21・白という色
そっと頬に手が触れた
そんな感覚がして目を開ける
するとリアムさんの顔が近くにあった
リアムさんはシーっと口に指を立てる
ゆっくりと頭を起こすとソルとルナちゃんがすぐ横でくっつくように眠ってた
泣きすぎて重たくなった瞼を擦り
2人を起こさないようにゆっくり起き上がる
するとリアムさんも2人を起こさないよう気を付けながらゆっくり私を抱き上げソファまで連れてってくれた
「目を閉じてください」
言われた通り目を瞑るとほわっと暖かい何かを感じた
「もういいですよ」
重かった瞼が軽くなり、泣き腫らした目を治してくれたんだなと理解する
「ありがとうございます」
「起こしてしまいすみません、少しでも早く確認したい事があったのです」
少し部屋を見渡すと眠ってる2人以外誰もいなくて
ソファセットのテーブルには真っ黒な箱と、既にピンクに染まってる水が入ったコップが置いてある
私のすぐ隣に座ったリアムさんはコップを差し出してくる
「半分ぐらいは飲んでいただきたいです」
私は頷くと受け取ったお水を素直に飲む
少し甘い
「今日1日は歩いてはいけません、足の傷口は閉じていますが身体がまだ完全に傷口が塞がった事を受け入れてないので、痛みや体内で出血が起こる可能性があります」
「はい、分かりました」
魔法で傷を治してもすぐ治るって訳じゃないんだ
それでも刺された足が1日安静で治るならやっぱり魔法ってすごい
そんなことを考えていると
リアムさんは真っ黒な箱を手にとる
「私が確認したかったのはこの事です」
私からコップを受け取りテーブルに置くと箱の蓋を開ける
ゾワッ
少し鳥肌が立った
「あなたはどうやってこれを彼から外したのですか?」
箱に入ってたのはソルが付けられていた白い枷だ
私が無我夢中で外し、割れたそれはあの時程ではないがまだ禍々しい何かを放ってるように感じる
ごくんと唾を飲み込む
「これは、服従の首輪と隷属の腕輪・・・ですよね?」
「ええ、これはこの国で使用が認められていない、禁忌とされている魔術具です」
そっと蓋を閉めるとテーブルの上に戻す
「服従の首輪は心を殺し、隷属の腕輪は肉体を支配します。付けられた者の魔力に染まり切ると身体に吸収され、その者が亡くなると肉体を吸収し、これだけがその場に残る。これの恐ろしい所は壊すことが出来ず、封印する事も出来ない。永遠に宿主を求め、肉体と精神を支配し、殺す事を繰り返す魔術具なのです。この国では見つかったら厳重に保管する事で世に出回る数を減らそうとしているのですが・・・付けられてしまうと目に見えないコレは探すこと自体難しいのが現状です」
壊すことが出来ず、封印も出来ない
私、そんな恐ろしい物を壊したって事?
「とんでもない・・・ですね」
「ええ。そしてこれは割れています、元の力を失っていると確認済みです。こんな状態になってるものは初めて見ました。ナルシドの記憶も見ましたが、これは間違いなく本物でソルはこれを一度付けられています。目覚めたばかりで申し訳ありませんが詳しく、何があったのか聞かせて頂けますか?」
この国にとっても破壊出来るならしたいからなんだろうか?
それとも研究者として気になるからなのか
すごい真剣なリアムさんに嘘は付けない
「えっと、凄く簡単に言ってしまうと私が握って、グッて」
上半身でこうやって、と身振りを交えながら説明をする
「にっ握って・・・」
はあ?とリアムさんの眉間にグッとシワがよる
「うん。グググッて力を入れたらパキンって割れて」
「力を・・・入れたら」
膝に肘をつき手で頭を支えながら、ぐたっと項垂れ大きな溜息をもらす
「無知とは、本当に恐ろしいものですね」
小さくこっちを見ないまま呆れたように言う
「ヴァイス、今度から知らないものには勝手に手を触れないでください。どんな状態でも、あの枷に触れること自体自殺行為です、一度はめられたあの枷を染まり切る前に別のものが触ると、魔力を吸い付くし死に至るのです。一度、目の前で私も見たことがあります」
一度言葉をきると項垂れた姿勢のまま、落としてた視線を私に戻す
「子供に枷をはめられた親が、染まる前に外そうと触れ・・・たったの数十秒で命が消えるのを」
そんな危ないことしてたとは思わず、小さく息を吸う
本当にコレ、やばい物じゃん
「あの時は、ただ漠然と早く取らなきゃって・・・白かったから何となく出来るって。直感的に思って」
「シロ?」
そう言えばこの世界の人は白いものには色がないと言う
白色だって立派な色だと思うのに
不思議そうに頭をひねるリアムさん
「シロかったとは?」
私は自分の髪を1束持ってリアムさんに見せる
「白は、私の色の名前ですよね?」
あっそうか
シアン
マゼンタ
イエロー
ブルー
レッド
グリーン
ブラック
なら私は
「ホワイトって言った方が正し
グラッと視界が揺れた
「そのガキに色の名を口に出す事を許してねえぞ」
「俺が許したから声に出せた、それだけだ。消すな」
瞬きをする間に
目の前に真っ赤な炎が上がる
さっきまで部屋に居たのに!
素早く周りを見ると夢でみたあの白いだだっ広い空間にいるようだ
なっ何が起きた?
よく分からない現状にパニックで鼓動が早くなる
私が座ってるのは部屋のソファではなくソルと同じ炎のような真っ赤なソファになっていて目の前には2メートル以上はある超筋肉もりもりな大きい炎に身を包んだ男の後姿
「邪魔すんならそのガキに俺達だけの色の名を口にするなと言っておけ」
目の前の男の人がデカくて誰と話をしているのか分からない
気になったのでソファから身を乗り出し覗き込む
かなり離れたところに
全身真っ黒な服を身にまとった男が宙に足を組んで座ってる
その周りを真っ黒な剣が沢山飛んで居て、剣先はどれも私を向いていた
うっわぁ、魔法使いって感じ
かっこいい
どれも剣先が私を向いていたけど
不思議と恐怖は感じないな
「恐怖しろや、クソガキが」
耳元で声がしてばっと振り返る
光をも吸収してしまいそうな深い漆黒の髪と瞳に魅入ってしまう
さっきまで向こうにいたはずの男は私のすぐ後ろにいた
若くてカッコイイと言うよりも美しく整った顔は
少しリアムさんに似てる気がする
「当たり前だろ、俺様が珍しくあれだけ色をあげたんだ。タナトスのビッチが邪魔さえしなけりゃもっと似てた」
な、何を言ってるんだろう?
ってか夢でも思ったけどこの空間で考えた事って全部筒抜けなの?!
「無闇に他の者の名を口にするな」
「うるせぇジジイ。とにかく」
するとズボッと私の胸に手が入る
は?
私の身体に真っ黒な男の手が入ってる
痛みなどは感じないけど何かが私の身体の中にある感覚があって
酷く気持ちが悪い
なっなんで手が身体に埋まって?!
「次、ホワイトと言ったら二度と言えないように声帯ぶっ壊すからな」
身体に手が埋まったまま首まで手が登ってくると
息が出来なくなった
「勢い余って殺っちまうかも」
苦しむ私を見てニタァと笑う
厭らしく笑う顔に一瞬で身体が恐怖した
満足したのかズボッと乱暴に手を引き抜くと
真っ黒な煙となって消えていった
息ができるようになった私は、はぁっはぁっと肩で息をする
「彼は短気なんだ、許せ」
そう声が聞こえて燃えつづける男の方を見る
こっちを向いて立ってる男の人は真っ赤なふさっとした髪の毛に炎も揺れ、
ライオンが人になったみたいで凄く雄々しい
おとーさまより歳は行ってそうだけど
the男って感じで勇ましく、カッコイイ
「私の種を救ってくれた事、礼を言う」
私の種?ソルの事かな?
炎のような赤い髪がソルと重なり、何となくそう思う
「私はお前を許している」
許す?なんの事?
私なんかやらかしちゃってる?
記憶にはないけど・・・
火の玉が赤い男の人からゆらゆらと飛んで来た
「もう、庇ってはやらぬ。気を付けろ」
そう言うと赤い男の人はより一層強く燃え上がり、そのまま消える
私の前を漂う火の玉だけが残った
何が何だか分からないまま
私は手を伸ばし、その火の玉を触ってみた
「お嬢様?」
「わっ」
いきなり目の前にリアムさんが座ってて思わず声を上げる
ビックリした!
えっ!!
は?!
私はキョロキョロと回りをみる
自分の部屋だ
「どうしました?それで、シロとはなんですか?」
え?私今居なかったよね?
あの空間にいて・・・
どうしたんですか?と私を項垂れた頭をあげて見つめる
私の言葉の続きを待ってるリアムさんは私があの空間に行く前と何一つ変わらない
『次、ホワイトと言ったら二度と言えないように声帯ぶっ壊すからな』
頭にしっかりとその言葉が焼き付いてる
身体に手が埋まった気持ちの悪い感覚もまだしっかり残ってる
気のせいなんかじゃない
「私の、色の名前・・・です」
バクバクとする胸を両手で抑える
「ヴァイスお嬢様には色はありませんよ?」
違和感
今起きた事は何だったの?
ホワイトと言ったらなぜダメなのか?
分からないけど、ただの脅しではないと思う
もうホワイトと、口に出すのはやめよう
私はこの世界の色についてもっと知らなきゃ
『他の者の名を口にするな』
あの赤い人は言ってた
あの話の流れだと“タナトス”が名前なんだろう
「あの、いきなりでごめんなさい。凄く変な事聞いてもいいですか?」
ひとつの可能性が頭に浮かんだ
「タナトスって誰ですか?」
「タナトス様ですよ、ヴァイス。マゼンタの色の神の名ですが、それがどうかしましたか?」
神の名
じゃあ炎に包まれてたあの髪の赤い人の名は?
光をも飲み込みそうなあの黒い男の人の名は?
見た目を説明して聞こうとした
でも、声が出なかった
後ろから首に手を回されてるような感覚がしたから
『良い子ね。過度な好奇心は口に出すと死を招くわよ』
頭の中でネバッこく響いた女の声
スルッと手が私から離れていった
お口チャックですね!!
分かりましたっ!!
神様が本当に存在してるという可能性
じゃあさっきの黒い人と赤い人も・・・?
今のも・・・?
早まる鼓動を隠すように私は笑った
「早く神様の事、色の事勉強したいなって思って」
「そうですか、それよりもシロという言葉は何処から来たんですか?貴方の色の名前と言いましたが、何故そう思うのですか?」
「私が魔法を使えるのだから色として見ても良いと思うんです。だから白と・・・私が勝手に名前を付けました!何となくです!何となく!」
前の世界でも神様を祀ってる信仰は色々あった
でも神様を身近に感じる事なんてなかった
でもここは違う世界
本当に神様がいて世界に干渉してる
そうだと飲み込んでしまえば
さっき現れた人達は神様なのだと
嫌でもそう考えてしまう
口は災いの元
そんな言葉を思い浮かべ、軽々しく私の色についても話さない方が良いと結論付ける
「では、白かったからと言うのは自分と同じ色の枷だから触れると思ったと言う事ですか?」
思考があっちこっち行ってて訳が分からなくなる
えっとリアムさんはソルが付けられた首輪と腕輪の話だよね
一瞬であの空間に引っ張りこまれたり
いきなり戻されたり
こっちは完全に神様パニック起こしてんの!
すうーっはぁー
と一度呼吸を整えてリアムさんの話に頭を持ってく
「なんというか直感みたいなもので、私なら壊せるって思ったんです」
あっそういえば
「そういえば力を入れてパキンって割れた時、ごっそり身体から何かが抜けていく感覚があって・・・腕輪を壊して、首輪を壊して・・・そうしたら動けないくらい身体から力が抜けて・・・」
あの時の体の感覚を思い出すと怖くなる
あの感覚は恐ろしかった
「それは魔力でしょう」
リアムさんが少し不思議そうに目を細めながら私をじっと見る
「先程も少し言いましたが、魔力が枯渇し、魔力が回復できず、貴方は死にかけています。壊したいと願い触れて・・・何かしらの魔法が発動していたのなら・・・魔力は使われ消費される・・・っ」
ハッとしたようにリアムさんは目を見開く
「色のない貴方は自分に色があると言う。同じ色だったから壊せると思ったと、貴方が“シロ”と言う色で仮定して考えれば筋は通ります」
「筋??」
リアムさんはゴソゴソとローブの中で手を動かすとコロンとした真っ黒な石をひとつ出す
ぎゅっと握ってまた開くとそれは真っ白な石に変わった
「普段自分の魔力を入れている魔石です。今魔力を抜いて色を無くしました」
色は魔力と同じとアレクも言ってた、それで服の色変えてたもんね
「貴方は魔力を自分では外に出せない、でもなんの魔力もこもってない空っぽの媒体に吸わせるなら・・・?」
すっとわたしに石を差し出す
私は石を手に取ると見よう見まねでぎゅっと握る
「瞬間移動をイメージして、石にその力を込めるイメージで握り込んでください」
瞬間移動をイメージか・・・
じゃあ私の部屋のトイレに飛ぶイメージをしてみよう
ぎゅーっと両手で包み込んで
トイレ、トイレ、トイレ
と頭の中でイメージをしてみる
冷たかった石がほんのり暖かくなった気がした
手を開く
さっきと見た目は変わらないな
真っ白のままだし
「見せて下さい」
リアムさんの手にぽんっと乗せる
リアムさんが消えた
「あれ?」
まさか。
バンッ!!
と私の部屋のトイレの扉が開く
「なぜトイレ!私が行き先を考える前に勝手に移動しましたが!何故ですかヴァイス!」
プハッ
思わず笑ってしまう
いやっまじで!
ほんとにごめんなさいリアムさん!!
まさか本当に飛んぢゃうなんて思ってなかったし!
瞬間移動だけをイメージしなきゃだめだったのか!
慌てるリアムさんが珍しくて笑いが止まらない
「んーっ」
あまりに勢いよくドア開けたもんだから
ソルとルナもなんだ?とベッドの上で起き上がる
ごほんっ
2人が起き上がったのを見て、何事も無かったかのように咳払いをして誤魔化すリアムさんにまた、くすくすと笑ってしまう
「もしかすると本当に貴方だったから、同じ色だったから壊せたのかも知れませんね」
スタスタと歩いてきてまた私の隣に座る
「最後に1つ。それを壊した時、周りに人はいませんでしたか?」
「??ソルがいました」
チラッとソルに視線を向けたあと、声をひそめるリアムさん
「他の、誰にも見られていませんか?絶対に?」
あの時、どっちも走って逃げてって、部屋には2人だけだったはず
「誰もあの部屋にはいなかったと思います」
「貴方がこれを壊せるという事は、当事者のソルとルナと私とランスロット以外には口外禁止です。分かりましたね?」
「ヴァイスさまっすみません寝てしまっちゃった」
ルナちゃんがすぐ側まで来てるのに気付き、頷いてリアムさんに返事をする
さっき壊せないはずのもので国では厳重に保管してるって言ってたしわざわざ私から人に言うつもりもない
敬語がうまく話せないルナちゃんが可愛くて
笑いかける
「おはよう私も今起きたところよ」
頭を撫でると気持ちよさそうに手に擦り寄ってくる
ぐふぅ
可愛いぃぃ
この生き物可愛すぎるんですけど
「ルナ、こっち来い」
ソファセットから少し離れたところで立ってるソル
「ソルもおはよう!どうしたの?」
ソルの表情が暗く、不安そうに見えた
ルナちゃんも不思議そうにソルの元へ行く
「テーブルのそれ、まだ嫌な感じが出てる」
「そこからわかるのですか?」
リアムさんはじっとソルを見つめる
ソルの感じてる何かを感じようとしてるのかな?
「リアムさんもう一度見せて貰えますか?」
なんだろう
何かが、終わってない?
さっきも見た時ゾワッとした感じはあった
ソルはそれを感じてる?
「念の為、直接触らないでくださいね」
そう言いながら蓋を開けて箱を私に渡してくれた
膝の上に置いて箱の中を覗き込む
3つとも真ん中の辺りで割れてる
あの時は少し赤く染まり始めてた枷は今では真っ白になっている
嫌な感じ
確かにするんだよな
この嫌な感じが完全に無くなったら
本当にこれが壊れたと言えるんじゃないかな?
「リアムさん、持ってみても良いですか?」
「・・・。危ないと思ったらすぐ手を放すんですよ?」
少し私に近付き、何かあった時にすぐ動けるように、食い入るように私を見守るリアムさん
私は1番大きな欠片を手に取る
サラッとした感触
触ったことある・・・そうか!珪藻土だ!
前の世界の水吸う石的な奴!!
珪藻土みたいな質感と重さ
そう考えが至ると私はまたパキッと折った
身体からまた魔力が抜けた
でも壊した時程ではなくほんの少し出て行った感じ
「リアムさんこれ、まだ壊れてません」
「しかし、もう人をどうこうするような力は無いはずです。ナルシドに嵌めさせましたが、服従も隷属も何も起こりませんでしたし」
しれっと凄いこと言った!
嵌めさせたんかい!
壊れてるかどうか分からないものを
「と、とにかくちゃんと壊したいので・・・床、床に私を座らせてください」
何となくバキバキに、珪藻土を自然に返す時のように粉々にすれば完全に壊れる気がしてお願いする
はぁ。とため息を着くリアムさん
でも目が、顔が興味津々だと言ってる
リアムさんって根っからの研究者だよね
リアムさんが絨毯の引かれていない木の見える床へ私を連れて行ってくれ
私は枷だった白いものを目の前に広げて黙々と砕いていく
リアムさんもひとつ手に取り折ろうとするけどビクともしない
「私にはクッキーを割ってる感覚なんだけどなぁ?」
クッキー割ってる感覚で魔力も少しづつ取られてるけど
「クッキーとはなんですか?」
えっクッキー無いの?この世界。この国を作った勇者さん、前の世界でご飯は作らない人だったのかなー?まぁ確かに全体的に薄味だもんねこの世界のご飯って
「いつか作りますねクッキー」
しばらく続けてだいぶ粉々にはなったけどもう一押し、砂のようにパラパラにしたい
「さっきの魔石貸して貰えますか?」
リアムさんは何をしてるんだろう?とすぐ隣で不思議そうに私に魔石を渡す
私はさっきの白い魔石でグリグリと更に粉状にすり潰していく
あっ
さっきより気持ち多めに魔力持ってかれるな
でもこれで完全に壊れるでしょ
「なんか嫌な感じが無くなってきた」
嫌な感じが無くなってきたからか、仕上げを見届けようとソルが私の後ろでルナちゃんと一緒に覗き込む
もしこの世界で私しか、この悲しい魔術具を壊せないなら
この世界のコレを全部私が壊して回ってさ
誰一人こんな物で悲しまない、苦しまない、そんな世界になったら良いのに
私と同じ色なんだからさ
こんな悲しみしか産まない魔術具なんかじゃなく
どうせなら可愛くて何にでもなれる
そんな生き物にでも変身しちゃえばいい
私と違って自由でなんでも出来ちゃう
そんなかわいい生き物
魔法が溢れてるファンタジーな世界なんだもん
そんな妄想したって構わないよね
シャリ
全部潰せた!
一度魔石を砂となった枷のそばに置く
嫌な感じがピタっとしなくなった
やった壊れた!
もうコレからは何も感じない
「これで完全に壊れました」
一心不乱に潰してたから丸まった背と腕をググーっと伸ばす
「ヴァっヴァイス?」
あれ?
フラーっと後ろに倒れる私をソルが支える
今終わったのになんで?
壊した時と同じぐらいごっそり魔力持ってかれた
ふわっ
「何か変なこと考えてませんでしたか?!」
さっと抱き上げられリアムさんは走って扉を抜ける
「ごっごめんなさい、壊し終わった直後ごっそり持っていかれちゃいました、魔力」
ソルとルナちゃんも走って部屋を出る
うわ!私何気に部屋の外初めてなんだけど!
広くて綺麗な装飾を施された廊下に目がいってしまう
ソルが扉を閉める直前
眩しい真っ白な光が扉の隙間から廊下に溢れ出た
パタン
ソルが扉を閉めた
真ん丸とした3人の視線が私にぶつかる
「ご、ごめんなさい!」
また何かやらかしてしまった私は
とりあえず大きな声で謝った
ちょっとでもいいぢゃん!続き気になる・・・かも!
って思ってもらえるようがんばりまっす!
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