあざっくり過ぎて、よくわからないけど。何もわからない神無しについて少しでも情報ほしいし・・・
「おとーさまが見てもらった方がいいって思うなら、よろしくお願いします」
さっき魔力はあるって言ってたから魔力も目で見ることができるってことだよね?
あ!記憶が見えるとかだったらやばいかな?
リアムさんは目元の布を外す
中性的でうっとりするような美形がどんっと現れる
やっばい、お父さんもはっきり言ってイケメンだけど、この人イケメンという枠飛び越えてもうなんか美しいって感じで!
やばいレベルの顔面の持ち主さんだ!
すぅっと瞳が開いて視線がぶつかる
あ!オッドアイだ!
髪と同じで右目はピンク紫、左目は吸い込まれるような漆黒
じーーーーっと見つめあう
だんだんと、リアムさんはうっとりとしたような表情になり、頬も赤く染まっていく
ニタリ。
っと口角が上がっていく
「り、リアム?」
せっかくの美形が・・・なんというか・・・
ヘンタイのような・・・・
お父さんも困惑しているのか、オドオドと声をかける
「あぁ、こんなにも何も視えないことなんてっ生まれて初めてです!呪眼にしても邪眼にしても表情1つ変えることができないなんてっ!ああ!なんておもしろっ・・・いえ、なんてすばらしいんでしょう!」
「オイ!人の娘になにをっ・・・ぐっ」
「あ、ついうっかり」
一瞬お父さんとリアムさんの目が合うと頭を抱えてしまうお父さん
「私の眼はちゃんと機能しているみたいですね」
クスクスと笑い、またその瞳に私を捕らえる
「あなたの中にある魔力、身体の様子などはしっかりと見えますが、それ以外は全く視えません。眠っていた時は魔力すら見えなかったので、少し見えるようになっただけでも進歩ですかね」
ボソッ「後で一発入れる・・・」
後ろでお父さんが物騒なことをつぶやいたけど
はーい!聞こえないフリっ
「しかし、眠っていた時は人の魔力も刃物も何も受け付けていませんでした。ですが先程私が作った薬は効果がしっかりと出ていました。だから視れると思ってたんですけど・・・」
またさらっと物騒なワードでてなかった?刃物も寝ている間はじいてたってことなの?いくら魔法がある世界でも、私の眠ってた状態って結構特殊だったの・・かな?
リアムさんはうーーーん、と考え込む
「身体の中の魔力が無意識に善悪を判断して弾いている・・・?いや、でもそれだと・・・」
ブツブツと瞳はしっかりととらえたままで、口角もあがったまま・・・
ちょっと・・・いや、かなり不気味
「オイ、考え込むのは後にしてくれ」
「ん?申し訳ない。こんなに何も分からないのは初めてで、ワクワクしてしまいまして・・・」
ニマニマ ニタニタとすごく嬉しそうなリアムさん
「ランス、決めました。1年後の為にも、私自らヴァイスお嬢様の教師をいたしましょう」
「っ!?!?。例の子はどうするんだ??」
「もちろん連れてきますよ。私は座学全般、体術・剣術はおまかせしますよ?」
「私は大歓迎だが、家の方はだまってはいな 「黙らせます」
リアムさんは食い気味に、にこやかに、そして淡々と答えるとお父さんは大きくため息をついた
今の話だとリアムさんが私の教師になって?
リアムさんの子供(?)もついてくるってことかな?
「さて、お嬢様の身体の方も問題はないようですし。レゼル、私がここに戻るまでにしてほしい事や、気にかけてほしいことを急いでまとめるのでついてきてください」
「かしこまりました、リアム様」
「ヴァイス、こうなったリアムは止められん。話がまとまったらまた顔を出しに来るからな」
ニカッと笑ってそっと頭をなでると扉へ向かっていく
「ヴァイスお嬢様」
小さな声で私を呼ぶリアムさん
「本当は記憶を覗く予定でしたが、視えないものは仕方ありません。私が戻るまでおそらく2か月程かと思います。昨日は何があったのかわかりませんが、部屋から出てはいけませんよ?」
まるで私が外へ出たがってるのがわかるかのように言うリアムさん
てか、記憶覗こうとしてたの?!
「私、身体の状態は視えるんです。すばらしい筋肉が付き始めていて大変驚きました。部屋の外は危ないですから、これからもお部屋で遊んでくださいね?」
サーー
っと血の気が引く
へたに嘘つかない方がいいのか?
いや、私はどこからどう見ても7歳のか弱い少女!
そーんなに黒い笑顔で言われたって普通の子供には黒いってわかんないんだもんねーーー!
おもっきし分からないふりしてやる
「リアムさんわかるなんて凄いです!、お父様やお母様を驚かせたくて・・・早く一緒にご飯も食べたいし、あっ。歩く練習してるの・・・内緒にしてくれる?」
精一杯子供らしく・・・
「そういうことでしたら、内緒ですね?かしこまりました」
一瞬目を細めてわらった後、目元の布をつけたリアムさん
「部屋から出るのはだめですからね?」
しっかり念を押して部屋を出て行った
こうして私は
ほんのちょっとこの世界と色の事を知った
ちょっとでもいいぢゃん!続き気になる・・・かも!
って思ってもらえるようがんばりまっす!
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