ハーリア・クリル
新キャラ登場です。
俺が両親のもとに駆け出して行った時、地下の街では大騒ぎだった。
沢山の人が、適当な噂を言って、獣人王国が攻めてきた、とか、エリアス王国が大規模魔法の実験をしている、などだ。そのため、地下では大騒ぎだった。
抵抗軍は軍を出すことになった。
其処には、シルフィアの姿があった。
シルフィアは、剣の腕を買われて参加することとなった。
やる気に満ちた顔で、親の横に立っていた。
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俺は、家に着くと親に爆発が見えたと説明した。
両親は、基地に向かった。
俺は、爆発のあった東側に1人で向かった。
お気に入りのアダマンタイトの剣を手にして…
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俺が森に入って、爆発の方向に向かっていると、人が立っているのを見つけた。
その影には、2つの耳が見えていた。
俺は、さっきの爆発はあの獣人の仕業だと直感的に思った。
剣の柄に手を掛けて、獣人の前に進み出た。
その獣人は、女性だった。ウサ耳を持ち、曲刀を腰にさしていた。
そのギャップが凄まじかった。見た感じだと20代くらいの美人だった。
彼女は、俺に話しかけた。
「貴方は、人族なの?」
「ああ、そうだ。ここに何をしにきたんだ?」
「強い魔物を斃しにきたのよ。」
「さっきの爆発はお前の魔法か?」
「ああ、オークキングに襲われた時に歯が立たなくて火の魔石を解放したのよ。」
「オークキングってそんなに強いか?」
俺は、自分がシルフィアと一緒に斃した時のことを思い出して言った。
「ええ。とっても強かったわ!」
「俺は、二人で斃したんだがなぁ…。」
「あんた、斃したの…。」
「心の声が出てしまった……。」
「何よぅ。建前なんか使おうとしていたの?」
「・・・」
「まあいいわ。貴方が強いというなら勝負しなさい!ああ、リアの名前は、
兎人族最強の剣士 ハーリア・クリルよ。」
「えっ、勝負ですか?」
「ええ、リアは自分より強い人に仕えたいのですわ!貴方が、その人に相応しいか判断してあげますわ。」
「俺は5歳なんですが…。」
「年齢なんて関係ないわ!」
2人は、剣を抜いた。俺は、お気に入りのアダマンタイトの剣を、ハーリアは、日本刀のような曲刀を抜刀した。
2人は、同時に距離を詰めた。ハーリアの上段切りを横に避けた、其処に向かってハーリアの二撃目が、飛んで来る。それをいなした俺は、ハーリアを袈裟懸けにせんと反撃に転じた。それを横に避けたハーリアは、一度距離をとった。
「あんた、その腕なのに5歳なんですの?」
「ええ。正真正銘の5歳です。もう少しで6歳になります。」
そんな会話をしながら打ち合っている2人は、笑っていた。
ハーリアが、此処で決めると言わんばかりに大上段で、振り下ろしてきた。
それを俺が、曲刀の横に回り峰を身体の反対側に向けて振り下ろした。するとハーリアの曲刀が、地面を斬りつけた。
俺が刃を斬り返しハーリアの首に突き当てるように寸止めをした。
「こーさん。あんた強いわね〜。ねえ、リアを連れて行ってくれない?師匠〜。」
「師匠はやめて下さい。ハーリアさんは、人族が嫌いなんじゃないですか?」
「リアは強い人について行くのよ。種族なんて関係ないわ。あと、さん付けと敬語はやめよ。」
「獣人王国と敵対する事になっても?同族相手に殺しあえるの?」
「勿論よ!師匠と一緒なら世界だって敵にしてやるわ。」
「ついてきたら国に帰れませんよ。」
「良いのよ。村は、隣の虎人族に皆殺しにされたんだから。」
ハーリアは少し落ち込んだようだった。
「師匠が、獣人王国と敵対するなら私にとって好都合だわ。」
「わかった、じゃあ宜しくな、ハーリア。」
「リアと呼んでくださいな。」
「わかった。じゃあ村に行こうか、リア。」
「はいっ!」
2人は、村に向かって歩き出した。
読んでいただき、有難うございました。
今後も『大地の魔術師』を宜しくお願いします。