表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/14

2019/05/07

最近お腹が痛くなる。年齢を重ねるごとに胃腸が弱くなっている気がする。


胃腸の機能の低下は危険信号だ。


僕の頭上に危険信号が灯っている。


赤色が点滅している。激しく点滅している。


しだいに点滅は大きくなり世界を包む。


「・・・は、ここは?」


「ようこそ。」


「誰だお前は?」


「私は胃腸の聖。ここは胃腸が痛くない世界よ。」


「・・・なんだそれは?」


「胃腸の痛みは心の痛み。心の痛みはすなわち、それは世界の終焉の始まり。終わりの始まりだわ。だからあなたの頭上に危険信号が灯った。」


「・・・胃腸の痛みは心の痛み?」


「そう。全てが無に帰した時、あなたは始めて気づくの、全て胃腸だったと。粘膜の機能が低下した時世界は収束する。遥か遠くのこと。まだこの大地が宇宙だった時、粘膜は世界そのものだった。」


「???」


「粘膜は煙幕、煙幕は弁膜、弁膜は勉学、勉学は田楽、田楽は文学、文学は文楽、文楽は半角、半角は半額、半額は・・・・安い。」


「安い・・?」


「一斉大売り出し!!!並大抵の半額じゃあらへんで!!」


「いや半額は半額でしょ。」


「そういうこと!そういうことなのよ!」


そういって胃腸の聖は消えた。


僕の脳裏には彼女の言葉の余韻が残っている。


「並大抵の半額じゃあらへんで!!」


半額だよ。結局半額だよ。普通の半額だよ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ