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2019/04/21
今日は4月も終わりだっていうのに花粉が酷く舞っている。僕の小指に降り積もる花粉は行くあてもなくただ洗い流されるのを待っている。
「君は何を待っているんだい?」
「分からないわ。でも全てのものに終わりは来るの。人生は休憩でしかないわ。その中で何をしても、何を待っても私の勝手気ままなの。」
「人生は休憩か・・・。君は休憩できたかい?」
「分からないわ。でもこの雪の様に降り続ける花粉がやんだ時、私はいかなくてはならないの。遠い遠い音も光もない世界へ。初めて「答え」というものが存在しうる世界へ。」
「そう簡単に答えを出していいものなのかな?」
「分からないわ。でも、このまま仮の答えに満足して小枝に止まる様な時間を過ごし続けるのはきっと不幸だと思うわ。私達に必要なのは「休憩」ではなく「休息」なの。永遠に続く「休息」よ。」
「また戻ってくるかい?」
「さあ、どうかしら。私が戻ってきたら「答え」を教えてほしい?」
「・・・ああ。」
そう私が言うと彼女は姿を消した。
僕の小指にはまだ花粉が降り積もっている。
「きっと君はこう言うだろう。答えはない、これが答えよ、と。」