28・夜空に浮かぶ
「ぴぃっ!」
私の膝から跳ねると
ルティーナさんの膝の上に行く
トロンとしたスライム姿からドラゴンの姿になるプティ
「まあ!凄い!」
「レッドスライムかと思ったら違いますね、こんな見事な変形しないですもんね?なんなんでしょう?コレ」
今日ほとんど隠れて過ごしていたからか
のりのりでご機嫌なプティ
「デレクが危ない時に、頭に声が鳴り響いて・・・」
ヤバい、上手く言えないぞ
急にプティ出てきちゃったし咄嗟にギフトとか言っちゃったし
ギフトは本当に貰ってるけど人物の鑑定と、読み書き出来るようになった事だもんな
プティは元々、あの首輪と腕輪だったって言ったら即消されちゃうだろうし
「元々、ユーリはもっと色が濃かったんだ。ユーリから色が抜けた分そいつに行ったんだと思う。見てた俺でも説明出来ねぇ」
ソルが咄嗟に上手いこと言う
「うん。私の一部で私から生まれたから離れられないの」
そういう事にしよう
「だから、デレクに嵌められるのを阻止した後、その子を取り上げられた私が死にかけて、今度はデレクに助けて貰ったんです」
「俺がユーリを守るのは俺を命懸けで救ってくれた、たった1人の大事な友達だからだ。大人は自分の命をかけるのにそれ以上の理由がいるのか?」
まっすぐレーンを見つめて当たり前のように放った言葉
ヤバい、じーんと来た
「いや、悪い。それなら納得だ、変な聞き方して悪かったな」
レーンさんが片手を上げてすまなかったと意思表示をする
「それに俺が全部をユーリに委ねるのは、俺より賢いからだ。ユーリの判断はだいたい正しい。あの2本角のビットラもユーリの話ちゃんと聞いてやってれば大丈夫だったかもしれねえし」
「デレク君、ユーリちゃんはなんて言ってたの?」
「内蔵を傷付けないように丁寧に、深く刃を入れないでって。でも俺がせっかちだからズバって切っちまったんだ」
「ユーリちゃんさっき角取ってる時に捌いた事ないから教えて欲しいって言ってたわよね?」
「私のは浅はかな知識というか!やった事はなくて・・・本で読んで!」
前の世界でテレビで見ただけなんて言えないし!
でもほんとに浅い知識しかないんだよ私!
ソルが私が地面に置いたお椀を拾うと私に渡してくれた
私はゴロゴロっと具ばかり残ったお椀を見てどうやって残ってる具を食べようか一瞬考える
プティはルティーナさんの膝の上からスルッと私の服の中に潜り込んで首元まで来ると蛇の形をとった
「そうだったのね・・・しっかり食べてね?あと安心して眠ってなかったんじゃない?今日は私達が交代で見張るから2人ともゆっくり眠って?明日から一緒に移動するんだし」
ん?
明日?から一緒に移動?
「そうだな。ここから街まではだいたい5日ぐらいか、冒険者ギルドに登録しに行こう。15歳未満は見届け人が必要だからな。私がなろう」
「あっ私がなるつもりだったのに!」
「ずるいです!見届け人になるつもりないって言ってたのに!」
「あっあの・・・?」
一度ギルドに行く?冒険者登録?見届け人?
知らない間に話が進んでる?
私何か聴き逃した?
「2人とも7の神の日はむかえているのだろう?ならば問題はない」
これからどれだけの時間を2人で過ごすか分からない
でもこのタイミングでこういう行動をとっても大丈夫なのだろうか?
この人達には一月半前って言ったけど
実際は10日ぐらいしか経ってないし、ギルドにおとーさまが話とかしてて連れ戻されちゃったりしないのかな?
でもおとーさまやリアムさん達は私が神無しだから、そういう人目につく行動をするならソル1人だと思ってるはず
私とプティに赤い色がついてるのを知ってるのはソルだけだ
逆に早い今の方がいいのかも?
もし連れ戻されて手とプティをリアムさんに見られたら
神様達が集まってしまう
またあのように集まったら
私をいかに自然に消すかを話し合うに決まってる
それこそ本気で、自然に私が死ぬように様々な災難を仕掛けてくるかもしれない
今、この人達と街に出て本当に大丈夫なのかな
「これから成長すればいずれは買い物をしなきゃいけなくなる、そうなった時にギルドカードがあるかないかでは大きく違う。子供だからと騙される可能性がぐっと減る、素材を真っ当な価格で売り買いできるしな」
そう言ってベディヴィアさんが首元から服の中に入ってた長いネックレスを引っ張り出すとカードというより、前の世界の軍人が付けてるような真っ黒な金属質なタグがついていた
ベディヴィアさんが出すのを見て、ルティーナさんも首から引っ張り出すと外して私に渡す
渡されたタグを左手で受け取ってよく見てみるルティーナさんのタグは金色で“ルティーナ”と名前が水色とピンクでぷっくりと浮かび上がっている
「これは作った本人にしか使えないの、ギルドに預けているお金の情報とこのカードを作った本人が亡くなった時に誰に連絡を入れ、誰に相続されるかの情報。行った街や受けた依頼内容など様々な情報が入るわ。これを作って持つ事で身元が保証されるの」
レーンさんはルティーナさんとベディヴィアさんを少し嫌そうな目で見る
「ご馳走様」
レーンさんはスっと立ち上がると
「周りみてくる」
と言ってフワッと空中に浮かんで夜の闇に消えて行った
「まぁ、どうするにせよ、ギルドへ我々と共に報告に来てもらう。ギルドカードを作るかどうかはギルド職員に説明を聞いてからでもいいしな」
「は、い・・・」
私はタグをルティーナさんに返す
隣でソルがまたパンとスープをお代わりをする
膝の上のお椀を右手で支えて私は左手にスプーンを持って
できるだけ不自然に見えないようにお肉を口に運ぶ
口の中に独特な食べたことの無い肉の香りが広がる
鶏肉よりは味がしっかりしてて
鶏肉のササミのようなほぐれ方するけどしっかり煮込まれてるから気にならない
美味しい!
なんか悩んだってギルドに行くことはいつの間にか決定してるし・・・
私は真っ黒に焦げた木をじっと見つめる
しっかり覚えておこう
街までだいたい5日って言ってた
もし街でギルド職員に何か言われたり、怪しい人がいると思ったらソルとここに戻ってこよう
普通の人の移動速度で5日分は時間が稼げるって事だよね
しっかりと焦げた木を目に焼きつける
目を閉じてちゃんとイメージ出来るか確認する
うん。大丈夫、ここにはすぐ戻って来れそう
「全然食ってねえじゃん」
瞳を開くと
ソルが大きなお肉を載せたスプーンを私の口に運ぶ
「ほらっ」
私は少し照れながらパクっとソルのスプーンのお肉を食べる
「美味いよな!」
ニッ
と笑うソルに癒される
数日一緒に過ごすなら絶対獣の捌き方マスターしよ
皆それぞれ食べ終わると
ご馳走様と言った
なんだか懐かしい感覚
そういえば、ソル意外の人とご飯らしいご飯を食べるの
この世界に来て初めてだな
ルティーナさんが少し離れた所で魔法で水を出して食器を洗う
私は隣に行って手伝う
ソルも黙って私に着いてくると食器を拭く
ベディヴィアさんとデュードさんが火を囲んだまま横になった
「野営する時はいつも2人が最初に休むのよ、女性の私に気を使ってね」
ふふっと2人を見つめるルティーナさんの瞳が優しい
「もうベディヴィアさんとは長いんですか?お子さんは?」
「あら?私ベディヴィアと結婚してるなんて言ったかしら?」
「あ、その。感で・・・ルティーナさんの目が家族を見つめるように優しかったので」
「わかっちゃうの?恥ずかしいな」
少し頬が赤く染まる
可愛い
本当は鑑定さんに書いてあるだけだけど
思わず言っちゃった
気を付けなきゃ
「もう10年になるかしら、子供は2人いるわ。ベディヴィアは貴族出身の冒険者でね。普段所属してるシルバーシティを離れることは無いんだけど、もう一度世界を見たいっていきなり言い出して。子供達は明日向かう街にいる彼のお兄さんの屋敷で見てもらってるの」
「子供も一緒に世界を見て回るんですか?」
「いえ、顔だけ出したら私達はまた違う街へ行って高ランク冒険者しか受けられないような依頼を受けて回ることになると思うわ」
「今回のビットラクイーンも高ランクの依頼なんですか?」
「いえ、Bランクくらいだわ。そう思うと不思議ね、他にも高ランクの依頼はあったのに何故かベディヴィアが『この依頼は我々が受ける』って聞かなくて・・・」
片付いた食器を拭き終わるとルティーナさんはリュック型のマジックバッグに収めた
リュック型使いやすそうでいいな
「私達が出会うのは運命だったのかもしれないわね」
立ち上がったルティーナさんは少し悲しそうに横になってるベディヴィアさんを見つめて
小さな声で呟いた
「早く進まないといけないんだけどね・・・」
「え?」
「お疲れ、俺も休むから。次に起こしてくれ」
詳しく聞こうとしたらレーンさんが暗闇からぬっと現れて少しびっくりする
この人、足音本当にしないんだよね
「そうねあなた達ももう休んで?」
そう言うとルティーナさんが笑顔でふかふかな枕を2つバックから出した
「良かったら使って?悪い夢を見ない特別な魔法がかかってるのよ」
うそ!そんな魔法まであるんだ
私が受け取るとソルはいらないと首を振る
私の顔を見ていたずらっ子のようにルティーナさんがぺろっと舌を出した
「行こう」
ずきゅんと心を射抜かれた私は
口をぱくぱくとさせながらソルに引っ張られて歩く
かんわいかった!
2児の母には見えぬ可愛さ!ずるい!
悪夢を見ない魔法なんてイタズラで言っただけなのね!
イタズラが可愛すぎるぅ
前の世界の私とそんなに年は変わらないはずなのに!
そう思うと私、ほんと枯れてたな
はっ!さっき小さい声で言ってた発言の理由聞きそびれた!
横になってるベディヴィアさん達の近くの1番太めの木の上にソルが私を抱えて登る
私達が寝るのはいつも木の上
ハンモックのように大きな布を2つ枝に結んで別々に寝てた
「今日は一緒に寝る」
ソルが先にハンモックに入ると座るように先に入る
そんなに大きくないハンモックだし、どうやって私に入れと?
「別々で大丈夫だと思うけど・・・」
「念の為!んっ」
腕枕の位置をぽんぽんと叩く
もそもそと隣に入ってソルを見る
「これなら何かあった時、いつでも飛べるだろ?」
あっ。と何か思い出して作業着の上をぬぐ
「これ、ユーリが着てろ」
「ダメだよ、私よりデレクの方が危ない事多いからさ、お願いだからデレクが着てて」
ムッと顔をしかめるソル
「私の事はデレクが守ってくれるんでしょ?デレクが着て」
渋々といった感じでまた着るとソルも横になる
枕をソルの腕に乗せて重くないようにしてあげる
寄り添って寝ることはあっても
こんなにくっついて寝るのははじめてだ
人の体温をこんなに感じて寝るのは
前の世界以来かもしれない
プティも服から出て二人の間にすっぽりハマる
まるで犬みたいだ
ルティーナさんの鼻歌が微かに聞こえてきた
すぐ眠れないと思っていたけど
思いのほかすぐ睡魔がやって来てあっという間に眠りについた
__________
薄く目を開ける
周りはまだ暗い
ソルも静かに寝息を立ててる
そっとハンモックを揺らさないように起き上がる
右手が燃えるように熱い
腫れが酷くなってるみたい
下を見ると少し離れた所に火を囲んですわってる影が2つ見える
私はハンモックからそっと出てソルを起こしてないか確認すると瞬間移動で木から降りた
どこかで水で冷やしたいな
川近くに無いだろうし、夜の森を1人で歩くのは危ないかな
マジックバッグまだ私が持ってるから
水を出してかけようか?
「・・・聞かせろよ」
話し声が聞こえた
焚き火してる近くの木の裏へ瞬間移動する
顔は出さないまま耳を澄ませる
「なんで冒険者登録させるんだ?しかも見届け人になるなんて言って。全部が本当とは思ってねぇんだろ?ベディヴィア」
小さな声でレーンさんとベディヴィアさんが私達の話してるみたい
「何故、と言われると私にも全く分からん。だが、夢で見た子供二人が実際に目の前に表れたんだ。私が助けなければならない命なのだと、そう悟ったのだ」
「ただの神のきまぐれで見せられただけで、実際はとんでもねぇ爆弾抱えてるガキかもしれねぇぞ?」
「私の神は意味の無い事はしない、そう信じている。お前の時だって間違いではなかっただろう?」
「無駄な人助けなんてしてる時間なんてねぇのに、お人好しにも程がある」
「私の最後の冒険なんだ。好きにさせてくれ」
最後の冒険?
ベディヴィアさんの状態の欄の呪い的なものが関係あるのかな?
白化の禁呪
白がついてる
白色が絡む所に私有り、的な?
レッドの神様、プロメーテウム様が私達とベディヴィアさん達を出逢わせたんならこの人達は安全なのかもしれない
頼っても大丈夫かもしれない
「その言い方は卑怯だ。俺はお前を 「とにかく、街に行ったらあの子達にギルドカードを作ってやる。2人でお互い支え合って生きていけるように。道中の5日で森での生き抜き方をデレクに仕込んでやるつもりだ」
「確かに、見たところ森で過ごしてる時間はそんなに長くねぇだろうな。7日から10日って所か」
何を見てそう思ったのか分からないけど、凄い。当たってる
「後は俺の感だが、デレクの反応的に首輪の話と、ユーリに命を救われたのは本当だろう。でもユーリの方がどうもしっくりこねぇんだよな。家族に殺されそうになってたらもっと声に恐怖や憎しみが宿るが、それが一切なかった」
うわぁ、感がいいというか。凄い
本当に私の話はほとんど嘘だし、移動中に設定をちゃんと考えとくべきだったなぁ
「む?そこで聞いてるのはどっちかな?」
あ。やば、見つかった
「ごめんなさい。トイレに起きて・・・」
素直に出る事にする
わざと目を擦りながらでる
「気配に気付けなかった・・・消えるように動くあれか、俺の血玉避ける時に使ったやつだな?」
「私に一発入れた時も、だな」
この人達の前でやっちゃってるもんね瞬間移動・・・
これはこれで説明しても良い奴なのか?
私しか使えない特殊な魔法だったりするんだろうか?
「ぴぃ」
‘’大丈夫だよ‘’
何故かプティがそう言ってるように感じる
本当に大丈夫なの?
プティは首元から蛇の顔を出して私の顔にすりすりする
「どこから聞いてたか分からないが、君達2人を救う為にこの依頼を受けたと思っている、神に導かれたと・・・な。害するつもりは毛頭ない」
ベディヴィアさんの優しい瞳
この言葉に嘘はないと思う
もし、間違いだったら私が終わるかもしれないけど
ベディヴィアさんは信じられるって
直感的にそう思う
「私、瞬間移動出来るんです。目線の先か、ちゃんと覚えてる場所へなら何処でも飛べます。これって多分普通じゃないですよね?」
瞬間移動・・・と二人がつぶやく
「純粋なブラックなら、空間魔法使えるはずだが、扉と扉を繋ぐものだ。そんな気軽に使えるような魔力の消費量じゃなかったはず」
「そうだな、普通じゃないと言えるな」
「それと私がここにいる本当の理由は言えません、ごめんなさい。でも、デレクと私、静かに人に迷惑かけずに過ごしたいだけなんです」
どんな言葉を選べば伝えられる?
神無しは殺される世界
私を人形のようにして、売ろうとした貴族もいた
この人達も私が神無しだと知れば殺そうとするかもしれない
捕まえようとするかもしれない
神様達すら私に生きていて欲しくないんだ
私なんか死ねばいいと思ってる
でも家族は私を守ろうとしてくれた
生かそうとしてくれた
1回諦めかけたけど
やっぱり知らないこの世界を知るのも見るのも楽しい、魔法も沢山見たい
ソルと楽しくやっていきたい
「私が夢に見た少女と君は色が違う。それが答えなのだろう?」
ドキっとした
ベディヴィアさんは私に色が無いと、見ていたの?
プロメーテウム様が見せてた・・・の?
プロメーテウム様の言った言葉を思い出した
『もう、我は助けぬ』
もしかして代わりにベディヴィアさんを・・・?
「君が今纏ってる色は私の神の色だ。私が助けると決めるには充分すぎる理由になる。細かいことは気にしない」
「夢では何色だったんだよ?薄くなったり濃くなったりならまだ、聞いたことはあるが色が変わるなんて事ありえないだろ?」
「それは秘密だ」
フッとベディヴィアさんは笑うと自分の隣をぽんぽんと叩く
こっちにおいでってことなんだろう
素直に隣に行くことにする
「幾つになる?」
「2人とも7歳です」
「そうか」
「なあ、誰かと一緒に瞬間移動出来るならやってみてくれないか?」
「レーン待て。ユーリ、その前に右手を見せてくれ」
ドキッ
えっ。鋭い人にはわかるってプロメーテウム様が言ってた!
バレたの?紋章!!
左手で隠すように右手をそっと握る
「私を本気で殴ったんだ、怪我してないわけがないだろう?デレクに気付いて欲しくなさそうだったから、皆見ないふりしていたんだ」
あっシンプルに怪我を気にしてくれたんだ
「布は、取りたくないです」
そう言いながら大きなベディヴィアさんの手に右手を乗せる
「少し触るぞ」
両手で確かめるように手のひら、甲をおす
痛みが走って、身体がビクッと震えた
「次怪我したら我慢せず、すぐ言いなさい。折れてる、我慢して自然治癒してたら指がまっすぐ伸ばせなくなるかもしれない」
「はい・・・ごめんなさい」
ベディヴィアさんはマジックバッグからコルクのようなもので栓された栄養ドリンクぐらいの大きさの小さな瓶を出した
「このポーションを飲んでおきなさい」
素直に受け取って緑色の液体を一気に飲む
くっそ不味い!!
うえっとべろを出しながら涙目で隣のベディヴィアさんを見上げる
「ハハハッ不味いだろう。冒険者が良く飲む下級ポーションだ、即効性はないが、しばらくすれば痛みは無くなる、1日もあれば骨も元に戻るだろう」
「ありがどうございまずっ」
自分のマジックバッグから水の入った水筒を出してごくごくと飲む
「もういいか?出来るなら俺と一緒に瞬間移動してくれるか?」
興味津々といった様子でレーンさんが身を乗り出した
私は手を差し出す
レーンさんが手を握ったのでとりあえず焦げた木の下に飛んでみた
「こんなに早く!瞬きする間に!お前凄いな!」
素直に驚き、顔を輝かせるレーンさん
「じゃあ、次はあそこ!」
レーンさんは月明かりで照らされた少しおおきな岩の上を指差した
私は指差す先へ瞬間移動する
「これは!凄いな!こんな流れるように魔法を使う奴は中々いない、こんな魔法も見たことが無い。これはユーリだけのユニーク魔法だろうな」
「ユニーク魔法?」
「自分だけの魔法の事だ。俺の見せてやる」
スっと私を片手で抱き上げるとパチパチッと音が周りで鳴る
黄緑色の電気が私たちの周りで弾ける
レーンさんの足が地面から離れてスーッと空中に浮かぶ
「風と稲妻の融合魔法だ」
電気が走る
周りが明るくなる
レーンさんの背中にパチパチと弾ける翼のようなものが見える
黄緑色の光を放ちピカピカと光っている
その光景は神秘的でとても美しかった
大きな電気の翼が私達を包む
「しっかり掴まってろよ」
そう言われてレーンさんの首に手を回してしっかり自分の手首を掴む
ぐんっと全身にGがかかる
重力に押しつぶされそう
頭をレーンさんにあててグッと全身に力を入れ、目を瞑る
いきなりフワッと重力に解放されて目を開け、頭をあげる
「わあっ」
少しひんやりとした空気が肌をくすぐる
きらきらと眩しいほどに光る星空
目の前にはまん丸で大きな綺麗な青白い光を放つ黄色味がかった月
レーンさんはまるで水色の雲の上に立ってるみたい
レーンさんが1歩踏み出すと足から黄緑色の電気が水面に雫を落としたように円形に走る
「とっても綺麗・・・」
雲の切れ目まで歩くと下を見下ろすレーンさん
視線を追って下を見ると
山に囲まれくぼみになってる場所にあかりが見える
「あそこが明日から向かう街だ。ここから瞬間移動できるか?」
「ううん、ここからは無理。でも1度降りてもらって、ちゃんと覚えられたら明日飛べるよ?」
「そうか、じゃあ降りてみるか」
レーンさんが電気で出来た翼を消した
「へ?」
真っ逆さまに落ちていく
まさかの自然落下ですかぁぁぁあああ?!
「きゃーーーぁぁぁぁぁぁあああーーーー!!」
「ハハハハハハッ」
綺麗な夜に私の情けない叫び声と
高らかに笑うレーンさんの声が響いた
ちょっとでもいいぢゃん!続き気になる・・・かも!
って思ってもらえるようがんばりまっす!
評価などしてもらえたら
飛び跳ねて喜びます!!
よろしくお願いします!




