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貧民出身の俺、王立剣術院でただ“素振り”してただけなのに最強の剣士になっていた~姉妹を救うため成り上がる~  作者: シラセユウ


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交差する剣

張り詰めた空気。


観覧席のざわめきすら、遠くに感じる。


目の前には、レオン。


さっきまでとは違う。


完全に“本気”の顔だ。


「ここからが本番だ」


そう言った直後。


――来た。


速い。


さっきより、さらに一段。


「っ……!」


ギリギリで受ける。


重い。


いや、さっきと“質”が違う。


鋭い。


一撃一撃が、無駄なく殺しに来てる。


「どうした」


レオンの声。


「さっきの余裕は」


余裕なんてねえよ。


「っ……!」


二撃、三撃。


連続。


速すぎる。


でも――


見える。


やっぱり、見えてる。


「……なら」


俺も、踏み込む。


スッ――


最小限で避けて、


「ここ!」


反撃。


カンッ!!


弾かれる。


重い。


「甘い」


即座に返される。


くっそ。


やっぱ強えな、こいつ。


「だが」


レオンの目が光る。


「見えているな」


「まあ、ちょっとは」


軽く返す。


でも、もう誤魔化す意味もない。


全部見えてる。


動き。


癖。


次の一手。


「ならば――」


レオンが構えを変える。


深く、低く。


今までと違う型。


「これならどうだ」


来る。


読める。


……いや?


一瞬、遅れる。


「っ!?」


初めて、完全に読めなかった。


ギリギリで受ける。


「今のは……」


「変則だ」


レオンが言う。


「型に頼るだけでは勝てん」


……なるほどな。


正論だ。


でも。


「それでも」


深く息を吐く。


「見えないわけじゃない」


ほんの少し。


ほんのわずかだけ。


遅れるだけだ。


「……面白い」


レオンが笑う。


初めて、楽しそうに。


「なら、どこまでついてこれる」


踏み込んでくる。


速い。


変則。


でも――


「……見える」


今度は、追いついた。


体が、慣れてきてる。


スッ――


最小限で避ける。


カンッ!!


流す。


そして――


「そこだろ」


踏み込む。


レオンの一瞬の“戻り”。


そこを、狙う。


「なっ――」


初めて、大きく崩れる。


でも。


「まだだ!」


強引に立て直してくる。


さすがだ。


ほんとに。


「……でも」


もう、見えてる。


完全に。


「終わりっす」


踏み込む。


無駄なく。


最短で。


振る。


カンッ!!


高い音。


次の瞬間。


レオンの剣が、宙を舞っていた。


――静寂。


誰も、動かない。


「……そこまでだ」


ケッヒル隊長の声。


「勝者――エイゼンシュタイン」


遅れて、ざわめきが戻る。


「マジかよ……」


「レオンが負けた……?」


「あり得ねえ……」


いや、俺もそう思う。


「……はぁ」


力が抜ける。


疲れた。


めちゃくちゃ。


「……やるな」


声。


レオン。


剣を拾いながら、こっちを見る。


悔しそう……ではない。


むしろ――


納得してる顔だ。


「完敗だ」


……え?


あっさり言うな。


「だが」


剣を構え直す。


「次は勝つ」


ああ、うん。


知ってた。


「その時は――」


まっすぐ見てくる。


「逃げるな」


「いやだから逃げないっすって」


ため息混じりに返す。


ほんと、このやり取り好きだなこいつ。


「……ふ」


少しだけ笑う。


それだけで、さっきまでの緊張が少しだけ解けた。


「いい試合だった」


そう言って、背を向ける。


去っていく。


……なんだよ。


かっこいいじゃねえか。


「……はぁ」


空を見上げる。


勝った。


レオンに。


それってつまり――


「……やべえな」


俺、思ったより。


「いけるかもしんねえ」


ぽつりと呟く。


その言葉は――


少しだけ、現実味を帯びていた。

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