夏の思い出
小学一年生の夏休み
初めて母の実家のある宮崎県に行った。
大人になった今、考えると驚きだが、母が愛知県で結婚して初めての里帰りだったらしい。
父は仕事のため残り、母と兄二人と私の四人の旅でした。
初めて飛行機、
高所恐怖症の母と兄二人、高所平気症の私、私は怖がる三人を見て笑ってしまった。
そんな私たちを迎えてくれた宮崎県の叔父と叔母といとこたちは優しい人たちだった。
宮崎弁で何を言っているのかわからないことが多かったが、
川遊び、
私はそれまで川で泳いだことなどなかった。
川で泳ぐということ自体が驚きで、また宮崎県の川の大きさにも驚いた。
愛知県にはあんな大きな川はありません。
そして、空気のおいしかったこと、
自然の美しかったこと、
食べ物もおいしかったこと、
ただ楽しかったことだけを覚えている。
一つを除いては。
楽しいことばかりの旅だったけれど、唯一がっかりしたことがあった。
それは、何も知らないお馬鹿な子供の私が、一つ大人になった瞬間でもあった。
「今日は車で遠くまで遊びに行こう。鬼の墓に連れて行ってあげる。」と言われて喜んでついていった。
「鬼の墓」
まんが日本昔話で鬼は何度も見ていた。
鬼の墓って、墓があるっていうことは実在したのかな?とわくわくどきどきしていた。
その途中、
「鬼の洗濯岩」
というところを車は通り、母は「これが鬼の洗濯岩っていうところだよ」と教えてくれた。
ご存じでしょうか。
いやいや、失礼しました。とても有名ですね。
大きな大きな岩があり、そこで鬼が洗濯したといわれているところです。
それを見た私は、「鬼って、やっぱり大きいんだ」と勝手にウルトラマン、ガンダムのような大きな鬼を想像していました。
そして着いたのは、「鬼の墓」のある西都原古墳群、その頃はまだ今のように整備されていませんでした。
古墳は埋まっているので、地上は芝生が植えてある、ただ広いだけの公園だったんですね。
古墳は、当たり前ですが、墓なんですけど、人々はその上を走りまったり、ドッチボール、ゴム飛びをしたりしていました。
私は車の中で、「きっと大きなお墓があるに違いない」とあの洗濯岩で洗濯をするのなら、ウルトラマンくらいの大きな鬼がいたはず、大きな鬼が埋まっているのだからその墓はとても大きいはずだと、期待に胸を膨らませていました。
「さあ、これが鬼の墓だよ」と言われたのは、
残念ながら、小さかった。
とてもウルトラマンが埋まっているような墓には見えなかったのです。
たぶん埋まっているのは人間だ。
私のテンションは下がりまくり、その公園は面白くなかった。
「やっぱり漫画に出てくるような鬼っていないんだな」と一つ大人になりました。
※小学一年生だったので、大きな古墳に一人が埋葬されていることもあるっていうことは知りませんでした。
読んでくださって、ありがとうございました。m(__)m




