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貧民出身の俺、王立剣術院でただ“素振り”してただけなのに最強の剣士になっていた~姉妹を救うため成り上がる~  作者: シラセユウ


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7/8

評価の変化

お読みいただきありがとうございます!


少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。


翌日の訓練場。


空気が、昨日と違う。


「……おい、あいつだ」


「昨日の模擬戦の……」


「マジで強かったらしいぞ」


やめてくれ。


めちゃくちゃ見られてる。


「はぁ……」


だるい。


こういうの一番苦手なんだよ。


静かに棒振ってたいだけなのに。


「おい」


またかよ。


振り向くと、グリードがいた。


昨日の対戦相手。


「……なんすか」


「昨日は……その」


珍しく歯切れが悪い。


「悪かった」


……は?


「正直、舐めてた」


頭をかく。


「見習いだと思ってた」


いや、見習いなんだけど。


「でも、違った」


まっすぐ見てくる。


「強かった」


……なんだよそれ。


「いや、まあ……どうも」


こういうの、どう返せばいいかわかんねえ。


「またやろうぜ」


にやっと笑う。


昨日とは違う顔だ。


「ああ、まあ……機会があれば」


なんとなく、答える。


悪い気はしない。


「……へえ」


横から声。


レオン。


やっぱ来るよな。


「ずいぶんと評価が変わったな」


「……ヴァルハルト」


グリードの表情が少し締まる。


「当然だろ」


「結果を見ればな」


レオンは俺を見る。


昨日より、明らかに目が違う。


「だが――」


一歩近づく。


「それで満足するな」


いや、してないけど。


「昨日のは、あくまで“基礎的な相手”だ」


グリードがムッとする。


「言い方気をつけろよ」


「事実だ」


一切ブレない。


「お前も、こいつもな」


空気がピリつく。


……めんどくせえな、ほんと。


「エイゼンシュタイン」


名前を呼ばれる。


「はいはい」


「今日の午後、空けておけ」


「は?」


「隊長から通達が来ている」


……ああ、嫌な予感しかしねえ。


「“選抜試験”だ」


ざわっ――と、周囲がどよめく。


「は!? 早すぎだろ!」


「まだ見習いだぞ!?」


「しかもあいつ北部出身だろ!?」


うるせえな。


俺が一番びっくりしてるわ。


「なんで俺なんすか」


レオンに聞く。


「知らん」


即答。


「だが」


少しだけ口元が歪む。


「面白くなってきたな」


完全に楽しんでやがる。


「俺も出る」


やっぱりな。


「……マジかよ」


最悪だ。


めちゃくちゃ面倒な展開じゃねえか。


「逃げるなよ」


またそれか。


「いや、別に逃げないっすけど」


「ならいい」


レオンはそれだけ言って去っていく。


……ほんと自由だなあいつ。


「大丈夫か?」


グリードが聞いてくる。


「いや、全然大丈夫じゃない」


即答。


「選抜試験って、あれだろ」


「ああ」


グリードが頷く。


「実力があるやつだけが進めるやつだ」


「だよな」


めんどくささが加速する。


「でもよ」


少しだけ笑う。


「お前ならいけるだろ」


……なんだよそれ。


「期待してるぜ」


肩を叩かれる。


痛えよ。


「……はぁ」


またため息。


なんでこうなるかな。


「――呼ばれてるよ」


振り向く。


リシェル。


「隊長が探してる」


やっぱりか。


「逃げられないね」


くすっと笑う。


「……そうみたいっすね」


「でも」


少しだけ近づいてくる。


「楽しみじゃない?」


「いや、全然」


即答。


「そっか」


でも、どこか嬉しそうだ。


「私は楽しみだよ」


「なんで」


「だって」


少しだけ、目を細める。


「あなたの剣、もっと見れるでしょ?」


……あー、なるほど。


この人、そういうタイプか。


「物好きっすね」


「そうかも」


あっさり認める。


「でも」


小さく笑う。


「好きだよ、ああいうの」


……またそれかよ。


「……はぁ」


なんか調子狂うな。


「じゃあ、行ってきます」


「うん」


軽く手を振る。


「頑張って」


……頑張るかどうかは別として。


とりあえず。


「行くしかねえか」


呟いて、歩き出す。


隊長のいる方へ。


――選抜試験。


剣士への道。


その一歩。


「……めんどくせえ」


でも。


まあ、ちょっとだけ。


ほんの少しだけ。


悪くないと思った。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


少しでも面白いと思っていただけたら、


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今後も更新していくので、よろしくお願いします!

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