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白い鳥  作者: Salvia
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1話 出し物

「葵、部活入らないの?」



「んー、興味はあるんだけどね」



「そっかぁ」



梨花が僕の髪をいじる。



「梨花ちゃんは?」



「……私は……ね……」



「……そうだね」



「そういえば、文系の部活が、文化祭の出し物で走り回ってたよ。なんだか皆気合い入ってた」



「この学校、何故か文化祭の気合いの入り方が違うからね。賞品もでるし」



「あ、そういえばそうだったね」



「その賞品狙いで、よくわからない部活も多いんだよ」



「へー、僕あまり募集とか見てなかったから、どんな部活あるの?」



「文芸部から、陸上や野球みたいな普通の部活から占い部、オカルト部、未来科学研究会みたいなヘンテコな部活もあるみたい」



「未来……なにそれ?」



「未来科学研究会。去年学校でボヤ騒ぎあったでしょ。あれ、科学研が原因らしいの。大量のロケット花火で月までいくって言って失敗して、ボヤ騒ぎ起こしたみたいなの。それが原因で今はもう廃部になったらしいけど」



「へぇ。梨花ちゃん詳しいね」



「葵が知らなさすぎなだけ、結構話題になったわよ、この話」



「ご、ごめん梨花ちゃん」



「こら、すぐ謝らない」



梨花が僕をチョップする。



「ご、ごめ、あうぅ」



また梨花が僕をチョップした。



「あーおーい」



「うぅ、わかった梨花ちゃん」



「んー、よし」



梨花が僕の頭を撫でた。



梨花に撫でられると、なんだか少し落ち着く。





放課が終わるベルが鳴った。



先生が部屋に入ってくる。



「席につけー。よし号令」



号令をおえると、黒板にチョークで何やら書き始めた。



「あー、今日は文化祭の出し物を決める。今年の優秀賞はクラス全員ハワイ旅行だ。普通では考えられない奇抜なアイディアを頼むぞー」



「葵、ハワイだって!」



隣の席から梨花が話しかけてくる。



「うん、今年の賞品は凄いね」



「これは、絶対に取らないと!」



「みんなやる気凄いから、きっといいアイディアが出ると思うよ」



「だろうね。……賞品じゃないと思うけど」



「えっ?」



「やっぱ女装お化け屋敷でしょ!」



「いやいや女装メイド喫茶がいい!」



「アホが、客の胃袋を掴んだ方が、ウケがいいに決まってるだろ!……ここは女装焼きそば屋にしよう」



「…………あれ?」



「ふざけんなこのやろう!女装お化け屋敷に決まってるだろ!!」



「はぁ!?立花のメイド姿をみたくないのかよ!」



立花は僕の苗字だ。



「ぐぬぅ、確かにでも、立花の化け猫姿も捨てがたいぞ!!!!」



「ふっ、馬鹿が、立花のウエイトレスに猫耳メイド服を着せればいいだろ!つまり猫耳メイド焼きそば喫茶だ!!!!!」





「「それだ!!!!!!!!!」」





「んん????」



「よし、決まったなーじゃぁ、猫耳メイド焼きそば喫茶にするけどいいよな」



「「「はい」」」



「他に意見あるやつはいないか〜?」



「はい!はいはい!!メイド喫茶はまだ、まだわかるけど、「女装」はおかしいと思います!」



「えっ」

「えっ」

「えっ」



「あれえ?おかしいの僕だけ??」



梨花が立ちあがる。



「まったく、これだから馬鹿どもは」



「そ、そうだよ梨花ちゃん言ってあげて」





「あんたち、そんなありきたりな物で賞取れると思ってんの?……まさか一つだけで満足してるんじゃないでしょうね。





……女装猫耳メイドコスプレ焼きそば喫茶にしよう」





「「「「うううおおおおおおおお!!!!!!」」」」



どうやら、僕のクラスは全員どこかおかしいようです。





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