13・鑑定(仮)
ギフト?何それ?しかもこの頭の抱え方、嫌な予感しかしない!!
ああ!そうだ!私まだ一言も読めるなんて言ってない!
「わ、私っまだ読めるなんて言ってないです!」
「お嬢様・・・顔が物語ってました・・・」
表情に全部出ちゃってたの?・・・
うぅぅ。なんかだんだん幼稚になってる気がする・・・。あっこれが俗に言う体の年齢に精神が引っ張られてくってやつ?
涙目でレゼルちゃんの方を見る
あっまだレゼルちゃんの見てなかっ・・・
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レゼル・バウセンドック
11 ♀ 9.18 Green
先祖代々ダイヤトリント家に仕えている暗殺者一族
バウンセンドック伯爵家次女
契約者:ヴァイス・デア・ダイヤトリント
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うえっ!
はっ伯爵家?!暗殺者?
伯爵って貴族様だよね?えっ貴族もメイドするの?よくわかんない!
しかも!暗殺!?こんなに可愛いのに?あっ暗殺者一族かもだけど、レゼルちゃんはまだ11歳だし!暗殺業はしてないよね?!よね!?
契約者ってなに?
もーお!!
いきなり人の秘密を覗き見したみたいで凄く複雑な気分!
今度は私が頭を抱える
「何を考え・・・・・・はぁ・・・」
リアムさんは深くため息を吐く、そしてゆっくり向かい側の席に座った、それを見て唸ってるおとーさんも私の隣に座る
「アレクシス・・・。座りなさい」
その声を聞いて、アレクシス君も黙ってリアムさんの隣に座る
食い入るようにおとーさんを見てるな?何だろう?
「聞きたい事が山程あります・・・が、先に聞きましょう」
「お父様!ギフトですか?本当に、ギフトなんですか?」
そうリアムさんが言うとアレクシスくんはすぐ質問をする
「・・・あの、ギフトって何ですか?」
「ギフトは、産まれ持って神に与えられたものでは無く、後天的に神様から特別な力を頂く事です」
「だからです!有り得ません!だって神無しですよ!!力を貰うなんて・・・」
私へ指をさして困惑しながら言い放つ
神様が、私に特別な力・・・鑑定?をくれたって事かな・・・?。
「ええ。普通なら有り得ません。ですが瞳から溢れた膨大な魔力、彼女のものではありませんでした」
へ?私の魔力じゃない?
「そうだな・・・私も感じたことの無い力だったな」
おとーさんがそこに同意する
「虹色?のような、様々な色に溢れていた」
うーんとまた頭を捻ってしまう2人
「ですが、このようなギフトは文献でも見たことも、人伝に聞いた事もありません・・・文字を読めるようにするギフト・・・」
私はまた、リアムさんの上に浮かぶ文字に目を通す
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ウィリアム・ビー・バトラー
24 ♂ 11.29 Magenta×Black 魔眼
《王家の賢者》バトラー領当主補佐 底無き探求者
王の婚外子 大公四家のバトラー家へ養子に出された
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もう気になって気になって・・・
婚外子ってあれだよね?愛人的な?違うか・・・王様に認知されてない子供って事?
いや、認知されてるけど結婚してない人の子供?
王様の隠し子って所かな?
本当はウィリアムなのにリアムって名乗ってるのもなんかその辺ややこしいからなのかな?
「どこを見てるんですか?」
考えに没頭してると、リアムさんにじとっと視線を向けられる
「さっきから我々の頭上ばかり見てますね?・・・何か見えてるんですか?」
ドキッ
見えてます。見えちゃダメなやーつが・・・
「いやっえっと・・・ぼーっとしちゃって」
「まあ、どの神に貰ったかまで考えたってわからない。色が1つじゃなかったからな・・・まあ、勉強する手間が省けたと思って前向きに考えようじゃないか」
そう言ってわしわしと私の頭を撫でる
おとーさんはいっつもポジティブだ
視線をリアムさんに戻すとリアムさんがうっすら灰色の紙と万年筆のようなペンを用意していた
「考えるのは後にして、今日やろうと思ってた事をやってしまいましょう。このペンを握ってなんでもいいので書いてみてください」
差し出されたペンを握る
パチッ
静電気のようなものが走ってペンが弾かれた
机に転がったペンをもう一度触ろうとしてまたパチッと弾かれる
「ダメそうですね・・・」
「このペン、何なんですか?」
「このペンは握った人の魔力をインクへ変える魔道具だ」
「やはり、ヴァイスお嬢様は魔力が身体から出せないのでしょうね」
すると小さな瓶を出して、昔の人が使ってたような綺麗な水色の羽ペンが出される
おおお!実物はじめて見た!使うの初めてだけど、羽の先っぽをインクにつけたらいいんだよね?
握る所からペン先まで綺麗な装飾が施された金属で握り心地がいい
インクにペン先を付けて紙に持っていくとインクがぽたっと垂れてしまった
あ。
向かいのリアムさんを見ると、いいから続けなさい、と言った感じでコクコクと頷く
とりあえず日本語でヴァイスと書こうとして描きにくさに頭を捻る
「これは、少し寝かせて持つと書きやすいぞ」
カタカナでヴァイスと、書いて書き心地が気持ちよくてそのまま時々インクを足しながらみんなの名前を書いていく
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ヴァイス
ランスロット
キャロイス
レゼル
リアム
ソル
ルナン
テンド
リューナ
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ここで手が止まる
ああ・・・
私がこの世界で知ってる名前ってこんなにも少ないんだ・・・
そう言えばテンドさんが御長男様とか言ってたな
お兄ちゃんの名前も知らない・・・
アレクシスくんは目を見開く
紙にぽたっと雫が落ちる
子供の頃は学校へ行って、終われば友達と公園で遊んでた
帰ったら家族で食卓を囲んで、一緒にお風呂に入って。寂しかったらお母さんの暖かい布団へ潜り込んだ
こっちの世界にきてからは
部屋に閉じこもって、話す相手は基本的にレゼルちゃんだ
友達だってソルがいるけど、それは私が抜け出せたから会うことが出来ただけ
食事も基本1人。お風呂だって、よる眠る時だって1人だ
常に鍵が閉められる
神無しだから、守ってくれようとしてるんだと、わかってるよ
わかってる
書かれた日本語を優しく撫でる
ああ、私の夫はちゃんと2人を育ててくれてるかな?
毎日に小さな目標を立てて、忙しくて考えないようにしてた。楽しもうと、毎日を楽しくしようって。頭の片隅に考えたくない事を追いやってた
日本語を見ると、思い出す
今と前を比べてしまう
「ヴァイス・・・?」
そう、私はヴァイス・デア・ダイヤトリント
最後に1行書き足す
私の前の名前
さよなら
“ジェシカ”
私はこの世界で生きる
ヴァイスなんだ
さっと左手で涙を拭う
「ごめんなさい。ちょっと適当にお絵描きしちゃった」
日本語のカタカナじゃ、みんなどうせ読めないだろうし
適当にお絵描きしたことにしよう
あ。
でもこれって読めても結局書けないんじゃ勉強しなきゃいけないのでは?
うがぁーーーー
ハッと気がついて、しょぼんと気を落とす
すると私の書いた文字が形を変え始めた
「んな?!」
「これは!!」
最初に読んだ本と同じ文字の形へしゅるしゅるとカタカナが形を変えると
日本語のふりがながまた上に現れた
そして最後の“ジェシカ”だけ何故かカタカナのままだった
「今のは魔法か?」
「いえ、私がこの眼で見てましたが、魔法では無さそうです」
2人が食い入るように紙を見つめる
「私達の名前、だな?」
「ソル、ルナンとはどなたでしょう?」
「我が家の人間では無いな」
じっ
と2人の視線が私にぶつかる
ま、まさか2人が読める形に文字が変わるなんて思ってもみなかった
何となく、知ってる名前書いただけなのに
どうしよう・・・
「・・・ゆめ」
急いで考えを巡らせる
「夢に出てくる男の子の名前なの!」
「・・・ではこの下の文字は何と書こうとしたのですか?」
「えっと、それは何となく文字っぽいかなーって・・・書いてみただけです」
えへへっと、とぼけてみせるけどリアムさんの瞳は薄くなり、信じてない事が私でもわかる
でも言わない
「また、先程と同じように書いて貰えますか?」
新しい紙を出して、私に書くよう促すリアムさん
原理なんて全く分からないけど、さっきのは目の錯覚って事にならないだろうか?
魔法じゃないってリアムさん言ってたから・・・
原因が分かるまで何度でも書かされそう
書く前に強く想像する
さっきの言語で最初から書けますように・・・
「なんと・・・」
しっかり想像したからか、私はカタカナで書いてるつもりでも
書いた文字が最初から先程の文字の形ですらすらと書かれていく
「えっと・・・。私読み書きできるみたいです」
にこっ
と笑って、てへっと笑ってみる
お父さん、リアムさん、アレクシスくん、レゼルちゃん
みんなの顔は信じられないものを見る目で、静かに私を見つめてた
ちょっとでもいいぢゃん!続き気になる・・・かも!
って思ってもらえるようがんばりまっす!
評価などしてもらえたら
飛び跳ねて喜びます!!
よろしくお願いします!




