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異世界残存記  作者: 三郷 彰
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現在より仮想世界のほうが幸せなんで永住しますね^^

皆さん初めまして。初見投稿になります。三郷 彰です。


ペンネームは結構テキトーでそのうち変えるかもしれないので覚えなくて大丈夫ですが、タイトルは覚えてもらえると嬉しいです。


前書きとして語ることは特にないので、補足などはあとがきにてしたいと思っています。

それでは失礼いたします。


 私は多く知らないが家族とはこういうものらしい。


 お金は多く持っていないが、優しい父と母の元に生まれ、

休日には釣りにいったり、遊園地にいったり。

誕生日はケーキでお祝いしてもらって、クリスマスにはサンタさんが来る。

友達と虫取りにいったり、お泊まり会したり。


 残念なことに、私の頭の中はそんな夢のような家族の姿を思い出させてはくれない。


 金は持っているが、威勢だけで成り上がった父と金目当ての母、

休日という概念が私には存在せず、成金の集まり会には連れて行かれるが、

遊園地なんてテレビの中の虚像であり、ケーキなんて数年食ってない。

クリスマスにくるのは自分に恩を売ろうとするこずるい連中、友達?そんなのいると思うか?



 人間関係での楽しい思い出なんて存在しない、私の記憶の全てはこんな感じなのだ。


 だから親が大嫌いだ。形だけ()()()()したハリボテ屋敷も、いつも硬い顔してる金に縛られただけの下劣も、関わりを消し、何処か違う所に行きたい。

そう願うのは真っ当な事と誰もが了承してしまうだろう。


 しかし、現実は非情で監視カメラだらけの屋敷はどちらを見張っているのか分からず、

威圧を振りまいた教師が今日もずっとこちらを睨んでいて眠ることすら許されない。


 前に一度抜け出したことがある。毎日が流石に悲しすぎたからだ。


 外の世界とはいいものだ。俗世間が作る文化はどれも私には鮮明で、全てが光に包まていた。

初めて行く水族館に、初めて食べたB級グルメの数々、道で魅せる芸者と私を心からゾクゾクせることの連続であった。



 深夜一時を過ぎ、街の光が消え始め本格的な眠りにつこうという頃に、やっと私に追いついたイエスマン達に連れられ、外が社畜の出勤音でうるさくなり、学校に連れて行くギリギリまで叱られた。


だが、私は全く反省する気はない。今か今かとこの閉鎖状況から抜け出すチャンスを伺っているのだ。


 そして、そのチャンスが全然来ず、穴でも掘って脱走してやろうかと考えていた頃に意外な形でチャンスはやってきた。



 その日も新たな下劣達が家にやってきて私に媚を売っていた。


 クリスマスの昼から恐れ多くも下劣供は私を訪ねてきた。飽き飽きするような褒め言葉が飛び交う自室、才能を感じるとか、お父様より成功する!とか、また根拠もないことを。なんだか変なプレゼントも持ってくる下劣もいたが、その後のプレゼント達の行方を知る者は誰もいないだろう。


 そんなろくでなしに混じってその人は私の部屋を訪ねてきた。


彼は私の話には一切耳を貸さなかったが、私の目をずっと見続けていた。顔に何か付いているか?と聞いても返事すらしない。

 想像してみると私の気持ちが分かるだろう。とても不気味な絵図だ。私も反応に困りきっていたが、彼の一言でさらに困惑顔進んだ。


「よく眠れているか?」


「……は?」


 意味不明な質問にお上品さが腑抜け、心の口癖が露呈してしまう。


 私の家に訪問する人間がこんな私を見たらたじろぎ、猫に睨まれたネズミのように退散するだろうが、その男の人は気にせず続ける


「君は立派な財閥の申し子だ。多少の不備はあれどもお前は父親から期待を受けていて、それのせいで、さっきみたいに纏わりついてくる人は沢山いるだろう。」


「自分は違うとでも?」


「もちろん。俺はそんな君の手助けが出来ればと思ってね。いいものを持ってきたんだ。」


そう言ってその人は背負っていたリュックからカバーのかかった青い枕を取り出した。

今までの雰囲気から一転目の前で起こる滑稽な展開についていけなくなった私は困惑を隠しきれない。


その人はそんなこと御構い無しに枕を置くと席を立った。その急な唐突さに私が言葉をなくしていると


「もう君とここで会うことはないだろう。またな。」


と言って淹れてから一口も手をつけなかった冷めた紅茶を飲み干し、定時退社のサラリーマンのようにそそくさと出て行ってしまった。




 時計は間もなく頂上に近づき、野良犬の吠えが夜街に浸透し始める頃に太った貴族供はようやく帰り、私はようやく眠りにつくことが可能となった。クリスマスの夜によりにもよって人の家に女連れで長話する奴がどうしてあんなに金を持っていられるのか。


 そんな疲労に浸かった愚痴を心に持て余し部屋に入ると、天井まで届きそうなプレゼントの山の中にあの男が残したプレゼントがあることを思い出した。


 その枕は低反発で、確かに高級ないい枕なのだろう。だが、私の枕とさして大差はない。

 


 いかにも怪しげだが、私は使ってみることにする。たとえ永遠の眠りにつこうが、それもそれで美しく死ねそう。ひょっとしてあの男がいう手助けとは私をこの家の呪縛から永久に解脱させる。という意味の手助けなのかもしれない。



 そんなことを考えながら体を制御するのをやめてベットに倒れこむ。あの男の言うだけあって枕の寝心地は素晴らしい。


その時、触れ心地のいい枕の一点に、鋭い痛みを感じ、それからの私の意識は完全に途絶えた。


 その通り私の予想は正しく、あの男は私をこの家から逃す手助けをした。


 ただし、その先に待っていたのは永遠の暗い眠りではなく、明るく意識のある世界であった。


いかがだったでしょうか。

本作品はかなり文学的な主人公の日記という風に話を進めていくつもりです。お気づきかはわかりませんが、本作の主人公は女性です。

まだお相手までは模索中ですが、もう少し先になれば男との恋愛要素も入れるつもりですのでもう少々お待ちください。


次回については未定ですが、大枠はできているのであとは文章を再構築するだけなので、反響が多きければ必然と早くなるでしょう。

私自身とても飽きっぽく力が抜けやすい性格なので皆様からの反応をいただけるととてもやる気になります。


それではまた次回を宜しくお願いします。ありがとうございました。


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