キツネのおじい
「ほんと、なんだったんだあの店主」
店を出る瞬間まで店主は粘ってきた。
「シマノさんと来たときは物静かな方だったので、わたしもあんな方とは知らなかったですよ」
第一印象があれだったから店主が物静かなイメージがわん。
「次はどこ行くんだ?」
お茶屋に来るときはあまり周りを見ていなかったが、結構面白そうな店がある。特にあの八百屋なんて見たことのない不思議な野菜が置いている。花林に見せたら驚きそうだ。
「そうですねぇ、いろいろな方がこの街に来るんですけど、特に紹介するような観光地はないんですよね」
「じゃあ、店とか紹介してもらってもいいか?」
「いいですけど面白いものなんて何もありませんよ?」
「いや、俺の見たことがないもなが結構あるしいいよ」
「わかりました、じゃあそこの雑貨屋さんで、けっこう私の行きつけの店なんですよ」
紗子が指さしたのはまたもや古びた店、のれんがあるだけで言われなければそこが店とはわからないほどの民家臭。
今回は普通の店だよね?さっきの店みたいに頭のおかしい店主いないよね?
「この店は店主さんがいい人で、あっ、さっきの人もすごくいい人ですよ。私の事すごく気にかけてくれるんですよ」
あっ、今回はいい人そうで安心した。さっきみたいなにポンポン出てこられたらたまったもんじゃないからな。
「そういやさっきから店主、店主言ってるが、どっちがどっちかわからなくないか?」
「たしかにそうですね、名前は、名前、あれ?私あの方たちの名前知らないですね」
「行きつけじゃなかったの?」
「なかなか教えてくれないんですもん、それに、よく行ってるからって関係ないですよ、もう、からかわないでください」
「すまんすまん」
「わかればいいんです、よいしょっと、すみませーん」
「は~~~い」
古びた扉を重そうに開ける紗子、中からは歳のとった声が聞こえてくる。
「いらっしゃい、久しぶりだね」
中から出てきたのはキツネのお面をかぶったお爺ちゃん?らしき者、素顔は見えない、服は作務衣に近いものを着ている。
「お久しぶりです、今やっていますか?」
「ああもちろんやってるよ、好きなのを見ていき・・・隣にいるのは彼氏さんかな?」
「そうです」
「全然ちがいますよ~、創貴さん、なにどや顔で彼氏面してるんですか!そこは否定してくださいよ!」
会って間もないけどなんかそこまで言われるとへこむわ。
「そうか、紗子にもついに彼氏ができたと思たんだがね」
「彼氏を作る予定は今のところありませんから」
「そこのお方、こんなこと言ってるけど紗子の事よろしくね」
そういい俺日数いてくるお爺ちゃん
さっきの店主とは違いめっちゃいい人じゃん、この町に長居するようなことがあったら俺も仲良くしたい、あれ?俺は何でこの街紹介されてんだ?早く帰らせてくれればいいものの。
「おいクソガキ、紗子に色目使ってみろ、ぼこぼこにぶん殴った後に体ばらしてお前の首を店に並ばすぞカス虫が」
この爺耳もとでなに言いだしてんの?
いや全然怖くないけどね?こっちは若いからね、まじで。
「お二人ともそんなに近くでお話して、もしかしてさっそく仲良くなったのですか?あれ、なんか創貴さんの顔が若干青いような・・・」
「はっはっはっ、さっそく仲良くなったわ」
「それは良かったです。それなら創貴さんに面白い商品を教えてもらってもいいですか?」
「いいよお、じゃあこれなんかどうだ」
「なんですかそのナイフは?」
爺の出したのはめっちゃ人を刺していそうな真っ赤なナイフ
「これは切っても血が出ないナイフだよ、何故赤いのかは知らんがね」
これでお前をぶっさすというかのように、瞬きをせずめっちゃこっちを見てくる。こっちみんな。
てか、切手血が出ないんだったら何で赤いの?
確かにこれで刺されたら血が出ないからアシが付きにくいよね?そういうこと?
「わ~、どんなことに使うのでしょうか全然わからないです」
「ホントダネーワカラナイネー」
「そこのクソ虫で試してもいいがな・・・」
おいこのクソ爺何言いだしてんだ。
「あれ、お爺ちゃん今何か言いました?」
「なんも言ってないよ~」
今めっちゃ言ってたやん、クソ虫って思いっきり言ってたやん、この子の耳コルクでも詰まってんの?
「紗子、やっぱりもう帰らない?」
「もう帰っちゃうんですか、まあシマノさんも休憩に入ってるころなので大丈夫だと思いますけど」
「じゃあまた来な(二度とくんなクソ虫)」
あれ?なんか幻聴が聞こえたような・・・でそ紗子も聞こえてないっぽいし、なんだったんだ
「おじゃましましたまた来ますね」
「紗子ちゃんはまた来てね」
そうして俺たちはシマノの家に向かった。
(紗子に手ぇ出してみろ腹に・・・)
「早く出よう!ここももうやだ!」




