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貧民出身の俺、王立剣術院で半年間ただ素振りしてただけなのに“完成された剣”だと見抜かれて最強への道が始まった〜姉妹を取り戻すために成り上がる〜  作者: シラセユウ


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残影

お読みいただきありがとうございます!


少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

風だけが、南門外を抜けていく。


誰も、すぐには動かなかった。



アルスが、ゆっくり眉をひそめる。


「……二人には何か見えていたのか?」



「……はい」


答えたのは、フィナだった。



小さな声。


まだ俺の服を掴んでいる。



セレーナが、そっと妹の肩を抱き寄せた。


「フィナ」


「落ち着いて」



でも。


セレーナ自身も、緊張していた。



レオンが低く呟く。


「空気が変わったのは分かった」


「だが、姿は見えない」



クレイスが静かに目を伏せる。


「過去の記録と一致する」


また、その言葉。



「だから何なんです?」


ミオが、不安そうに聞いた。



クレイスは少しだけ黙る。


それから。


「“白を視認した兵”に異常が確認されている」


「精神錯乱、高熱、幻覚症状」



なんだよ、それ。


俺も見たけど……。



グリードが顔をしかめた。


「おいおい……」


「笑えねぇぞ」



精神錯乱?


マジで笑えねぇ。



クレイスの銀レンズが、こちらを向く。



「だが」


「君は、比較的正常だ」



比較的ってなんだよ。



「いや全然正常じゃないですけど」


「傷めちゃくちゃ痛ぇし」



脇腹が熱い。


ズキズキする。


あの白いの見てから、ずっとだ。



クレイスが静かに聞く。


「白は、君を見ていたか?」



喉が詰まる。



思い出す。


赤い光。


首を傾げる仕草。



あれは。


完全に。


「……見られてた気がします」



レオンが黙り込む。



シンだけが、目を細めたままだった。


「妙だな」


低い声。


「敵意とも違う」



アルスが肩をすくめる。


「余計気味悪ぃよ」



その時。



ケッヒル大佐が、一歩前へ出た。


「本軍は周辺警戒を継続」


「エイゼンシュタインは王城へ同行」


短い指示。



でも。


本軍兵士たちが、一瞬で動き始める。



……すげぇ。


空気が切り替わるのが分かる。



クレイスが静かに続けた。


「地下記録庫を開きます」



レオンが反応した。


「地下記録庫?」



ミオも目を丸くする。


「そんな場所あるんですか?」



「旧王城時代の記録区画です」


「現在は封鎖されています」



嫌な予感しかしねぇ。



アルスが、少し楽しそうに笑った。


「面白くなってきたじゃねぇか」



いや。


全然面白くねぇよ。



俺の服を強く掴み直したフィナが、小さく呟いた。


「……まだ、嫌な感じがする」



セレーナの目が、少しだけ鋭くなる。



リシェルは、ずっと俺の手を握ったまま、黙って様子を見ていた。



……剣士になって。


姉ちゃんたち、取り戻すだけだったんだけどな。



なんでこんなことになってんだ、俺。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


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