お出かけ
なんだかレオに腹が立ったのでかつらもとっていつもどうりの銀髪の髪にしてハーフアップにしてくるりんぱする。それから黒のワンピースロングドレスを着る。それからメイクセットを出してお城にいた時みたいにメイクをする。こっちの生活では薄いうすーいメイクしかしてなかったので、久しぶりだ。
「はいっていいよー」
我ながらかわいいと思う。
入ってきたレオが言葉を再び失う。いやせめてかわいいとか何とか…。
「可愛い・・・」
いや本当に言ったよ。というかうれしい。いやレオの目がとろんとしていとおしそうに見つめてくる。
大丈夫この人?なんかキャラが変わってるような気がするんだけど。
「大丈夫?」
声をかけるとはっとしたように顔を上げる。
「髪・・・。綺麗だね」
近寄ってきて髪を触りながらつぶやく。どうしてこんなにもさらっと王子様のような甘いセリフを吐けるんだろうか。おかげで顔は真っ赤だ。
「ありがとうございます・・・///」
「それと、ドレスよく似合ってる」
さっきはやめておいたほうがいいだとか言ってきたくせに。それほどこのドレスとさっきのかわらないだろうが。
そしてレオはすっと離れると全体をまじまじとみつめてきた。なんだか恥ずかしくてもじもじしてしまう。
「なんで男のお前がドレスを2着も持っているんだ?それに髪も・・・」
ぎくっ。むしゃくしゃしてついやってしまったけどさすがにばれるか・・・。
「実は私・・・」
もうネタバラシしてしまおうか。レオさんは信頼できるしもしかしたらなんてあり得ないことが頭に浮かぶ。違う確かに信頼はできるけどお兄様の病気を治せるようになるまではばらしてはいけない。せっかく平民になりきった意味がなくなる。
「ごめんなさい。この話はまた今度しますね」
「えー、、、お願い」
イケメンな王子様に上目遣いで見られる。うっ・・・。上目遣いに弱い私はあっさりいってしまった。
さすがに王族なことは言えないけどこれぐらいは許してほしい。
「私・・・。そのとある事情で男装して薬師やってたんです。今までだましててごめんなさい。だからこれが素です。」
「!!やっぱり」
少し驚いた様子だったが納得してるみたいだ。だましてたのに怒らないのかな。
「怒ってないんですか?」
「怒ってる。だから罰として1日中、今日は付き合ってもらおうかな」
罰!
「はいぃ」
一日中ということは夜もいっしょに(殴)ごめんなさい。
「それと・・・。髪、綺麗だけど隠したほうがいいんじゃないか」
あ、そうだ銀髪ってめちゃめちゃレアなんだっけ。この国で私しかいないだとか。
「フード、持ってないの。貸してもらえる?」
「あ、ああ」
上目遣いで見ると少したじろいだように見えた。
自分がかぶってたフード?いやマント?みたいなのを貸してもらえた。
「ふふ、レオのにおいがする~」
本当にいい匂いだ。レオのにおいがずっとして抱きしめられてるみたい。
あまりにもいい匂いで自然に顔がほころぶ
するとレオは小さく「破壊力やばすぎだろ・・・」とか謎のことをつぶやいていた。
「早くいこ!」
ご機嫌に家?いや薬屋さんを出る。
◇
それからいろいろ街をまわった。
それから・・・。問題は本屋だ。さすがにレオの目の前で恋愛ものを買うのは少し恥ずかしい。
「どうした・・・?」
「いや、えっと、本屋によりたいんだけど、、、」
「いいけど・・・。それが?」
もう!乙女心のわからないやつめ!
「少し外で待っててほしいな」
「わかった。俺の目に入るところにいろよ。」
きゃーかっこいい。それは守れないからとかそういうやつですか?さっすが王子様。
◇
って、恋愛ものの本棚奥じゃんか・・・。まあいいや、少しだけだし。
あった!お目当ての小説が見つかってよかった。日本の本とは違ってどれも同じような見た目をしていて、違うといえばタイトルと内容だけなんだよね。だからめだたなくて済む。
こっそりタイトルを隠して店員さんにこれくださいという。
銀貨1枚だった。うーん。日本円にすれば1000円。安いのか高いのか。でも日本にいた時ラノベとかめっちゃ高かったし・・・。いや、ネットで買えば安かったりもしたし。
まあいっか。
ってうわ!誰かに思いっきり腕を引っ張られてそのまま口をふさがれた。
助けて!レオ!!!