VSアイスバウンド再
こんばんは!
ぜひぜひ、ご覧ください。
「このトンネル!」
歪みトンネルだ。二回目となると、多少冷静だ。
今回はすぐに出口のようだ。光が収束して、
「ふー!」
「?どうした、いきなり?」
「キョウタロウ、へんなのー!」
「っ。ケネス、フィーネ・・・!」
思わず抱きしめた。
「わ、なんだお前!」
「どーしたんですかいきなりー!やっぱりへんですー!」
「良かった、二人とも・・・!」
「・・なんかあったのか?」
「ああ。事情を話す」
それから俺は大きな獣と戦った話、少女と会った話を伝える。
「時空間魔法・・・!やっぱり、キョウタロウさんは終末の魔人に対抗できる、強力な術者だったんですね!」
「しかし、その代償は記憶か。厄介だな。つまり、今のキョウタロウは何かを忘れてるってことだろう?」
「そういうことになるだろうな。実はさっきから、女の子の名前が思い出せないんだ。それから、魔物と戦った状況も、ぼんやりとしか思い出せない。他にも何かあるのかもしれないが」
「それが代償か。忘れていることすら認識できない記憶もあるだろうな。そして飛んだ時間が長くなるほど、忘れることも多くなると。あまり遠くへの時空間転移は控えた方がいいな」
「そうだね。忘れちゃったら対策も立てられないし・・・。でも、短い粗相なら、これはかなり強力な武器になるんじゃない!?」
「粗相じゃなくて、遡行な!俺が粗相したみたいだから!」
・・・たしかに、一度敗れたはずの敵に対して、作戦を立ててもう一度挑めるのだ。これはかなりすごいことだ。
「よし、とにかくアイスバウンドを今度こそなんとかするぞ」
「俺に考えがある」
そして作戦を話し、森に向かうことにした。森は前回同様、霧がかかり、薄暗く嫌な雰囲気がしている。
「そろそろのはずだ」
「っ!あそこよ!」
そこには、禍々しい怒気を放つ、アイスバウンドがいた。
「じゃあ作戦通り行くぜ!」
「まかせて!」
まずはフィーネが感知魔法を周囲に多数展開する。そしてケネスは風魔法を最大出力練り込んでいきそれを剣に纏わせる。アイスバウンドは今の俺たちには格上だ。最大戦力のケネスの最大攻撃を叩き込まなければ、勝ち目はない。それも、できれば隙をついて。
「左斜め後方から来るよ!距離50m!」
「30!」
「風、最大出力」
そして、最大の隙は、
「15!!」
「転移!」
(敵が攻撃してくる時!)
「ケネス!」
「マッスルウィンドブレードー!!!」
「ヴヴヴォウウーンンンン!!!」
敵の後頭部に最大火力のケネスの攻撃が直撃した!見るからに大ダメージは与えられている。これでダメなら時間転移で過去に戻る算段だ、、、、が、アイスバウンドはそのまま倒れた。
「・・・やった、のか?」
「ああ、なんとかな」
「やったーー!!」
「はあああぁーー」
一気に力が抜けていく。なんとかアイスバウンドを倒すことができた!一度はやられた相手だ。敵の強さが分かってはいても、賭けだった。ケネスの攻撃が効かなければ苦しかった。
「ケネス、やっぱり強いじゃねーか!さっきの風はなんだ?」
「俺の魔力は風だ。風を操り攻撃を仕掛けたり、空を飛んだりできる。だが、多彩な魔法を使える器用さはない。そこで剣を鍛えた。筋肉を鍛えた。鍛えに鍛えて、それに風を合わせることにしたんだ」
それがさっきの風を纏った剣、か。名前以外は最高だったな。なんだよ、マッスルって。そんな必殺技名あるかよ。
「フィーネも、感知魔法ありがとうな」
「キョウタロウさんこそ、流石でした。ホントに転移が使えるんですね。時空間魔法が使える人は、ごく少数だって聞いたことがあります」
「そうなのか?俺をこの世界に飛ばしたやつも使ってたから、結構使えるやつ多いのかと」
「それは、その人もかなりの術者のはずです!特に、時間遡行となると、大賢者様が使えると噂に聞くくらいの眉唾物です!」
「まじかよ」
「時間を粗相するなんて、ルール違反ですからね」
「遡行な!」
ルール違反て。まあな。
で、だ。
「そろそろ説明してもらおうか。いるんだろ!発光系女子!」
「発光系女子って何よ!失礼にも程があるでしょうに!」
発光系女子は木の上から会話を聞いていたようだ。
「あれが・・・」
「発光系女子」
「エアラインよ!」
「・・・エアライン?」
「ええそうよ、私はエアライン・フィラルデント」
「エアライン・フィラルデント!?この国のお姫様じゃない!?えええ!どういうこと!なんでお姫様がこんなところに?お1人様ですか??」
「ファミレスの定員みたいに尋ねるんじゃないよ!」
「説明するわ。ただ、日暮れまでに隣村に行きたいし、歩きながらでいいかしら?」
「もちろん、構いません!」
「かしこまらなくていいわ。気軽に話かけてちょうだい。それに・・・」
エアラインの表情には少し陰りが見える。
「なんでもないわ。さあ、行きましょう」
俺たちはソンニ村に向かって歩き出した。森の中は先程までの霧も晴れて、日が差し込んでいる。こうなると森林浴にきているようで気持ちがいい。
「とりあえず、アイスバウンド討伐、お疲れ様でした」
エアラインが笑顔で言ったのだった。やっと余裕をもってエアラインの顔を見れた。うん。
「可愛いな!」
読んでくれてありがとうございました!
続く




