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決戦㉑


「もうみんなには指一本触れせない!!!」



 俺はもう一度立ち上がり、オーエンの攻撃を受け止める。



 肉体強化の術が解けてしまっているのにも関わらず、

 オーエンの【限界設定(リミット・セッティング)】を行った術を受け止めることができた。


 この前もそうだったが、一度倒れてしまい死線を潜り抜けることで確実に強くなっている。



 俺は、オーエンの右腕を掴みながら左手にも手を伸ばす。


「なんのつもりだい?」

「お前、俺を【蹴らない】んだよな?」



 オーエンは先程の巨大な一撃を放つために、自らに制約を科した。

 つまり、腕さえ封じてしまえばこっちのもんだ!



「チッ!はなせ!」

「おらぁ!!」



ゴンッ!!



 両腕を捕まえながら全力で頭突きをお見舞いする。


「ガッ!」


 頭が触れた瞬間に手をはなし、オーエンが後ろにのけぞった。



「自分でハンデを作ったことを呪うんだな!【嫌悪解放:持たざる者】!!」



 大丈夫だ。

 まだ【持たざる者】を発動できる。

 やっぱり、強くなっているんだ!



「ク、クソッ!!」



 俺は大きく一歩、前に踏み出す。

 足から伝わってくる大地のエネルギーをすべて拳に込める。


 コーリンやリップを従わせ、あんなにも傷つけた。

 俺は絶対に許さない!



「くらいやがれぇ!!【神力展開:(ゴウ)】!!」


 卜部の拳が青く光り出す。


 【(ゴウ)】はディードから教わっていない技。


 しかし、卜部の中に託されたディードの神力が技を伝えてくれた。

 大気が揺れ、拳を握る力をさらに強めオーエンに向かって振りぬいた。



「ぐわぁあああああああああああ!!!」



 オーエンは俺の拳により、大ダメージを受け吹き飛んでいく。



「よし!あいつやりやがった!」

「流石です!卜部さん!」

「いや、まだだ。」



 吹き飛ばされたオーエンはゆっくりと立ち上がる。



「いやー。今のは効いたよ。」

「な、無傷だと……?」



 オーエンは卜部の一撃をくらってもなおピンピンしている。



 打撃が当たったときは、血を吐き出し傷もついていたはずだが

 その傷もなくなってしまっている。



「なんで傷が治ってるんだ!?」

「簡単なことだよ。君が傷つけ、殺したのは僕の【人生】じゃない。

 僕が奪い取った誰かの【人生】なのさ。」



 なにを言っているんだ……?



「僕の【小さな掌、大きな世界(ワールド・エンド)】は人の【人生】を奪うことができる。

 そして奪った人生を身体に取り込むことで共存できるのさ。」



 それじゃあ……。



「君は僕に【人生】を奪われた人を殺したんだよ!

 きっと今頃どこかでグチャグチャになってるんじゃないかな?」



 そんなこと……。



「あーはっは!!守るどころか君が手を下しているじゃないか!?」

「卜部!!あいつの言葉に耳を傾けるな!」


 コーリンが俺に声を掛けてくれる。


「でも……、これじゃあ……!!」

「さぁ!殴ってごらん!?」



 オーエンが急に目の前に現れる。



「さぁ!」

「【十種刀:光明の礎】!!」



 コーリンの突き上げる剣技がオーエンを切り裂く。

 オーエンはコーリンの攻撃を受けて吹き飛ぶ。



「コーリン……!!」

「気配からして【人生】は完全に同化してしまっている。

 せめて、あんな下衆野郎から解放してやるのが私たちの役目だ……。」

「コーリンは冷めてるね。面白くないな。」


 オーエンは再度立ち上がる。

 また同じようにコーリンから受けた傷は綺麗に消え去っている。



 すると突然空中が直視できないほど激しく光り出す。


「な、なんだ!?」

「おぉ!復活の魔術も大詰めのようだね。」



 空まで伸びる光の柱から、何か石のようなものがゆっくりと落ちてくる。



「【絶望の悪魔】の根源さ。あれが地面に降り立った時、この世界は終わる。

 さぁ、残り時間もあとわずかだ。迷っている時間はないんじゃないかな?」



 自分が負けるはずがない圧倒的な優位に立っている状態。

 オーエンは笑ってこの状況を楽しんでいる。



「ちくしょう!時間がねぇぞ!」

「だが、俺達が行っても足手まといになるだけだ。」

「そうギョギョ。信じるしかないギョギョ。」

「でもこのままじゃ全力で卜部は戦えないわよ。」



 石はゆっくりと地面に向けて、降りてくる。



「ディードさん。何か方法はありませんか……?」

「……。1つだけある。だが、これはあまりにも危険すぎる……。」

「どんな方法ですか……?」



 リーリィはこの状況を打破できるのは、卜部しかいない。

 そんなことは分かっていた。


 あまりにも危険すぎる方法。

 そう聞いて1度耳をふさぎたくなった。



 また卜部さんを危険な目にあわせてしまう。



 でも、きっと卜部さんはみんなを救える方法があるならば、

 きっと自分の危険なんて顧みずにやってのける人だ。



 それを邪魔することは、卜部さんを否定することに繋がると思った。

 

 卜部さんを全力で応援するのであれば、

 その危険だけどみんなを救える方法をする卜部さんを私が救えばいい。


 そんなことをリーリィは強く思ったのだ。



「ディードさん、教えてください。その方法を。」

「だが……、これ以上卜部んを……。」



「大丈夫です。卜部さんは私が守ります!」



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