第二十一話: 菜々美家族との合流
雅美は、初めての女児向けアニメ浴衣を着て、母親と一緒に家を出た。雅美は女子高生でありながらも、母親と手をつないで歩くことに少し恥ずかしさを感じつつも、その温かさに安心感を覚えていた。
「今日は菜々美ちゃんの家族と合流するのよ」と母親が言った。
「菜々美ちゃん…そういえば、どんな浴衣を着てくるのかな？」と雅美は心の中で思った。
少し歩くと、菜々美の家族が見えてきた。菜々美は、なんと雅美と同じアニメキャラクターの浴衣を着ていた。二人は目が合った瞬間、驚きと喜びが入り混じった表情を浮かべた。
「菜々美、同じ浴衣を着てるなんて！」
「雅美、びっくりしたよ！私もこの浴衣を選ばれたの。」
二人はお互いの浴衣を見ながら、微笑み合った。しかし、すぐに二人の視線はそれぞれの母親に向かった。
「お母さん、どうしてこの浴衣を選んだの？」と雅美が尋ねる。
「そうよ、私も同じことを聞きたい！」と菜々美も母親に問いかけた。
二人の母親は顔を見合わせ、微笑みながら答えた。
「実はね、二人が幼い頃からずっと仲良しだったから、同じ浴衣を選んだのよ。これを着て、もっと楽しい思い出を作ってほしいと思ったの。」
「それに、あなたたちがアニメが大好きなのを知っているから、このアニメキャラクターの浴衣を選んだの。アニメの世界での楽しい時間を、現実の世界でも感じてほしいと思ったのよ。」
その言葉に、雅美と菜々美は一層喜びを感じた。
「そうだったんだ…お母さん、ありがとう。」
「本当にありがとう、ママ。」
二人の母親は、優しく微笑んで娘たちを見つめた。その温かい視線に、雅美と菜々美の心はさらに満たされていった。
「さあ、祭りに行きましょう！」と母親が言った。
「うん、行こう！」と雅美と菜々美は声を合わせて答えた。
雅美は、初めての浴衣姿での祭りに胸を躍らせながら、菜々美と手をつないで歩き出した。二人の心は、これから始まる楽しい時間に期待でいっぱいだった。
（続く）
