表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

まるで海辺の人魚のように

部の練習は、熾烈を極めた。

咲もマネージャーとして合格しただろう。

ー別に驚いた訳じゃないが…。

それより、衝撃的だったのが

佳祐が隣に住んでた事だ。




3往復!?


帰宅ルートを3往復。

学校から家まで40分。

家から学校までは自転車で行くとして、20分。

つまり往復60分

最後の帰宅でそのまま解散なので、

60+60+40…

時間にすると2時間余り40分。


ーー結構ハード…


まさかの佳祐が隣家なので、

帰宅のポイントや歩き方のコツをよく教えられる。


あぁ、咲と馴れ馴れしいのもそうだったからか…


「知らなかったの?」


ー咲にはいつも考えを見透かされる。

実は魔術師なんじゃ、と思うくらいに。


知らなかったよ。


気さくなく、不満そうに答える。

地図としては、俺家と咲家の間に佳祐家があるから。


はいはい、嫉妬じゃありませんー。


…佳祐と歩いている内に分かった事も沢山ある。


川のせせらぎ

信号機のクセ

白線のズレ

若干の傾き


きっと佳祐は、もっと知ってるんだろう。


先輩。


教えてください。


佳祐が帰宅中にこっちを向く。

「なんだ?経過タイムか?」


咲と、どんな関係なのか。


これだけ引っかかっていた。

たったこれだけ。


「彼女。」


「って言ったら悲しい?」


まぁ、彼女ではないだろう。

その自信は、ちょっとの先入観と願望から。


「なんてね、近所の友達。」


ほら見ろ、彼女なわけが無い。

ごめんなさい、帰宅中に私語でしたね。


そして2回目の帰宅が終わる。

ちゃんと家には、自転車が置いてあった。


ーー咲か。


マネージャーとは大変である。

2年生2人と咲だけで、

大体15人くらいの部員の手伝いをするのだ。


ー何を手伝うのかって?


例えば、自転車。


自転車で坂を下りながら考える。

学校に着いたら咲達がこれをわざわざ家に置いてくれる。

こうして、エンドレス帰宅が実現可能となるのだ。


佳祐のもある。

2年のマネージャーだろう。


名前は覚える必要がない。


なぜかって?


咲がいるから。


あぁ、もう言い訳はいいか。



咲が好きです。


昔から幼馴染みだぜ?

んで、超可愛い。

茶髪のポニーテール?って言うのかな?

なんか女の子っぽい。

いつから異性として見てたかな。

まぁ、とりあえず、

咲が好きです。


ーーー言うつもりはないが。


学校に帰ると(帰ると言う表現がおかしい)

またあの笑顔を向けてくる。


…脆い青春の1ページ。


はい!それはそうと、1年生に見せたいモノがあるらしい。

最終帰宅の前に、一旦収集される。

そこで見たもの…


1枚のDVDが挿入される。


ーー帰宅バトル。



いやいやいやいや、


待て。


帰宅バトル?!


…大勢で見るにはちと小さいTVから、白熱の実況が流れる。


『インコース!無駄のない動きで

簗場農業の前陸、技術及び芸術点を獲得!』


どうやらカメラワークが追っているのは2人。

去年、夏の高体連。

優勝したのは私立醒ヶ井。

俺含め新入部員全員が口を開けたまま、目を丸くしている。


「これが帰宅バトル。略称、きたばと。」


帰る先輩の中、1人残った佳祐が言う。


「君達にはまず、GWにある新人戦に出てもらう。

どうかな?ヤル気出た?」



そのまま部活は解散。

確かに、ヤル気は出た。

そして思った…


優勝s……


「一緒に帰らへん?」


突然に聞こえてきたのは咲の声。


断る理由?

ないない。


今日もオレンジの空の下、

大好きな人と

一緒に帰った。


見守る部長の存在を忘れて。

みなさんこんにちは、

福神漬けです。

ちょちょちょちょっと時間がないので

また今度!

ゆっくり話をしましょう!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ