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「変わる』

「捷護、咲…おはよ。」

「おはよう克己ぃ!」


おはよう。


考え事をしていた。


そして、学校に着くまで、いや着いてからも…

ずっと…ずっと考えてたんだ。


よく分からないあの部活の事を。


そして仮入部の時間はやってくる。

咲が何故か俺を見てる。


いやいや何で意識してんだよ。

馬鹿か俺。

いや別に好きとかじゃねーし、

知り合いがいねーからだし。


…って、言い訳を考えてる内に話は終わってた。


江野 佳祐…

聞いたことすらない

何中だ?


『それではみなさん…


あ、江野 佳祐

もう佳祐でいいや


『チャリキーを回収します。』


は?初日といい、これといい、

頭湧いてんじゃねーか?


咲がこっちを見て笑う。


変な事考えてる時って俺、

変な表情になってるのかな?


心の中の疑問をかき消し、

なんとなく佳祐の命令に従う。


『集まった?あ、まだ?ほいほい、さんきゅー』


オマケにこのフレンドリーな感じ…

三年生としてのプライドは?


「2年生だよ…」

咲が耳元で囁く。

突然の言葉に体が硬直し、

耳も反らしてしまった。


今日はどうした俺?


どうやらなつめっちは俺の考えが判るらしい。


そこはともかく、2年の佳祐が口を開く。

さぁ次はどんなキチガイトークが飛び出すのだろうか…


『…じゃあ皆、今から』


今から?


『帰れ!』


帰るっふうぅぅうぅ!


キチガイが伝染してしまった。

そうか帰るのか!

よーしレッツエンジョイ帰宅!


…馬鹿じゃないのか?


チャリキー奪っといて?


帰り40分だぜ?


まさかのトホォ?


あぁ、咲がまた笑ってる。


マネージャーにはなれたのだろうか。


いいよ、帰るよ。


校門を出た時に初めて、第一難関に気付く。


…荷物が重い。

よく考えたら今日の授業は全部教科書使うわ…

はっ!テニス部で鍛えた俺の足腰を見よ!


見よ…というのは空想ではない。

見てるんだ。佳祐が見てるんだ。

絶対後ろにいるのは佳祐だ。

監視?よりによって部長が?

なんだ?期待のダークホースってか?


そして僕は


青だった信号を渡り

サァ!シンゴウハウンヨクアオ!イソガズアセラズレイセイダ!


(恐らく)佳祐の煩い実況を聞き流し


克己と別れるべき場所で直進し

ココハ?マッスグススムゥー!


橋を越え

ドウドウト!ミチヲワガモノトシテイルゥ!


長いストレート

ココデハテンポイイアシブミダァ!


神社を左に

オイノリオイノリィ!


辛いけど坂を上る

ラストスパァァトダァー!


走ってやったよ


そして家に着く。


やっと家に着いたぁ…


…そして?


何すればいいんだ?

とりあえず佳祐を探す。

ついてきた筈だ。


ーあぁ、いた。


そして告げられる合̥格̥の二字。


反射で返す規律のある返事。


合格…って事は…


僕は、ここに至ってようやく立場を理解した。

入部試験だったのか…

入部試験だったのか!?

テニス部に行く気だったぞ!?


佳祐の後ろから咲が顔を出す。

「ね?良かったやろ?」


続けて佳祐。

「歩き方に筋が通ってた。

帰宅コースも魅力的だし、

最後のダッシュは面白かったよ。

咲、推薦は確かに正解だった。」


推薦?

だから部長だったのか。

そしてまた笑う咲。


こうしてまた空にオレンジの支配が迫る。

毎日この時間は存在する。

そのことに何も変哲はない。


そしてやってくる次の朝。

佳祐に返してもらったチャリキーを握る。


今日が始まる。

変哲のない1日が。


いや、ある。

変哲あった。


ーわぁったよ。


ぶっきらぼうに言った言葉で何でもない1日が変わる。

その後の変革は無限であろうが、変わるのは一瞬である。


あ…自転車。



「捷護、咲…おはよ。」

「おはよう克己ぃ!」


おはよう。


変わった1日もそうでない1日も始まりは一緒。


「あれ?捷護、チャリは?」


ー学校さ。


悲しい?いや、ちょっと嬉しい。

だって、

帰宅部に入部したんだもの。

みなさんこんにちは、

福神漬けです。

なんやかんやで3話目です。

2作品同時進行になると厳しいですね。

まぁ、頑張りますが。

それと、今回の題名、「変わる』なんですが、

理解出来たでしょうか。

こんな遊び心満載なので、

よく読んでみてくださいね。

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