別働隊ミーティング
怖そうなおじさんやお兄さんが部屋に集まっている。
出陣する前に別働隊の顔合わせがあるということで別の部屋に連れて行かれた。
正方形の部屋で、池田お義父さんが出入り口から一番遠い一辺の真ん中あたりに座る。ワイはその横の頂点あたりに。両サイドの2辺は怖そうな人たち。
ワイ 義父
怖兄 優おじ
怖 怖
怖 怖
怖 怖
怖 怖
怖 怖
怖 怖
入り口
そして何やら誰を大将にするかを話し合っている。
怖そうなお兄さん
「孫七郎殿が大将を務めるのかと思っておりましたぞ」
あ、やばい。ワイに話が振られそうな流れ。とにかくごまかすから黙っててよいとは聞いている。
比較的優しそうなおじさん
「孫七郎殿が羽柴殿から与えられた兵9000は別働隊の中では最大。道理から言えば孫七郎殿が大将であろう」
池田さん
「しかし羽柴殿の要望でワシと行動を同じくすることにあいなった。手柄を立てさせたいのであろう。孫七郎殿の兵もワシが預かる」
いや手柄よりも命って言ってたよ。
ってかワシって言うんだ、池田さん。普段は。
怖兄
「そうなるとお父上と合わせて14000の兵となりまする。お父上が大将ですな。誰も異論はございますまい」
え、いまお父上って言った?
池田さん
「しかしワシはこの作戦の提案者として第1隊で出陣することが決まっておる。」
池田さん普通に答えたけど、このお兄さんお宅の息子さんなの?
池田さん
「羽柴殿もそれは承知。最前線の部隊に大将を置くわけにはいくまい。ゆえにワシは堀殿に大将をまかせたいと思う」
比較的優しそうなおじさん
「拙者にござるか? 拙者の兵は3000。格から言っても兵力から言っても及ばぬと思われるが」
池おじ
「堀殿は戦上手ゆえ適任と思うておる。後ろから冷静に我らの手綱を引いてくだされ。部隊が別れておるときはそれぞれの部隊の将が行動を決定し、そして全体の最終判断は堀殿にお頼み申す」
優おじ
「そこまで言っていただけるのならお受け致す。他の方々もご納得いただけるであろうか?」
怖そうなお兄さん
「異論はありませぬ」
「それがよい」「堀殿なら不満はござらん」
他の諸将もうなずいたり、声に出したりで賛成の意を示す。
池田さん
「では決まりじゃ。堀殿、どうぞこちらに」
池田さんは立ち上がって上座を堀さんに譲ろうとするが、
堀さん
「孫七郎殿もそれで良いのでござるか?」
あ! とうとうこっちに話題が飛んできちゃった!
とりあえず声に出さずにうなづいとく。
池田さん
「うむ。問題あるまいな。ささ、堀殿、どうぞこちらに」
上座を堀さんに譲ろうとするが、
堀さん
「そういえば昨日の軍議の時に途中から様子が変わられたな。いかがなさったのだ?あれは」
堀さんはこっちとやり取りを継続しようとする。
さっさと席譲られちゃってぇ!
池田さん
「昨日の孫七郎殿は軍議の最中に突然の便意をもよおされたのだ」
池田さんの助け舟が飛んできた。
そうきたか…。
堀さん
「便意とな」
池田さん
「左様。孫七郎殿が言うにはあのとき頭の中が糞でいっぱいであったそうな」
なにやらウケて場がどっと沸く。みなさんお好きなんですねえ、クソのこと。
堀さん
「はっはっはっは。それは災難であられたな」
池田さん
「あともう少しでも長くなっていたらその場で漏らす決断を下したとのこと」
ああ、孫七郎がクソキャラになってゆく。
堀さん
「それは将たる者の決断力ですな」
池田さん
「そうであろう。ということで、堀殿はこちらに」
堀さん
「今もほとんど発言なされておらんが具合が悪いのでござるか?孫七郎殿」
堀さん、食いついてくるよぉ。もう許してぇ。
池田さん
「孫七郎殿はまだお若いゆえ発言を慎まれておるのでござる」
堀さん
「便意ではなく?」
池田さん
「今は便意ではござらん。強いて言えば眠いのでござる。昨日羽柴殿に叱られたことが響いて一睡もできておらんとのこと。お手柔らかにお願いいたす」
丸一日寝てました。
堀さん
「それは気の毒なこと。これが終わり次第しかと出発まで休まれよ。早く切り上げまするゆえ」
池田さん
「ということでこちららの上座が堀殿に座られるのを今か今かと待っておりますぞ。座られるまでそれがしも永久にここで中腰で待ち続けますぞ」
堀さん
「あいわかった(笑)。お待たせいたした」
席譲るムーブをしているあいだずっと中腰だった池田さんはやっと開放されて端っこに座りなおす。
ワイ 堀さん 義父
怖兄
怖 怖
怖 怖
怖 怖
怖 怖
怖 怖
怖 怖
入り口
堀さん
「それでは第1隊池田殿、三好殿14000。 第2隊森殿、3000。第3隊はこの堀秀政3000。日没とともに出陣いたす!」
「「「「おおー!」」」」
怖兄
「どうしちゃったんだよ。今日全然話してないじゃん。なんか具合でも悪いんか?」
ミーティングが解散となったあと私の一番近くに座っていた怖そうなお兄さんがまっさきに話しかけてきた。
あなたに話しかけられるのを一番恐れてました。だって一番怖いもん。
そしたらお義父さんが飛んでやってきて
「息子たちよ。では別の部屋で親子水入らずで話そう」
私たち2人を連れていきました。