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2019/04/30
明日は雨が降る。
雨粒の一つ一つは今日、雲の中で明日の準備をする。
「なあ、お前は地上に降りたらどうするんだ?」
「どうするって、どうもしないさ。お前は?」
「ううん。とりあえず"下の世界″って奴を一度見てみたいな。」
「でも俺達はそこから来たんだろう?記憶はないけどな。」
「ああそうだ。記憶がない。だからそれは存在しないのと同じことだ。」
「・・・・俺達はどこから生まれて、どこへ消えていくのか・・・か。」
「もし全てそれを記憶できたら・・・恐ろしいだろうな。」
「なぜ恐ろしい?」
「永遠っていう概念を物理的に感じなくちゃいけないからさ。それは恐ろしい。」
「随分絶望的なことを言うんだな。・・・おっともう時間だ。」
「おい」
「ん?なんだ。」
「次もまた上で会えるといいな。」
「・・・フッ、もっともその時は記憶がないけどな。・・じゃあな。来世でまた会おう。」
雨がポツリ、ポツリと地上に舞い降りる。
濡れたアスファルト、水たまりに広がる波紋。
「きっと前世でもお前はそう言っただろうな。」