ルークレイアス
俺の名は、ルークレイアス12歳で、雪のように真っ白な白髪、雪解け水のような澄んだ碧眼だ。仲の良い人には、ルーと呼ばれている。ルクシア抵抗軍のメンバーの子供だ。
両親は、現在作戦のために外に出ている。
俺は、剣の練習をしている。剣が空気を切る音が心地よい。
「何してるの?」
横から、同い年のシルフィアが話しかけてきた。
シルフィアは金髪碧眼の美少女だ。
「練習だよ。」
「へ〜。ねえ、今からゴブリンを斃しに行かない?」
「別にいいよ。」
シルフィアと一緒に村を出て、少し歩いた。
暫くすると、前からゴブリンが2匹出てきた。
「俺は右のやつに行くぞ」
「は〜い。」
ゴブリンが、鉄塊のような剣を振ってくる。
それを、剣を傾けて流して、空いたゴブリンの腹を切り裂いた。
横では、シルフィアがゴブリンを真っ二つにしていた。
「剣の腕で、俺はシルフィアに勝てないな〜。」
「もっと差をつけるよ。」
そんな話をしていると、ウルフが出てきた。
ウルフは、動きが素早くて攻撃が当てにくい。
「2人で、行くよ〜。ルーは、ウルフを引きつけて。」
「オッケー。」
俺が、前で引きつけている間にシルフィアが横から、剣を横に振って、ウルフを上下に切り裂いた。
「休憩しよっか。」
「そうだね。」
休んでいると、地面が揺れ出した。
「何だ。地震か?」
「違う。これは何か大型のモンスターじゃないかなぁ」
そこには、4メートルくらいの大きさのオークがいた。
オークは、俺達を見るなり斧を振り下ろしてきた。
「よっと。」
シルフィアが、オークの側にまわって斧を持つ手を切り落とした。
「任せろ!」
俺は、高く跳んでオークの首を切り落とした。
「帰ろっか。」
「うん。」
2人で、村へ帰った。
帰る途中に、ウルフを3匹とゴブリンを10匹倒した。
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村に着くと、日は傾いていた。
「じゃあね、ルー。」
「じゃあな。」
シルフィアと別れて、家に帰った。
家に着いたが、家はもぬけの殻だった。
「ただいま…」
夕食を食べて、ベットに入った。
「明日は帰ってくるかな…」
疲れていたので、泥のように眠った…
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気がつくと、俺は森の中に1人で立っていた。
「ここはどこだ?」
耳に、耳と言うのは正確ではないかもしれない。何かノイズのような音が聞こえていた。
何だろう。と、気にしていると目の前に大きなデーモンウルフが2匹いた。
デーモンウルフは、体長2メートルくらいの魔物である。
抵抗軍のエリートが、3人がかりでようやく斃せる強さだ。
今のルークレイアスでは、倒せない。
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襲われる。と、思ったらいつの間にか、天井が見えていた。
「夢か…」
ルークレイアスは、ホッと胸を撫で下ろした。
「今日も、練習を頑張るぞ!」
そして、剣を振っていた。
シルフィアが、俺のところにやってきた。
「ねえルー、模擬戦しよ〜」
「お前、戦闘狂か?」
「違う!」
軽口の応酬をしながら、模擬戦を始めるために、ルクシア抵抗軍の訓練場に2人は向かった。
「おっっちゃん、審判をやってくれないか?」
近くにいた30代くらいの見た目のの男に声をかけた。
「良いぞ」
2人は、少し距離をとって向かい合った。
「始めっ!」
開始と同時にシルフィアとの距離を詰めた。
「やっ!」
シルフィアを袈裟懸けにしようと。剣を振り下ろす。
「えいっ!」
シルフィアがそれを迎え撃つ。
鍔迫り合いになった。
「ルー強くなったね〜」
「お前、余裕そうだな。」
「まだまだいけるよ〜」
一度距離を取ろうと後ろへ飛んだ。
シルフィアは、そこに追撃を加えてきた。
それをいなすと、シルフィアも距離を取った。
次は、シルフィアが距離を詰めた。
それを流して追撃を加えようとしたが、シルフィアが横っとびに避けた。
俺がさらに距離を詰めると、シルフィアが、下からの斬りあげで迎え撃つ。
すると、俺の剣が力に負けて、飛んでいった。
「やめっ!」
抵抗軍のおっっちゃんの仲裁が入った。
「2人ともすげーな。もう、抵抗軍並みだぜ。」
「「ありがとう」」
2人は、訓練場を後にした。
「楽しかったね、ルー」
「また負けた…」
ルークレイアスは落ち込んでいた。
2人が、広場を通ると、何やら騒ぎになっていた。
抵抗軍の司令官が、大声で何か言っていた。
「ハイオークの群れが現れた。戦えるものは、南の門に集まってくれ!」
2人は、頷き合い南の門に向かった。
門の前には、抵抗軍のエリートや、村で、剣の腕は一番だと言われているオルガーという名の40代男もいた。
ハイオークの群れのゆっくりとした足音が、南の門に響いた。
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