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貧民出身の俺、王立剣術院で半年間ただ素振りしてただけなのに“完成された剣”だと見抜かれて最強への道が始まった〜姉妹を取り戻すために成り上がる〜  作者: シラセユウ


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開戦

お読みいただきありがとうございます!


少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。


「――配置につけ」


声が響く。



訓練場とは違う。


広い。



観覧席。


旗。


ざわめき。



「……マジで始まるのか」


グリードが呟く。



「始まってるっすよ、もう」



足が、少しだけ重い。


でも。


逃げる理由はない。



「エイゼン」


レオン。


「死ぬなよ」



「物騒っすね」



「冗談だ」



全然そう聞こえない。



「勝て」


それだけ言って、離れる。



……ほんと、あいつはブレねえな。



「お前もな」


小さく返す。


聞こえてるかは知らない。






「第一試合――開始!」



歓声。


空気が跳ねる。



うるさい。



でも。


妙に静かだ。


頭の中だけ。



「……来たな」



対面。


相手は――



東の剣士。


昨日、当たったやつじゃない。


別のやつ。



でも。


同じだ。


空気が。



「……はぁ」



息を吐く。



手を握る。



棒。


軽い。





「――始め」



動く。


速い。


昨日と同じ。



でも。


違う。



「……見える」



一歩。


ズラす。



スッ――


避ける。



振る。


カンッ!!


当たる。


浅い。



でも。



昨日より、深い。



「……」


相手の目が変わる。



「二度目はねえぞ」


小さく言う。



「こっちもっすよ」


返す。



来る。


速い。


変則。



でも。



「……遅い」


今度は言う。



体が、ついていく。


ズレる。


崩す。


踏み込む。



「そこ」



カンッ!!


弾く。


崩れる。



一歩。


前に出る。


振る。



――ドンッ!!


倒れる。



静寂。



「……そこまで!」


声。



「勝者、エイゼンシュタイン!」



歓声。


遅れて来る。



「……はぁ」



息が抜ける。



勝った。


ちゃんと。



「……やるじゃねえか」


グリード。



「ギリっすよ」



正直。


余裕なんてない。



でも。



「前よりはマシだ」


それは確かだ。



「当然だ」


レオン。


「だが」



来たよ。



「まだ足りん」



「はいはい」


わかってる。


言われなくても。



そのとき。



視線。


上。


観覧席。



黒。


シン。


見ている。



「……」



目が合う。


逸らさない。



「……次だな」



ぽつりと呟く。


聞こえた気がした。


気のせいかもしれない。



でも。



「……上等っすよ」



小さく返す。


誰にも聞こえない声で。



でも。



今度は。


逃げない。



足は、止まってない。


まだ。


前に出てる。

ここまで読んでいただきありがとうございます!


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