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9・鎧の2人





神無し(いろなし)だと、殺される・・・の?」





「ヴァンは本当に何にも教えて貰って無いんだな。だってさ、生きてるもんって全部色があってな?神様達が自分の色で生きていいよって許してるようなもんなんだって、とーちゃん言ってた」



じゃあリアムさんが、生まれてすぐ亡くなることが多いって言った時、その前に言いかけた言葉って、通常、神無しは・・・


『殺されるから』


だったのかな・・・。




「神様達が色を渡さなかったって事は、生きちゃいけねえって言われてるって。見つけたら魔物でも、人でも、殺さなきゃいけねえのが神無し(いろなし)




「殺さなきゃ・・・。いけないんだ・・・」



自分の身体を抱きしめるようにギュッと手に力を入れる

大きな庭、外から眺めた私の住む御屋敷は大きい。でも、御屋敷の中で私が顔を知っているのはレゼルちゃん、お父さん、お母さん、リアムさんだけ・・・

あれだけ大きな屋敷なのに私を知ってる人は少ない、少なすぎる。




そういえばリアムさん、言ってた・・・


『眠っていた時は人の魔力も刃物も何も受け付けていませんでした』


物騒な言い方だと思ってたけど・・・

誰かが、本当に刃物で私を・・・


殺そうとした・・・?




「ソルは・・・」


神無し(いろなし)の人を見つけたらどうするの?




聞こうとして、やめた



今友達になれたのに、迷いなく『殺す』なんて言われたら

もう会いに来れない・・・





私は生きたいから





「ソルは物知りだね」


顔を見れないままポソッと呟く



「ルナンが片目、色無眼だから。神無し(いろなし)って言われないようにちゃんと知ってろってとーさんが色々教えてくれて、守れよって言ったんだ。・・・だからかな?」



神無し(いろなし)は殺される、でも色無眼は殺されないのか・・・あ、魔痕があれば瞳に色が無くても神無し(いろなし)ではないって事なのかな




ソルは私の頭にポンっと手を乗せる





「ヴァンが森のことありえねーくらい知らなくても、ほっとけなかったのは、ルナンと同じように目を隠してたからだったのかもなーって」




はははっと笑うとすっと立ち上がった




「ちょっとはえーけど俺、帰るよ。早くルナンにさっきの(緑化の実)あげたくなった!」




そそくさと木の枝が入った籠を背負い、帰ろうとする





「俺も帰る」




内心よく分からない感情が渦巻いてる。

何とか笑って鞄の中の時計をチラッと見る。

もうちょっとで11時か、今日のお昼は遅めの13時って聞いてたけど頭ん中ごちゃごちゃで1人で楽しく森歩きなんて気分じゃないし




「んじゃ3日後またこの辺でっ」





「ソルまたな!怪我気をつけろよ!」




大きな籠は枝も入って重そうなのに、ソルは風のようにひゅんっと走り去っていく

ソルが見えなくなるまで見送ってふと、ここに今日来た時に感じた第五感様の場所だけチェックして、緑化の実だったら取ってから帰ろうと思いくるっと回れ右をして緑化の実を探す



あっあの辺にありそ


「子供?」






すぐ後ろから低い男の声がした

振り返る前に両足が地面から離れる


いたいっ



「テンドがなんか変って言うから着いてきたのに、ただのガキぢゃん」




ひっ いつの間にっっ




目の前にはポニーテールをした綺麗な金髪で鎧を着た女性



「いや、変だぞ?魔力を感じない」




私の首根っこをグッと掴んで持ち上げてるのは焦げ茶色の髪をした2mはありそうなガタイのいい鎧の男


片手で軽々と私を持ち上げてる



首の後ろが痛い!


私の首を持つ手を払おうとふんふん手を振ってもビクともしない

ってかこんなに重そうでカチャカチャいいそうな鎧着てるのに足音1つ聞こえなかった


こわっ



「じゃあ斬っていい?」




金髪の女鎧さんが腰の剣へ手を伸ばす




えっもう神無し(いろなし)とかカンケーなく首とおさらばですか!ひどい!!





「いや、やめろリューナ。面倒くさそうってだけで何でも斬ろうとするな」




「チッ」




こっわ!面倒くさそうってだけで人殺さないで!

もう今日はいっぱいいっぱいなのに!




なんて日だっっ!!




金髪の女鎧はリューナ、鎧の男はさっきテンドって呼ばれてたよね



「あっあのっ。下におろして頂けません・・・か?」




できるだけ男の子っぽく低めた声で、ぼそぼそっと・・・




お願い

殺さないで

斬らないでぇ


首が痛いぃぃ

そろそろもげちゃうよ!身体が!




「ほう?」



テンドさんは片眉をあげてじっと私を見てる

ほう?ってなに!私はとにかく捕まれてる首が痛いんですよ!斬らないなら早くおろしてほしい!



「ねえ僕、名前は?」



さっきまで興味のなさそうだったリューナさんが目を覗き込んでくるようにからだを屈ませる

私はさらに俯いて前髪で瞳を隠す



「ヴァ、ヴァン・・・です」




「ラストネームは?」


「ないです」


ソルが前教えてくれた事。貴族にしかラストネーム(みょうじ)はない




「ふーん・・・」




リューナさんは私の帽子へ手を伸ばす

咄嗟に帽子を両手でがっちり抑えて守る


これが取られてしまったら即斬られる!



リューナさんは伸ばした手を止め、テンドさんの隣へ行き小さい声で話し始める


「ダイヤトリンド様の御長男様も濃いブルーだったっけ?」



「ああ。しかし、こんな幼子ではなかったはずだ」



がっつり聞こえてます!ダイヤトリンドってうちだよね?!って事は私、お兄ちゃん居たの?!新事実の発覚がありすぎて上手く頭まわんないんだけどーー!!


偽の髪色、濃い青にしたのは間違いだった?この辺ブルーの人少なかったりするの?

どうしよう!泣きそう!!



「とりあえず、リアム様に視てもらうか」


「リアム様のお手は煩わしたくない・・・けど、仕方ないね」



うわぁぁぁああ!リアムさん関係者!!やばいやばい!多分ひと目見られただけでバレてしまう

どうにか一瞬この2人の視界から逃げなければ!このまま目の前で消えて後で大騒ぎも困る、ん?まてよ?掴まれてたら瞬間移動できないかも?

うわぁ。実験しなきゃいけない案件だな・・・

んな事よりも、あ。あの太めの木の裏までどうにか行こう!あの裏に隠れた一瞬で部屋へ飛べば、目の前で消えるわけじゃないし・・・




よし、先にベッドの横をイメージしておいて・・・



深呼吸左手で帽子をおさえる



ばっっ



右肩を思い切り振り上げ身体を全力でねじる



トンッ



「あっこら」




無事地面に両足が着くと全力で木に向かって走る


普通の子供なら足音1つたてないこの2人から逃げることなんてできないだろう

油断しきった2人はゆっくり歩いて後を追ってくる



木の裏に隠れ、2人の視界から外れる



私は部屋のベットの横に立っていた





「よ、よかった・・・」




無事瞬間移動できたっ


ほっとしてその場にへたり込む



いや、休んでられないな。リアムさん近くまで来てるって事だよね


私は、ばばばっと服を脱ぎベッドに並ぶぬいぐるみ達に入れてボタンを止めていく

カバンの中の置き時計と、裁ち鋏を元の場所に戻して・・・

水筒はおっきめだから枕の中へ


これであとは服を




コンコン


「お嬢様。お知らせしたい事がございます」




ぎゃっまだ服がっ

今の私はシャツにパンツに靴下ローファー

ガシッとベッドに広げていたワンピースを頭からズボッとかぶる




ガチャ。


「・・・。お嬢様?髪の毛がワンピースの中に入っちゃってますよ?」




「あっえーと、髪短いのどうかなーって・・・。見てみたいなぁ〜?」



「ふふふっ。相変わらず欲しいものがあると変な角度でアピールしますね?今日は鏡ですか?」




くすくすっと笑いながら私の傍に来てワンピースに収まった髪を優しく出してくれる



ごっごまかせた?!よね!

あっぶな!次からトイレで着替えよっかな?



「でも髪が長いのは優れた従者を持つという証にもなるのですよ?これ以上短くするのは奥様がお許ししないでしょうね」




へぇ。そういう意味合いもあるんだ



「あっ、お知らせしたい事なのですが、本日リアム様が




コンコン



「入るぞ」





レゼルちゃんが返事をする前に扉が開く




扉の先にはお父さんと、リアムさんが。

リアムさんはお父さんより先にズカズカと大股で部屋に入ってきて私の目の前に立つ



がしっ



両肩を思いっきり掴まれた










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これからも頑張ります

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