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恋する乙女は気まぐれで、

『好き…です。』


『つ、付き合って…くれませんか?』


「えと…ごめんなさい…」


『…あぁ、そうだよね。こんな忙しい時にごめん。』


「こちらこそ…ごめんなさい。」


『…好きな人とかいるの?』


「そう…です。」


『あ、ああ、そうだよね。お互い頑張ろう!』



咲が標準語で話している。

てかお互い頑張ろうってなんだよ。

いや好きな子って誰だよ…

…予想はついてる。


「…。」


それにしても校内最速じゃないか?


「…。」


…………………あ


「…見てたの?」


え、あ、見た…んじゃなくて…

目に…映った?って感じ!うん!


「……見てたの?」


はい。


「もー、見せもんちゃうんやお?」


イケメンだったぢゃん?


「…別に、興味ないっ…からっ。」



俺だけに話す方言混じりの言葉。

俺だけに見せる揺れる頭の尻尾。

俺だけに……。


これくらいにしておこう。

それにしてもまだ1ヶ月経ってないぞ?

そんなに周りがジャガイモ畑か?


主題がズレたな。


ーー咲は放課後、告られた。


ホモじゃないけど悔しい。

自称好みが可笑しい俺でも、流石に可愛いと思う。


~30分前~


夕焼けに返るオレンジの目。

輝かせながら威勢良く、


「克己来たよー!帰るでー!」


少し訛り過ぎに言ってくる。


部活か?

新人戦の前に課題テストがありますから…(爽やかに泣)


「おつかれー!」


おつカレー


「待たせてごめんなぁ…」


はいはいはい克己は応用クラスで7時間目講座があって我ら普通クラスの倍ほどの課題量を出されますねはいでもそれでも克己くぅんは僕より早く終わらせてへへっとか笑うんだよねいやいいんだよ別に俺が神様に愛されてなかっただけって意味だから許すとかの問題じゃないよ?(2秒)


あぁ、待ってないぜ、帰ろ!


「ん?ぶっきらぼうだなw」


もはや会話にwが見える。

余裕か、人生余裕なんだな。



「ええなぁ克己は応用でー」

「いやぁ、勉強辛いって!」

「でも克己は頭ええやん」

「そんなことないってー」

「今度教えてーよー」

「お、おう!了解だぜ!」



そして最近、こいつら仲がいい。

なんだよ克己

『お、おう!了解だぜ!』って、

ちょっとキモチワルイ。


そして俺は思い出した。

日直なのに戸締りしてない。


ごめん!先行ってて!すぐ行くから!


2人に声をかけて教室に向かう。

先行ってて…咲行ってて…

くだらないダジャレが脳裏に浮かんだ瞬間、突然咲が口を開いた。


「あっ!!ごめん!」



「ウチも呼び出されてた!ありがとたかなっち!」


そう言って走っていく咲。

取り残される克己。

なんか感謝された俺。

取り残される克己。

…はい。

そこで見たのです。

教室から帰ってくるとき、

階段の裏で見たのです。


「ごめん!待った!?」


『あぁ、全然…今来たところ。』


デートのテンプレかよ。

とも思ったが、直感で告白だと察した。


「…見せもんちゃうんやお?」



いつの間に聞こえた咲の声。

その目はどこか寂しそうな感じがする。



ーーその日の帰りは、咲がいなかった。


「寄るトコあるからぁ」と、

途中で分かれた。


咲の事で2つ、考えていることがある。

1つは、さっきの事。

寄る所はどこだろう。

また誰かに告白されるのかな。

もしかしてもう彼氏がいても…


あることないこと全部考えてしまう。

咲はーーー。


そして2つ目、それは…


「おい、どうした?」


…こいつ。

克己だ。


「大丈夫か?」


だって絶対…

絶対さぁ…


「おい、返事くらいしろよ。」


咲の好きな子って

絶対こいつじゃん。


「た・か・なっ・ち!!」


ほぇ?!へぁ!はい!!


「どうしたんだよ、下ばっか向いててさ。」


それは…お前のせいだよ!

と、心の中で呟く。


「相談あったら言えよな。何でも聞くからな!」


なんでも聞くんだ…

聞くだけ聞くんか……


「あと、俺の相談も聞いてくれよなっ!」


一言返事して、つくづく自分が嫌いになる。


「お、いいの?じゃあ…」


あれ?これってまさか…


「早速相談したいんだけど…」


嫌な予感が…


「咲の事…」


ああ…


「どー思う?」


あああああああああああ……


克己は真面目に聞いてくる。

そして畳み掛けるように


「なんだったら帰宅部への転部も考えてる。」


ーーーああ。


「だから、意見を聞かせて欲しい。」


強がり。

消え入りそうな言葉でなんとか言えた。


可愛いんじゃない?


すると返ってくる意外な言葉。


「は?どこが?」


え、全部。


「はぁ!?お前大丈夫か!?」


えっ?


「ええっ?」


沈黙が続く。

先に話したのは克己だった。


「ほんとに…大丈夫か?」


驚愕して強がりも何もない。

ただ、

咲は可愛いだろ。

それしか言えなかった。


「咲…?」


おい克己…お前、名前まで…


「なんで咲が出てくんだよ?」


へ?咲の話じゃなくって?


「あぁ!違う違う!さ̄っ̄き̄の話!」


理解するのに3秒かかった。

これじゃあ俺の

“神様に愛されてない説”

を提案するよりも長い。

そして何よりホッとした。


俺は‘咲’と‘さっき’を聞き間違えていたんだ。

そしたら疑問。


さっきの話って?

慌てて克己に聞き返す。


「聞いてなかったのか?まぁいい。部活の事でさ…」


どうやら上手くいってないらしい。


あの克己が、レギュラー以前、ベンチ入りも難しそうだ。


こんなことで高校3年間を棒に振るなんて

克己には考えられない。

そもそも、克己の気持ちを考えたことはなかった。

克己は今、何を思うだろう…


そして聞き流していた事がもう一つ。


『なんだったら帰宅部への転部も考えてる。』


ほんとか?克己。


「だってお前と咲、楽しそうじゃん。」


楽し…そ…う?


「すっげぇ楽しそう。」


俺と…咲が?


「どうした?」


そうか、俺と咲は楽しそうだったのか。


「大丈夫か?」


友の声を聞き流し、やがて分かれる。


今日は1人で帰る道。


明日は揺らいで開く未知。


オレンジ色の空の下、


落ちる夕日に、烏が鳴いた。

みなさんこんにちは、

福神漬けです。

突然消えてごめんなさい!

書き溜め+課題が大変でございました。

また同じ様なペースで再開できそう

なので、頑張って行きたいと思います。

また近々、機種変もするので

その内に沢山出しときます

コレカラモヨロシーク

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