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狂気  作者: 山川俊則
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なんか出てきちゃってる

が、誰もが当たり前に抱えている狂いはある日唐突に終わった。

あれはなんの社会の役に立っているかもわからない、ややブラック気味な都内の雑居ビルの会社で仲の良い同僚と話している時だった。『え、お前の頭から出てるその気持ち悪いの何?悪趣味だから閉まってくんねえかな』

同僚がたばこをふかしながら露骨に嫌そうな顔をしていった。『は?意味わかんねえよ』そう言いながら鏡を見てみると確かにネジが頭から生えている、信じられない、ただそう思った。『なんだこのネジ意味がわかんねぇ』

すると妙なことに同僚は『は?ネジ?俺にはセクハラっていうか性犯罪にしか見えねえんだけど、口に出すのも気持ち悪い』『え、まじか俺にはただのピンクのネジにしか見えねえんだけど』『がち?俺には吹き出しみたいに見える』

『まじか、これ抜いちゃったほうがいいんかな?』額から汗が流れる。何が起こるかわからない不安が脳をよぎったが

これこそ狂気だ、と彼の中で何か快感のようなものが生まれた。『いやあ、お前次第っしょ。あ、今社内友達週間だからお前って言っちゃいけないのか、でもそれはほら、お前と俺との関係があるからいいだろ?』しどろもどろに同僚が答える、完全に動揺している。笑える、今この状況どう考えても動揺するのは俺なのに、動揺しすぎだ。

『じゃあ抜いてみるか』『おう、痛かったらやめろよ。血とか出そうでこええな、うわー見れねえ、映画とかの黒いシーンも俺目瞑るタイプだからさ、いやあね』早口で同僚が何か言ってる。『じゃあ行くよ?』『1、2、3、』

ネジに手をかけるすると驚くべきほどするりと抜けた、しかし抜いたはずのネジは無くなった。

『どう?痛い?』同僚が不安げに聞く『全然?何もない、消えた?』同僚が『消えた、跡形もなく』と答える

するとどこからともなく、女部長の激しい怒声が響く『サボンな!!!』その一言で同僚に目配りで別れをつげ

するりと頭を下げながらデスクに戻った。一体なんだったんだ。

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