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最終決戦⑤


「【贈り物(ギフト):蜃気楼】。」


グサッ!!


 巨大な針が、俺の身体の下から抜き刺さる。


 空中に浮いていると思っていた針は、

 【大気の神】から奪った【蜃気楼】の能力によって映し出された偽物だった。



「やりすぎちゃったかも。」

「卜部さん!!」


 リーリィは俺のもとへ駆けつけようとするが、間にノーネームが立ちはだかる。



「次は君の番だよ。可愛い声を聞かせてね。」

「!?」



 ノーネームの背後から無数の糸がリーリィに向かって飛び出してくる。



「【神力障壁】!だめだ!回り込んでくる!」


 リーリィは障壁を作るが、糸は自在に動き障壁を回り込んでくる。



「【嫌悪解放:開錠(アン・ロック)】!」



 リーリィの目の前に黒く丸い物体が飛び込んでくる。

 そして、その球体は弾けて伸び広がり、リーリィを糸から守ってくれる。



「なんとか間に合いましたね。」

「大丈夫かい?」


 そこには、ローレンとボンドの姿があった。


「これは限界まで縮めて【施錠】したゴムです。」


 ボンドが広がった黒いゴムの壁を触る。

 この大きさのゴムを持ち運べる大きさまで縮めたボンドの筋力がすごい。



「【魔術:切創風(シェーレ ヴィント)】。」

「!?」



ジャキンッ!



 ゴムの壁はノーネームの魔術でいとも簡単に切り刻まれてしまった。


「マジックみたいだね~。でも君たちはいらないかな?

 【魔術:毒蛇の眼光(カタレプシー)】。」

「【嫌悪解放:開錠(アン・ロック)】!」


 ボンドはポケットからゴムを取り出し投げつけたが、

 ゴムは伸び広がる前に空中で石に変わってしまった。



 そしてその延長線上にいたボンドもまた、石に変えられていく。


「な、これは……、いっ……た……い……。」



ガチンッ



「ボンド!」

「君もいらないんだよ?」



 ノーネームは糸を巨大な拳に作り変え、ローレンに向かって殴り掛かる。

 その時、



「こっちだぁああああああ!!!!」



 大声が響き、ローレンの直前で糸の拳は方向を変えた。


「おや?どこに行くんだ~?」


 拳は全速力で、声の主であるユララの方へと向かってくる。



 ユララは【地味の神様に嫌われている】。

 彼女の【嫌悪解放:零時前の灰かぶり(シンデレラ)】によって、ノーネームの攻撃を誘導したのだ。


 しかし、彼女には戦闘能力はない。



「ひ、引きつけましたよぉぉぉ……!!」

「よくやった!ドジっ子!」



 すると後ろからリークが顔を出す。



「エジリン、力借りるぞ。【神力展開:改造(リモデル)】!」


 リークは、鍵を取り出し術を施す。

 すると、みるみるうちに鍵は形を変え大砲へと変化する。



「リークさん、来てますよぉぉ……。」

「よぉし!ドジっ子!しゃがんで!」

「ひっ!!」



ドガーーーンッ!!



 リークが放った大砲によって、

 ノーネームの攻撃をなんとかしのぐことができた。



「邪魔しないで欲しいなあ~。【贈り物(ギフト):上昇気流】。」

「うぉお!?」


 ローレンは突然下から突き上げる風に巻き込まれ、空中へと飛ばされてしまった。



「これは【風の神】から貰ったんだ。」



 ノーネームは浮かび上がったローレンに向かって、糸の拳を飛ばす。

 そして、ディードと同じようにローレンを捕獲した。



「はい、三人目~。」


 ノーネームにとっての獲物は卜部とリーリィだけ。

 その他には興味がないようだ。



「それじゃあ、今度こそ。」



 ノーネームはリーリィにじわじわと寄ってくる。

 リーリィにはノーネームに通用するような攻撃手段を持ち合わせていない。



「大丈夫。痛いって感じる前に終わらせてあげるから。」



 ノーネームはリーリィに向かって、糸の拳を放った。



バチィィィン!!



 眩い光が目に飛び込んで、リーリィへ向けられた包帯は粉々になっていた。



「させるかよ。【神術解放:豪雷(ゴウライ)】。」

「卜部さん!!」


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