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半妖の街 ヨーデル⑪

 ネラはセチュラの攻撃を相殺した。


「さぁ、反撃といくか。」


 ネルからネラに交代したことで能力が段違いに上がっている。

 ネルは物を使役するだけであったが、ネラは

 光といった物体のないものまで使役できている。


「一気に決めるぞ。【使役:三銃士】。」


 そういうとネラはリュックから三体の

 ぬいぐるみを放りだした。


「こいつらは最古の使役者。1番強いぜ。」


 メキメキっと音を立てて、3体のぬいぐるみは

 物語に登場する三銃士のようなレイピアを持った男に変身した。


「「「我等、三銃士!」」」


 三人はレイピアを天にかざし、重なり合わせる。


 先程の攻撃で、使役したぬいぐるみには意思・思考がないため

 セチュラの【穢土掌握】の能力をかいくぐれることがわかっている。


「【使役:ドラゴニカ】。」


 追加でネラはドラゴンのぬいぐるみを放り投げ、

 具現化したドラゴンの背中に乗って、宙を舞う。


「ちょこまかとうっとおしい子ね!【妖術:黒閃光】!」


 セチュラは三銃士にめがけて砲撃するが、

 三銃士はそれを避けて、セチュラに向かっていく。


「続け!ポルトス!アラミス!」

「りょーかい!」「あいよ!」


 華麗な剣捌きに翻弄されるセチュラ。

 黒閃光を何度も放つが、それを避けて斬撃を繰り出す。


 それをセチュラが避けて、反撃する。

 一進一退の攻防が続いている。


「よそ見はいけねぇぜ!【神力展開:(ソーラー・)の屈折(リフレクション)】!」


 ネラはドラゴンに乗りながら、

 人差し指をセチュラに向けて、光線を放った。


「馬鹿ね、全部見えてるのよ!」

「見えてるもんだけが全てじゃないぜ?」

 

 セチュラは光線を避けたが、光が屈折し

 避けた先へと追尾してくる。


「な、なんですって!?」

「終わりだ!!」

「クッ!【魔術:注意散漫(インビジブル)】!!」


 呪文を唱えると、セチュラから四方八方に矢印が飛び散り

 セチュラの姿が見えなくなった。


「き、消えた!?」


 ネラが放った光線は空高く飛んで行ってしまった。


「私に集まった注意を発散することで、

 姿を消すことができる。

 もっと私を見てほしいからあまり使いたくないのだけれどね。」


 どこからかセチュラの声が聞こえる。

 しかし、姿を確認することができない。


 すると、三銃士の一人の悲鳴が聞こえた。


「ぐぁあああああ!!!」


 悲鳴と共に綿が宙を舞う。


 セチュラにやられたのか!?

 すると次々に悲鳴が聞こえ、残りの二人と空中を飛んでいたドラゴンも

 綿へと還り、ネラは地面に叩き落とされてしまった。


「これでおしまい。

 次はあなたよ。寂しい女の子。いや男の子かしら?」

「くっ……。」


 ネラはなんとか立ち上がるが、あんな高所からの落下だ。

 ダメージは計り知れない。


 どうすればいい……。

 見えない敵にどう立ち向かえばいい……。



ガシッ



「近くにおったら見えるんやな……。」

「なっ!この死にぞこないが!」


 倒れ込んでいたクロエがセチュラの足を掴んだ瞬間に

 セチュラの姿が見えるようになった。


 セチュラはクロエを手を蹴り落とそうとするが

 なかなかクロエは離れない。


「離しなさいよ!」

「絶対離さへん……!!今やで!!」

「根性あるじゃねーか!【神力奥義:十光の収縮(ソーラ・レイズ)】!!」


 ネラは全ての指をセチュラに向けて、先程よりも

 大きな閃光を放った。


 その大きさと速さで、たとえ攻撃が来るとわかっていても

 避けきれないだろう。


ドガーーーーン!!!!


 放った光線はセチュラに直撃した。

 凄まじい爆風が俺達を襲う。


 クロエたちは大丈夫だろうか?


 そんなことを考えていると、煙がどんどん薄れていき

 そこにまだセチュラが立っていることを気が付いた。


「嘘だろ……。」


 相当なダメージを受けていることはわかるが、

 まだ息をしている。


「ふざけんじゃない……ふざけんじゃないわよ!!!

 私をこんな風にしてただで済むと思わないことね……。」


 セチュラの放つオーラが一気に重みを増す。

 離れている俺達でも息苦しさを感じてしまう。


「仕留め損ねたか!ならもう一回!!」

「まだ私を倒せると思っているの?

 自分の愚かさを悔いて死になさい。

 【穢術:藪蛇猫殺(そうじゃびょうさつ)】。」


ドクンッ


「ガハッ……!!」


 セチュラが術を唱えると、

 ネラは血を口から吐き出して倒れてしまった。



 な、なにが起きたんだ。

 ネラは何かされたのか?何も見えなかった。


 訳も分からず、ネラは倒された。

 理解が追いつかない。


「次は、あなたよ。坊や。」

「く、くそぉおおおお!!!」


 俺はセチュラに向かって何度も殴りかかるが、

 すべて寸前のところで躱される。


 なんで!なんで当たらないんだ!!


「そろそろね。」

「卜部さん!!!!」

「!?」


 リーリィの大きな声で一瞬我に変える。

 目に入った顔は、何かを伝えるような真剣な顔をしていた。


「【穢術:藪蛇猫殺(そうじゃびょうさつ)】。」


ドクンッ



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