プロローグ
―2020年6月某日。
僕はパソコンで『小説家になろう』いう小説投稿サイトで、この文章を打ち込んでいる。
今日から僕は、ここで毎日文章を綴ることにした。
言ってしまえば、日記のようなものだ。
ここが、日記を載せるような場所ではないことは分かっている。
自分の手帳に書けばいいことだし、誰かに見てもらいたいならブログにでもすればいい。
それでも、僕はこの場所を選んだ。
その理由の一つが、僕がこの日記を「物語」にしたかったということだ。
それは、僕が、この世界で少しでも堂々と、前を向いて歩けるようになるまでの物語だ。
僕のことはこれから少しづつ記していこうと思う。
この物語の終わりはいつなのか、それは僕にも分からない。
この文章を読んでくれる人がいるのかも分からない。
もし、今この文章を読んでいる人がいるのならば、あなたはもう僕の人生に触れてしまっている。
あなたはもう、僕に関わった人になってしまったのだ。
これは、僕のわがままに過ぎないが、どうかあなたに、この物語の行き先を見届けてほしい。
これまでの人生で、僕の中に溜め込まれてきた思いたちを受け止めてほしい。
誰にも本当の自分を見せられない僕の話の、聞き手になってほしい。
なんて、少し、わがままを言いすぎてしまったようだ。
気づけば、もう日付が変わるころだ。
明日も早起きをしなければいけないから、今日はこれくらいにしておこう。
ここまで読んでくれてありがとう。
じゃあ、また、明日。