表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

群れる仲間が増えたのに、

「君の時は咲だったけど、新しいあの子は…君、だからね。」


何を見ればいいんですか?


佳祐は、

サッカーボールのキーホルダーがついたチャリキーをぶんぶん回しながら、さも慣れたように答えた。

「歩き方とかは俺が見る。君には…“実況”をしてほしい。」


は?

俺の入部テストを思い出した。

ただただ煩い後ろからの声だった。


あれをやれって言うんですか?


半信半疑、いや7割程、冗談だと思っていた。が、


「実況…近年始まったこの『きたばと!!』において公式実況はましてここらの地方大会まで来ることなんてまず無い。」


…言ってることが半分判らないが聞き流す。


「他校同士のきたばとなら実況をする機会がある…かもしれない。やれるようにしておけよ。」


佳祐がニィッと笑って進む。


今日の帰り道は、思ったより長かった。

いや、長いんじゃない。

距離としては短いが、道筋が長いんじゃ。

入り組んだ路地が続く平坦な道。

慣れてなければ迷ってしまうだろう。


ーーあいつが緑の塀のある狭い路地に入った時、

あいつの、あいつを追っている俺らの後ろから、

場違いな白い軽トラがやってきた。


「歩道に入れば、なんとかなるか…」


佳祐がそういって、車を通した。


「…はい。」


…ぎこちない足取りで歩道に詰める。


「…はい。」


はい?


「お仕事はー?こんなところで車だよー?」


あ、あぁ、ウシロカラ、クルマダアア!


…見ればわかるだろ、と、自分に突っ込んだ。



ーー自分が勝手に一人漫才してる間だったらしい。


それを見て、ただ佳祐は

すごいじゃないか、

とだけ、呟いたのだ。


ー白い軽トラ。

荷台には草束。

荒れた運転。

唸るCO2排気口。

迫るその白い悪魔、とでも言っておこう。


ーあいつは迫るその白い悪魔を

振り向かず、そしてさもスムーズに端に摺った。


ただの横歩きだろう。

ほんとに、ただ、ただの横歩きだ。

しかしなんだろう

妙に綺麗で、一瞬のはずなのに、


鮮明に記憶が残る様な…


「時間冷凍…」


時間冷凍!?

なんだなんだ!?

厨二病的なアレか!?


思わず出たかっこよさげな言葉に、中3で捨てた厨二病に、

ちょびこっとだけ火が着いた。


「いやまぁ、即興で俺が考えたんだけどな?」


の言葉を聞くまでは。



かくして入部テスト兼ね実況を終えた。


「…克己君、時間冷凍お見事だったよ。君は合格だ。」


ほらほら、時間冷凍…?

って顔してる。



そう、克己はあの帰り、

帰宅部に入部する決意をした。

ーーある想いと共に……


…今日も咲は用事か。


少し明るい空の下。


昨日の暮れ見たオレンジは


冴えない僕の両の目を


まだ、静かに照らしてた。

みなさんこんにちは、

福神漬けです。


いやぁ、投稿ペース保つのってすごいっすねぇ。

やる事多くて結局、後回しになっちゃいます。

楽しみにしてる方々、不安定ですんません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ