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心のままに書いた短編集

もしも、温泉にたまごがあったら〜

作者: RERITO

「ねぇ.....」



 雪がシンシンと降り積もる山の頂上にある温泉宿....そこで、事件が起きた。



「誰かっ!!女湯にたまご入れたやついる?!?」



 そう。おそらく...その行動をとった人は、浅はかな行いだと理解していたかもしれない。


 あえて、女湯にたまごを入れるという所業...そんなこと、私が許せるはずもなかった。



 そして〜...実は、犯人は分かっていた。



「あ....あぁ.....誰だろうな.....その、たまごを入れたヤツ」



 細めた目で、私はその男へと目を向ける。

 わざわざ、平日に時間をずらしてまでして!!入浴客のいない時間帯を狙った....にもか・か・わ・ら・ずっ!!だっ!!



「な〜んで、こんなことしたのかなぁ?私の彼氏ぃ?」


「は?俺だって、決めつけるのは早すぎるんじゃないか?旅館の女将(おかみ)さんがやった可能性だってあるだろっ!!」



「知らないです....」


 小さな声で、ボソッと呟いた女将さんが、背後にいた。



「...........」


「............」



 彼は、知らない私が....言い訳をしてくる可能性を見越して、女将さんを部屋に潜伏(せんぷく)させていたことに...



「い、いやっ!!おかしいだろっ!!わざわざ、なんでっ!!たまごを女湯に入れる必要があんだよっ!!」


「.......真相は...こうよ。あなたは、私のことが好きすぎて、私のエェキィスゥが入った温泉卵を食べたいと望みすぎた余りっ!!この、TAMAGOを入れたんでしょっ!!」



「じょ....じょ....冗談よせやい!!普通の温泉たまごを作ればいい話だろぉがっ!!」


「........つまり.....私のエェキィスゥ....は.....食べたくなんか....」



 ちょっとだけ傷つく。分かっていた。この男は、私には微塵も興味なんかないと...



「破局よ....」



 サラバ....彼氏.....サラバ....卵.....



「きっと....次の彼女は....たまご.....認めてくれると....いいねぇ.....」



 涙が、空に舞う。



「お...おい!ま、待てよっ!!そもそも、たまご なんか入れてねぇよぉ!!」



「たまご美味し...」


 そっと、トロトロのたまごを口にふくみ、この男女の背後を静かに見守っている女将だった。



最初から最後までなにこれ....w


笑えたら...笑えたら....これ、笑えるかなw

とにかく、読んで頂きありがとうございますw

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― 新着の感想 ―
[良い点]  深読みすると女将さんも含めて、いろんな意味で良い味のしそうな温泉たまごですね。入乗客は、入場客か入浴客かな?     
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