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貧民出身の俺、王立剣術院でただ“素振り”してただけなのに最強の剣士になっていた~姉妹を救うため成り上がる~  作者: シラセユウ


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型の正体

はじめまして、またはお読みいただきありがとうございます!


少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

連れてこられたのは、訓練場の奥にある小さな石造りの建物だった。


普段は絶対に近づけない場所だ。


「ここって……」


「特別訓練室だ。見習いが来る場所じゃない」


だよな。


俺もそう思う。


なんで俺ここにいんの?


「立て」


言われるまま中央に立つ。


床には、薄く線が引かれていた。円……か?


「今と同じように振れ」


「いや、だから俺、普通に――」


「いいから振れ」


有無を言わせない声だった。


……はぁ。


なんなんだよ、ほんと。


「えーと……こんな感じで」


軽く、棒を振る。


その瞬間。


ピシッ――と、空気が鳴った。


「……っ!」


え、今の何?


自分でもわかる。


明らかに、今までと違う。


妙に“通った”感じ。


「もう一度だ」


「は、はい」


今度は少しだけ意識して振る。


同じ軌道をなぞるように。


スッ――


さっきより、さらに滑らかに振り抜けた。


「……やはりか」


ケッヒル隊長が、低く呟く。


「な、なんなんすか、これ」


「お前、自覚はないのか」


「ないっすよ。普通に振ってるだけで――」


「それが問題だ」


隊長は一歩近づき、俺の手を軽く叩いた。


「その動きは“基礎”ではない。“完成形”だ」


「……は?」


何言ってんだこの人。


「剣の型というのはな、長年の研鑽でようやく辿り着くものだ。それを――」


じっと、俺を見る。


「無意識でやっている」


いやいやいや。


「そんなわけ――」


「ある」


即答だった。


「そしてもう一つ」


まだなんかあるのかよ。


「お前のそれは、どの流派にも属していない」


「は?」


「見たことがない。だが、理に適いすぎている」


……なんだそれ。


全然わかんねえ。


「つまりだ」


隊長が言う。


「お前は――“誰にも教わらずに完成した型”を持っている」


意味が、追いつかない。


でも、一つだけわかることがある。


これ、多分――


「……面倒なことになってません?」


「なっている」


即答だった。


「しかも相当な」


うわ、最悪だ。


「安心しろ」


全然安心できねえ声で言うなよ。


「お前はこれから、通常の見習い課程から外れる」


「……え?」


「俺が直接見る」


は?


は???


「嫌だって顔をするな。逃げられると思うなよ」


いや、逃げたいに決まってんだろ。


めちゃくちゃ面倒そうじゃねえか。


でも――


姉ちゃんと妹の顔が、頭をよぎる。


「……そ、それで、剣士になれます?」


俺は、聞いていた。


「なれる」


即答だった。


「いや――」


一瞬だけ、口元が歪む。


「“なるしかない”」


……うわ。


これ、ガチでやばいやつだ。


ここまで読んでいただきありがとうございます!


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