第2話
とりあえず聞きたいことは色々とあるが、まずはここはどこなのか、なぜ俺たちはここにいるのか。それを聞こう。
「単刀直入で悪いが、ここはどこでなぜ俺たちはここにいる?」
「……ん〜?」
…なんか、俺のことを見て驚き、いや困惑してないか?
もしかして、あいつも俺たちみたいに気づいたらここにいた奴なのか?
いや、それはおかしい。
俺たちと同じなら、あんな登場の仕方出来ないだろうし、何よりも後光差してる時点で全く違う存在だということは分かる。
と、そんなこと思ってたら登場した時を逆再生したみたいに消えてった。
「なんなんだ、あいつ」
あ、そういやあの女、もとい悪魔はどうしたんだ?
さっきの神みたいな奴が出てきた時は、興奮してたみたいだけど結局何も行動してないしな。
チラッ。
隣を見てみればアラ不思議。
足に力入れまくって、今にも神がいたところに飛び込みそうな体制になってやがる。鼻息も荒いし。
なに?もしかしてさっき興奮してたのって女としての興奮なの?
ヤダ〜!なら俺も狙われちゃうんじゃないの〜?
しょうがない。正直、電波女はキツイけどここは男としてドンと迎えてやるか!
ぽんぽん。
女の肩を叩いて一言。
「俺の胸貸してやるゼ」
(キ、キマッタ〜。これで、念願の初彼女が…)
すると、振り向きざまに胸への掌底突き、からの後ろ回し蹴り。律儀に胸に放り込んできた。
「グ、ぁ…」
(い、息が)
思わぬ即死コンボに膝から崩れ落ちてしまった。
「な、何すんだよ…」
「はぁ?あんたが胸貸してくれるって言うから、ありがたく使わせて貰ったんじゃないのよ。
文句あんの?」
こっちがはぁ?だよ。文句ありまくり三助だわ。
もしかして、これをあの神に喰らわせたかったのか?
正気とは思えんな。
とにかく、こいつに見下されるのは癪なのでなんとか立ち上がる。
「あのセリフで、どうしてサンドバック宣言してると思うんだよ!頭おかしいだろ!」
「使い魔なんだから、そういう役割なのは当たり前でしょ!」
「俺は使い魔なんかじゃねー!てか、いつからそんな設定作ってんだ!」
「この場所に来れてる時点で、アンタは眷属もしくは使い魔なのは決定してるのよ!」
「はぁ⁉︎」
「で、アンタは使い魔ぐらいが丁度いいから、使い魔って事にしたのよ」
何を言ってんだこの女。だが、もしかしたらこの場所についてなにか知ってるのかもしれない。
僅かな可能性に賭けて聞いてみる。
「その様子だと、この場所についてなにか知ってるんじゃないのか?教えてくれ」
「はぁ?知るわけないでしょ。初めて来たんだから」
…これは、断じて俺は悪くない。こいつが悪いんだ。
そう自分に言い聞かせる。
「てか、アンタのせいであいつに逃げられたんだから、責任取るってことでいいじゃない」
納得いかないが、これ以上無駄な労力を使いたくないので、なにも反論しないでおこう。
とりあえず、あの神らしき奴がいたところを調べてみようか。